after76神星帝争奪戦(裏)2
そんな中、レオン・ガルオンのラグアに対する憎悪の炎はしだいに膨らんでいった。
それは1500万年以上たった現在でも変わらない。
だが、同時に当時のレオンの力ではラグアに復讐どころか、一矢報いることすら不可能だと気づいていた。
当時のレオンでは、ラグアどころか、ラグアの前に立ち塞がる側近たち…
いや、現状は一部の雑兵でさえも倒すことはできなかった。
レオンはまず、獣神グロムスと協力し、辺境の宇宙を制圧することからはじめた。
自分に興味がなかったラグアも再び牙を剥けば少しは興味を示し、自分を殺すと考えてのものだ。
少なくとも、このまま生き恥を晒されるよりは遥かにマシである。
だが、現実は宇宙の制圧は驚くほどに簡単にいった。
その要因は様々だ。
一つはレオンの考える通り、ラグア…そしてほとんどのイグロシアル上層部が、レオンたちの存在など頭の片隅からも消えていたことだ。
もっとも一部の存在…
例えばリーゼなどは、一部の宇宙が落とされた事態に気がついていたが、あえて放置した。
永天の力と恐怖による支配は無限ではない。
ならば、ある程度事態が深刻化してから、圧倒的な力でねじ伏せることで、忘れかけているヤツらにもう一度、パパの恐怖を叩きこむ必要がある。
それが支配の緩みかかった全宇宙に対する、最も効果的な方法だ。
それに、今潰しちゃつまらない…
せっかく久しぶりに暴れられそうな機会…
究極をいうなら、本丸…
惑星国家イグロシアルと、それを囲む10の宇宙…
それ以外の全てが落とされてから、動き出しても問題はない。
まあ、さすがにそこまで放置すると、四宙天たちから苦情がきそうだからそうも言っていられないし、そもそもあの程度のヤツらが四宙天を倒せるとも思っていないから、これから永遠に続くリーゼたちの人生…いや、神生のせめてもの退屈凌ぎって面が1番だけど…
と、これが当時のリーゼの考えだった。
さらに二つ目の理由だが、レオンたちが飛ばされた辺境の宇宙も、幸か不幸か当たりというべき宇宙だった。
辺境故に、最高神はかなり脆弱…
宇宙のあるブロックを支配する四宙天は、暴魔のサーリーナ…
元々はラピロア配下の元神柱である彼女は、お世辞にも統治者にむいているタイプではない。
エルミナもそうだが、元神柱の大半は、統治者向きではない。
そのほとんどが、戦場では無類の強さを発揮する者ばかりだが、細かな気配りなどできるはずもない。
結果、サーリーナ傘下の宇宙の管理は、ずさんの一言だった。
これらのことが、レオンたちが今日まで、生きながらえた要因と言えるだろう。
多忙により8月7日の更新はお休みとなります。
次回更新は8月10日を予定しております。
申し訳ありませんがよろしくお願いします。




