第102話魔族領4
「フィリア、妖精王でサポートしろ」
「はいよ、発動、妖精王、スキル強化、ステータス増加、確率操作。ダメージ軽減より確率操作の方が良さそうだからこっちにしといたよ。どうせセリー当たんないでしょ?だったらこっちならラッキーパンチ入るかもだからさ。妖精王も精霊王も同時に使える補助は3つまでだからごめんね。」
当たんないでしょ?だと?
あの羽虫女…。
こっちはどれだけ集中してると思ってんだ。
まあ、フィリアに対する文句が即座に浮かぶって事はまだ余裕があるのだろうが…。
とりあえず、イラつくと思考が短絡的になる。
ここは冷静に行こう。
セリーはそう自分に言い聞かせる。
「解析が終わったぞ。黒いオーラと白いオーラの隙間を狙え」
フィリムが言った。
は?
当たる訳ねーだろ?
超高速で動き回ってるんだぞ?
セリーは思った。
「大丈夫だよ。確率操作があるからなんとかなるよ」
フィリアは言った。
勝手な事を…
サポートしてるだけで戦いもしないくせに。
〜〜〜
超高速で戦闘が動いていく。
ちなみにフィリムの精霊王は全て確率操作に回した。
だいたい有効打は5回に1回入る。
さっきに比べれば状況はマシだが、ゼブルの再生のスピードの方が早い。
おそらく再生系のスキルも持っているのだろう。
ゼブルは言う。
「さて、では私もそろそろ本気を出しますか…」
マズイっ。
その時だ。
唐突に現れた人物がいた。
「よく耐えたセリー。あとは任せろ。」
「エリス様っ」
現れたのはエリスだ。
だが、放っているはオーラから今までの彼女とはまるで違う。
ほんの僅かな間に恐ろしい変化だ。
「発動、帝級スキル、拳帝」
エリスは拳帝を発動させる。
拳帝は発動させた時点で全ステータスが5倍に跳ね上がる。
他に様々な効果もあるが、それは追い追い説明しよう。
「これはマズイですね。発動、再生王、虚無の王」
ゼブルの体が少しずつ崩壊をはじめる。
その崩壊速度は再生王の再生力を超える。
「くくくっ、お望み通りの全力ですよ。エリスでしたっけ?援軍にきたのはいいですが、あなたはこれで私に触れる事すらできませんよ?」
虚無の王は王級スキルでも随一の破壊力を持つ。
代償は自身の崩壊。
だが、再生王で崩壊を遅らせながら完全崩壊前に倒せば関係ない。
ステータスも王級の限界まで上げるので、まず反応できない。
ゼブルは勝利を確信した。
ゼブルはエリスとぶつかったが…。
「なっ!?」
エリスは無傷である。
それどころか、ゼブルの腹には風穴が空いている。
「王級ごときで今の私に勝てると本気で思っているのか?」
エリスはゼブルに向かってそう言ったのだった。




