第98話ノーマンとヒピー魔王国3
「なんでっ、ライナー君っ、なんでバレちゃったの?」
ノーマンは叫んだ。
「いくらなんでも時間をかけすぎです。あれではさすがに何かあったと思われて、ラグア様が様子をみるのも当然です。」
ライナーは静かに、答えた。
「お前ら私の事を忘れているようだな?」
ブロスが2人に襲いかかるが…。
「発動、剣王、解放、帝龍剣バハムートっ」
突如現れた剣によりブロスは真っ二つになる。
ライナーはただ振っただけだが、核は確実に破壊した。
ブロスが死ぬのは時間の問題である。
ブロスは言う。
「ゲホっ、お前がラグアか。そんなヤバイ剣、配下クラスに持ち歩けるはずがないしな。くそっ、油断した。」
確かに帝龍剣バハムートの力は凄まじい。
だが、実際にはライナーが使っている。
あれは確か…
ライナーは思い出す。
〜約7年前〜
ミグとラグア様が戦うより少し前の話だ。
エリス様が言った。
「ラグア様、これまでに滅ぼした国々の戦利品等がたまっております。いかがなさいますか?」
ラグア様が答える。
「戦利品?中身はなんだ?」
「主に武器や防具、貴金属や宝石、調度品なんかも多いですね。」
「なんだそれ?いらねーよ。まとめて宝物庫にぶち込んどけ。」
そこにフィリアが割って入る。
「ラグア様、武器や防具はどうですか?ラグア様がお使いなればいかがかと?」
「あのなー、フィリア。今の俺は普通に触手でぶん殴れば大抵のヤツは倒せるんだよ。ついでに帝級スキルを複数持つ、俺以上の武器も防具もこの中には存在しないんだよ。そしてだいたいの武器は、俺の一撃に耐えられずに木っ端だ。装備したらかえって弱くなるものをお前は装備したいか?」
「!?っ申し訳ございません。そこまで気がつかず…」
「あー、いいからいいから。とりあえず俺はいらんわ。お前ら欲しいものあったら持って行っていいぞ?」
エリスが言う。
「ラグア様、お気持ちは大変嬉しいのですが私にも不要なもののようです。」
セリーが言う。
「いえ、私に必要なものは…」
ライナーは自分の番になった。
正直、先程からセリーがガラクタをみるような目をしていたので全くの正反対だった。
剣王のスキルのおかげか、素晴らしい剣がいくつもあった。
ライナーは剣を持ちながら叫んだ。
「ラグア様っ、これは、これは素晴らしいですよっ。」
「そうか。なら全てライナーにやろう。ついでに宝物庫の管理もよろしくな。」
「えっ!?いえ、畏まりました。」
「「ライナーよろしくっ」」
〜〜〜
クソっ、嫌な事も思い出した。
ライナーは消滅するブロスを見ながらそんな事を考えるのだった。
まだ続きます。
長引いてすいません。




