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第112話勇王国アレス・ニース


俺とエリローズは勇王国アレス・ニースにやってきた。

来た瞬間に俺は言う。


「おい、なんだこの悪趣味な国は…」


俺達は現在、城下町の正門前に転移している。

正門には国王アレス・ニースを模した石像が至るところに建っている。

しかもカッコつけたポージングは1つとして同じものはない。

城壁には同じくアレス・ニースの壁画がびっしり。

俺は国ごと吹き飛ばしたくなる衝動を必死に堪える。

うん、今日はとりあえず対話にきたんだ。

うん。


「確かにひどいですね。消しますか?」


珍しくエリローズと意見が合った様だ。

だが、いきなりそんな事をすればまともな対話など望めない。

アレス・ニースが異世界からの召喚者じゃなかったら俺が自分で吹き飛ばしているが…


「やめろ。今日は対話にきたんだ。どんなに悪趣味でもいきなり吹き飛ばすのはさすがにマズイだろ?」


「ああ、そうでしたね。このひどい有様を見た時に頭から抜けてしまいました」


「それは同感だがな…」


今日はやけに気が合うな。

まあ、正常な思考ってヤツだな。

とりあえず入るか。


俺達は正門に向かって歩く。



〜正門〜


「ようこそ、光と闇の交わる国へ」


いきなり門番が厨二くさい事を言ってくる。


いや、マジでこの国もうダメだろ?

どう考えても吹き飛ばした方が世の中為になるだろ?


「ラグア様が世の中為に考えるなんて、はじめてじゃないですか?」


エリローズが茶々を入れる。

門番が言う。


「えーっと、今月は勇者のつきだから………」


何?月替わりで魔王と勇者使い分けてるの?

アホなの?

いや、アホだよな?

それ以外考えられねえわ。


「ここは偉大なる勇者、アレス・ニース様が治める栄光ある王国である。この神聖な土地に足を踏み入れる事に感謝を…」


「黙れ」


俺はほんの少しだけ殺気を出す。

それだけで門番は昏倒する。


いや、耐えようと努力はしたよ?

でもさすがに限界だわ。

この国ヤバすぎだし。

こんなの我慢とか拷問以外何ものでもないし。

門番を八つ裂きにしなかっただけ俺頑張ったからね?


「きっ貴様!?何者だ?応援だ。応援を呼べぇ」


「敵襲っ、敵襲っ」


他の門番が騒いでいる。


さて、結局こうなるのか。

まあ、この方が俺らしいけどな。


「どけ、ゴミ共。俺は魔王ラグア・エルライド。お前らのアレスとか言う厨二くさいボスに用がある」


「はじめまして門番の皆さん。私は邪神エリローズと申します。私はその厨二さんには用はありませんので、ただの付き添いです」


俺達は騒いでいる門番達にそう名乗るのだった。


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