閑話ミグとジオ
「うわーん、ジオっちー、うわーん。」
あたしはジオっちに抱きついている。
イシュトスは言う。
「おい、考えて抱きつかないとまた死ぬぞ?そいつ。」
ジオっちは泡を吹いている…。
「ジオっちーー!?」
〜〜〜
ジオっちはまだ気絶しているがなんとか一命を取り留めた。
危ない危ない。
生き返らせといて自分で殺すところだった。
今のステータスで考え無しに抱きつくと死にかける。
ちゃんと覚えておこう。
「うっううっ。…みっミグ?」
ジオっちが目を覚ました。
「そだよー。おはよー、ジオっちー。」
あたしはまた全力で抱きつきたくなるのを堪えて、優しく抱きしめる。
「あれ?俺は確かラグアに…。!?ってかなんだよ、ミグその力は!?」
ジオっちはあたしの変化に気づいたらしい。
あたしは答える。
「説明めんどくさい。まー生き返れたんだしいいじゃん?とりあえずこの調子でみんなもジャンジャン生き返そう。」
「待てっ、全く理解が追いつかない。生き返らせる?
みんなって言うとお前の昔の仲間か?」
「そうだよー。ジオっちもみんなもあたしの神級スキル、黄泉の神で生き返らせるんだよー。」
「神級…。お前のその力はそういう訳か。おめでとう。」
「ありがと…ジオっち…。」
古い友人であるジオはミグが神級になる為にどれだけ努力したか知っている。
そしてそれでもなれなかった事も。
ちなみにジオはどうやらミグに殺されかけた事には、気づいてない様だ。
ジオは言う。
「しかし、昔のお前の仲間か…。ヤバイヤツも多いから考えてやれよ?それにそんな力なんのリスクもなくできる訳ない。対価はなんだ?」
「ヤバイヤツ?あたし的にはまずはシーラちゃんを生き返らせようと思っているんだけど。対価は王級スキルだよ。帝級なら3人ぐらい一気にいけるけどね。」
「ミグ…。シーラはヤバイヤツだ…。確かにアイツは今のお前程じゃないにしても相当な実力があるが、大陸を洪水にして沈めた理由が喉かわいたー、とか吐かすイカれたヤツだ。できればアイツはやめておけ。
やはりそれなりの対価がいるのか。どのスキルが必要で誰を生き返らせるべきなのかよく考えろよ?」
「うん、任せてジオっち。王級スキル、賢王を生贄にシーラちゃんを…」
「ミグっ、てめえ話聞いてねえだろ?100歩いや、1億歩ぐらい譲ってシーラを生き返らせるのは許したくはないが、お前のスキルだから仕方がない。だが賢王を生贄はやめろ。お前がこれ以上バカになったら誰が苦労すると思ってんだ?」
「ジオっちひどいよ。あたしバカじゃないし。」
「もういい。生き返らせるヤツはお前が決めろ。生贄のスキルは俺が決める。」
「えーー。あたしのスキルなのにー。」
「黙れっバカっ。」
「またバカって言ったー。」
こうしてミグは再び黄泉の神を発動させるのだった。




