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第104話来訪者


壁中についた血と濃厚な死臭が漂う。

部屋には一般人には用途不明な拷問具の数々。

ここはエルライド城にある俺専用のプレイルーム。

今俺は絶賛お楽しみ中である。


俺は言う。


「いやー、平和っていいねー」


「この状況を平和とか言うラグア様を私は尊敬しますよ。もう今日これで5人目ですよ?」


勝手に入ってきたエリローズが言った。

俺の足元には絶命した男女の死体が4つ転がっている。

その表情はどれも苦悶に満ちている。


「たまの休日に趣味を楽しむ、これは平和だろ?てかてめえ人がお楽しみの時に、勝手に入ってくんじゃねーよ。出てけ。殺すぞ?」


「まあ、その考え方も一理ありますね。殺すって既に4人死んじゃってますよ?まあ、さすがにラグア様の趣味を邪魔したのは私が悪かったですね。私は退散します。」


エリローズが消えた。


さてさて続きだ続き。



〜エルライド城ラグア専用プレイルーム前入り口〜


エリスは部屋の前に立っていた。

なぜか?

お楽しみ中の主人の邪魔をさせない為だ。

エリスはラグアに好きにしていいと言われたが、自ら進んでこの部屋の警備を引き受けた。

主人の過ごし易い環境の為に働くのが配下の務めであるある。


ちなみにラグアからこの部屋に入室許可をもらっているのは、エリスとセリーとライナーのみである。

それ以外の者、例えばフィリアやフィリムは四天王とはいえ、この部屋には入れない。


そもそもこの部屋の警備を任された事自体がラグア様の信頼の証。

エリスは顔がほころびそうになるのを必死に堪えながら扉の前に立つ。


………まあ、先程エリローズ様は通してしまった様だが、アレは仕方がない。

あの方そもそも扉なんか使わないし、ラグア様でさえどうにもならない存在を自分ごときがどうにかできる訳がない。

エリスがそんな事を考えていると…


「伝令にございます。ラグア様にお客様がいらしております。」


伝令の男はそう言った。


ちなみに部屋は完全防音で中の声は外に漏れない。

もしも、中の声を聞かれようものなら、自分はこの男を消さなくてはいけない。

敬愛する我が神である、ラグア様が時期、エルライド王国国王、ラグア・エルライド様御乱心などと言われるなど許せない。

ラグア様の臣民を殺したくはないが、その様な事を言う輩は皆殺しだ。

とにかく今はラグア様に会わせる訳にも、ラグア様の邪魔をする訳にもいかない。

エリスは言う。


「ラグア様は今お忙しい。私もここを離れる訳にはいかない。客の相手はライナーにでもさせろ。」


ラグア様の貴重なお時間をお守りするのは、私の役目、セリーはゴルド・シーマの件でいろいろやる事もあるだろう。

暇なのはライナーとフィリアとフィリムだが、ラグア様、私やセリーに次いでこの国での権限を持っているのはアイツだ。


「でっですが…」


伝令はまだ何か言いたそうだったが…

エリスは言い終わらないうちに言う。


「殺されたいのか?貴様のくだらない報告でラグア様の貴重なお時間を奪う事など1秒たりともあってはならない。それを…」


「しっ失礼しましたぁっ」


伝令の男は顔面を蒼白にして腰を90度に折るとそのまま来た道を戻っていった。


いかんいかん。

下っぱの伝令如きに何を熱くなってるのだ。

ラグア様の事となるとつい熱くなってしまう。

エリスはそう思い、少し反省するのだった。



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