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第99話ノーマンとヒピー魔王国4


ここはヒピー魔王城最上階。

現在、ライナーの前ではノーマンがシグを圧倒している。


「お前が、お前が悪いんだよー。竜魔レースに屋台にそんな面白いもの作るから任務を忘れたんだー!!」


叫びながら王級スキル、模倣王を発動させているノーマンの言っている事はただの理不尽である。


ライナーは思う。

こんなノーマンは見た事ないと。

ノーマンの模倣王は制限こそあるが、王級スキルの中では別格だ。

はっきり言って自分も今のノーマンに勝てるかどうかは微妙なところだ。


「ハハハッ、死ねー、死んじまえっ。」


今のノーマンはラグア様にサボっていた事がバレて完全に壊れている。

ノーマンに足りないのはやる気だ。

無気力、怠慢、適当。

この言葉が彼ほど似合うものはいない。

だが、今の壊れたノーマンにはそれがない。

故に彼は強い。


シグは言う。


「くっ、姉上の為にもこんなところで負けるわけには…」


言い終わらないうちに壊れたノーマンが叫ぶ。


「発動、分裂王、魔導王、サウザンドマジックボムっ。」


多重分裂したノーマンからいくつもの魔力の塊が放たれる。


ちなみに今回ノーマンが模倣王にセットしたスキルは、分裂王、魔導王、再生王である。

再生王は万が一の時の保険だが現在のノーマンを見ている限り出番があるのかどうか怪しい。


「ぐぎゃあぁぁぁぁっ」


いくつもの魔力の塊がシグを襲う。

シグは消滅していく自分自身を見ながら叫ぶ。


「ボクがっ、姉上のお気に入りのボクが負ける?ありえない、ありえないよ。姉上ーっ………。」


「さて、任務は終わったし帰りますか?」


そう言ったのはライナーだ。


ちなみに全力で抵抗しながら引きずられているのが、ノーマンである。


〜エルライド城、玉座の間〜


ノーマンが部屋に入るとそこには先客がいた。

カティアが真っ白になっていた。


ノーマンは思う。

え?何があったの?

てか、カティアちゃんも怒られたの?

いや、ラグア君のお説教ヤバイでしょ。

廃人になりかけてるし…。


うん、逃げよう。

ラグア君にはあとでライナー君に頼んで上手に言ってもらおう。

そう思ってノーマンが後ろを振り返ると…。


「あれー?どこへ行くんですかー?楽しそうですから一緒にいきましょうよ?」


終わった…。

前にはキチガイみたいな魔王、後ろには鬼畜みたいな邪神、これはもうダメだ。


「おい?エリローズ。なんかコイツ失礼な事考えてねーか?俺は相手の心読むのは、あんまり得意じゃねーんだよ。」


「考えてますね、完全に。情状酌量の余地はありません。ラグア様お願いします。」


「いやだー、いやだーぁぁぁぁっ。」


こうして、廃人になるほど恐ろしいラグアの説教ははじまった。

ちなみに後に回復したノーマンもカティアも今日の事を語りたがらない為、その内容は未だに謎に包まれている。


最初のうちは玉座の間から、悲鳴が上がっていたが、しばらくすると静かになるのだった。


次回はセリーのお話をやります。

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