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第97話ノーマンとヒピー魔王国2


ノーマンとブロスの戦いははじまった。


まず動き出したのはブロスの方だった。

ブロスの体から伸びたいくつもの触手がノーマンを襲う。


ノーマンはそれを避けながら言う。


「なんかラグア君の技の劣化版みたいだなー。」


ラグアの千手観音モードは体中から無数に伸ばした触手を光速で叩き込むキチガイみたいな技だ。

それに比べれば触手の数も速度も威力も遠く及ばない。

と言うか本来比べる対象ですらない。

はっきり言ってノーマン自身、ラグアがわざとゆっくりやっている千手観音モードの展開の瞬間以外はまともに認識する事もできない。

気がついたら敵が消滅しているのだ。

そんな存在と自分程度といい勝負をしている存在とをそもそも比べる事自体が間違っているのだ。

結局ノーマンの頭の中ではそう完結した。


まあ、そんな存在にこれから怒られる事が確定しているノーマンなのだが…。


「次は僕からいくよー?」


ノーマンの影が実体を持って立ち上がる。

これは影操作と全属性魔法の組み合わせではじめて可能な技である。

影操作だけではその場、その場で影に簡単な命令を出せるだけである。

完全に実体化させて自分の分身として使用するのは、高レベルの全属性魔法を使ってもギリギリだ。

細かい命令ははっきり制御できるかは怪しい。

これが魔導王にまで進化していれば、余裕だったが残念ながらノーマンは基本的に怠慢であった。

ラグアの元にきて7年、ほぼ毎日遊び続け、全く成長していないのはノーマンとカティアぐらいである。

ノーマンは現在、7年間遊び続けていたツケに苦しめられていた。


戦っていくうちにわかった事がある。

ブロスは王級スキルこそ、持っていないが通常スキル、固有スキルはそれなりに豊富だ。

事実、平均基礎ステータスではこちらが圧倒的に勝っているのに、本体と影の2人かがりでも押されている。

おそらくこれで王級スキルを持っていたら自分より強いだろう。


「もういいや。勝てないし模倣王で…。」


ノーマンが諦めて模倣王を発動させかけた時1人の男が現れた。

茶髪系の短髪で顔立ちははっきり言って美青年である。


「ライナー君っ!?」


ノーマンは少しうわずった声をあげた。


ちなみにノーマンとライナーはそれなりに仲がいい。

お互いどこか似ているのだろう。

それが頭の悪さなのか、性格の軽さなのかは不明だが…。


「ノーマン殿、残念ながら、ラグア様はお怒りです。さっさと終わらして帰りますよ?コイツは俺がやるんで、シグの方を頼みます。」


ラグア様はお怒り?

遊んでたのがバレてしまったのだろうか?


ライナーの言葉にノーマンの表情は絶望に変わるのだった。



次回はこの続きです。

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