表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1149/1167

after72神星帝争奪戦54


〜観客席〜


「水?ミリー様はセシル様を窒息死させるつもりなのか?」


観客の1人が言った。

幸いこの試合場はリーゼの権能の概念により作られているため、観客席に一切被害はない。

観客からそんな能天気な発言が出るのも仕方のないことだった。


だが、観客の中でもある程度見る目のあるもの…

元々は予選参加者だったが、既に敗北してしまった1人の男の目は驚愕に見開かれる…


「く…空気が…一瞬にして、神格エネルギーを込めた液体窒素に……本戦はあんなことができる方々ばっかりなのかよ…」


男の言葉はそれほど大きな声で発せられたわけではない。

だが、近くにいた観客がそれだけで絶句するには十分だった。




〜試合場〜


セシルは特別仕様の分体の転移でひたすら上空へと逃げていた。

あの神格エネルギーの込められた液体…

周りの大気が一瞬で液状化したものに触れた瞬間終わりだ。

それは、特別仕様のラグア様の分体もわかっているのか、先程から侵食を続けている液体からできるだけ遠ざけようとしている。


動きづらい…

ミリーが天氷を発動してから、試合場の気温は一瞬で絶対零度まで下がってしまった。

王級である自分だからこの程度で済んでいるが、それ以下の存在なら、もう既に死んでいるだろう。

だが、それは、ジリ貧に変わりない。

セシルは思った。


王級とは、通常の生物の枠から一歩外れた存在だが、宇宙空間で長くは生きられない。

このままでは…


「くくくっ、どうした?さっきまでの余裕はどうした?さあ?来い?私はそちらにはいないぞ?」


遥か下方からミリーの声が響く…

言葉通りにミリーのところに行けば、侵食する液体のど真ん中にいるミリーにたどり着く遥か手前で自分の命はなくなる。


「セシル?まさかこれが全力だと思っていないか?」


ミリーは天氷の力をさらに上げる…

その瞬間だ。

全てが凍りついたのは…


絶対零度とは、それ以上気温が下がらないのではなく、それ以上気温を下げる方法が存在しないだけなのだ。

ミリーはその法則を無理矢理、天氷の概念で捻じ曲げた。




液体窒素すら凍りつく、本物の極寒地獄…

既にもの言わぬ氷像と化したセシルはそのまま落下し、液体窒素の氷塊に激突し、粉々に打ち砕かれた…


「勝者ミリー!!」


リーゼの宣言にミリーは実況席に向かって深々と一礼をすると、天氷を解除し、試合場をあとにするのだった。


すいません、また日勤夜勤が続いて執筆が間に合いません…

次の更新は3月21日を予定しております。

感想返信と合わせて少々お待ちください。


申し訳ございませんが、よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ