after84神星帝争奪戦(裏)10
最悪だ…
ミオンは目の前に現れた、もはや災厄と言ってもいい存在を見据えながら思った。
『どうする?姉貴?さすがにマズイよな?』
『うるさい…今考えてる…』
バカな弟からの神通にはそう返した。
だが、そんなミオンに対して黒髪の女…ミーラルはクスクスと笑う。
「ふふっ、この不便な身体じゃ読心が使えないから正確にお前が何を考えてるんかはわからんが、ゆっくり考えるといいんよ?まあ、どのみちもう詰んでるよ?」
「あ?お前どういう意味だよ?自分は絶対負けない自信でもあんのかよ?」
ミーラルの明らかになめているその発言にゲオンが突っかかった。
「バカやなー?さてはお前、頭使うの苦手なんかい?まあ、一応それも一理あるけどな?」
「てめえ…」
再びミーラルに飛びかかろうとするゲオンをミオンは制す。
ミーラルの言葉で気づいた。
状況は思ったより…いや、これ以上ないほどに最悪であることに…
「ええ?読心がなくてもわかったんよ?そっちのヤツはさすがに気づいたかい?わかりやすく教えてやんよ?まず、わっちはお前らを完封するのは容易い。分体とはいえ、わっちは純粋なアラウザルゴッドなんよ?なり損ないのイナゴならともかく、間違ってもお前らみたいのに負けることはないんよ?」
「「………」」
ミオンとゲオンは何も言わない。
勝てるはずがないのははじめからわかっている。
だが、ゲオンは万が一があるとも考えていた。
それに、神格エネルギーをもたない分体では、ミーラルは逆に自分達を殺すことができないとも…
「まあ、とはいえ、わっちもこの不便な身体じゃ、お前ら雑魚すら始末することができないんよ?けどそれの何が問題あるんよ?お前らはこの宇宙の外部への通信を遮断したが、わっちの支配下の宇宙には、一定期間に一度の定期連絡を義務付けてるんよ?定期連絡のないこの宇宙をわっちの本体が不審に思わないわけないんよな?確実に本体が様子を見に来る…そうなれば終わりなんよ?え?」
ミーラルはさらに続ける。
「さらにこの身体は便利なことに死ねば本体に伝わるようになっているんよ?この意味がわかるかい?え?」
読み上げられているのは、本当に死刑宣告だと錯覚しそうになる様な内容である。
「つまりお前らが助かる唯一残された道は一つよ…わっちを殺さずに生捕りにした上でこの宇宙の生存者を皆殺しにし、全ての証拠を消した上で最後にわっちを殺す…そうすればさすがの本体も誰にやられたかまではわからん。けど、そんなことはマグレでわっちに勝つよりもさらに難しい…。できると思ってるんか?…無理や無理…天地がひっくり返ってもそんなことはありえん…最悪は捕まるぐらいなら、わっちは自殺すればいいだけのこと…。ラグア様の支配が崩れるのと同じぐらいにありえんよ」
「「………」」
ミオンとゲオンは絶句した…
何が間違っていた…
どうしてこうなった…
すいません、休出で全く書けていません。
次回の更新は10月26日でお願いします。
申し訳ございません。




