第87話捨て駒
「はじめましてー。ウチはシーラ・ベルネイア。ふうん、あんたがラグアか。確かに神格エネルギーの総量はウチなんかと別次元だね。テオレームやソドム以上いや、ロロよりも上か。だけどあんたは圧倒的に経験が足りないね。そんなんだから下級神クラスに手こずるんだよ。」
シーラは言った。
ちなみにシーラはロロの力が半減している事は知らないので、上級神のロロと比べての発言だ。
ちなみに現在のシーラは帝級スキル、水神の帝を解放している状態なので当たりさえすれば、ラグアにも攻撃は通じる。
「あ?てめえに言われる筋合いねえんだよ。」
俺は言いながら無数の触手でシーラ攻撃するが…
「クソがっ、邪魔くせー。」
下級神達が横やりをいれる。
下級神の方に集中すると今度はシーラが攻撃に出る。
俺はと言うと完全に防戦一方である。
まだ一発もくらってはいないが、このままだとちょっとマズイか。
そう思い、俺が連携を崩す為に万物の神を発動させようとしたその時。
「格下相手に何を遊んでるんですか?」
エリローズが俺に加勢する。
俺は言う。
「バカっ、出てくるのが早えーよ。つーかお前までそこを離れたら…。」
「あっ…。」
ミグと悪魔のヤツと上級神のヤツが転移していく。
クソっ、逃げられた。
俺は言う。
「バカか?加勢するの早すぎだろ。逃げられちまっただろうが。」
「下級神ごときに遊んでいるラグア様も悪いですよ。」
「あ?じゃーお前はどうなんだよ?」
「私は下級神どころか上級神だろうがそこら辺の概念持ちだろうが手こずる事はありません。」
「そこら辺に概念持ちなんかいねーよ。つーかいくら強くても、結果バカだから逃げらんてんじゃねえかよ。」
「…ラグア様、目の前の下級神の皆さんがお待ちかねですよ。」
おい、マジかコイツ。
無理矢理、話をぶった切ってごまかしやがった。
俺は叫ぶ。
「クソがぁぁぁぁっ、てめえら全員皆殺しだぁぁぁ。」
シーラは言う。
「わーおっ、清々しいぐらいの八つ当たり。これでとりあえずウチらの目的は果たせた。そこのおバカな邪神さんのおかげで。」
「ほう?私に向かってバカと?命がいらないみたいですね。」
視認不可の速度の消滅の概念がシーラに直撃した。
シーラは完全に消滅する。
俺は言う。
「だからテメエは少しは頭を使え。安い挑発に乗りやがって。殺したらミグのスキルで復活するだろうがぁぁ?少しは考えろや。てか一回死ねよ。」
「(笑)(笑)(笑)」
あークソっ。
マジでコイツ死なねーかな。
神頼みでもした方がいいのか?
いや、俺もあのバカも神様の時点で意味ないか。
てか今回、あの捨て駒共にまんまとハメられただけじゃねーかよ。
その後、下級神の残党共をしっかり神格エネルギーに変えて俺は中級魔神にまで至るのだが………。
ダメだ。
今回怒りしか湧いてこねーわ。




