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after62神星帝争奪戦44


掲げた右手を下ろしながら、ゲノーを見下ろすシュドレ…

そのまま土下座した状態のままのゲノー…

試合が始まる前から、会場はかなりシュールな状況と化していた。


「顔上げろよ?てか、俺はいいから、ジェシカに謝れ」


「いえ…私はそんな…」


シュドレの発言にジェシカは実況も忘れて素でそう言った。


「…すまなかった。カティア様にもお伝え願えると助かる…」


立ち上がったゲノーはジェシカにそう深々と頭を下げた。


「!?っ、やめてくださいっ!!私なんかに…」


「いや、職務をしてたお前に対し、八つ当たりをしたのはこっちだ」


ゲノーは自分の非を認めてそう言った。


なんと答えようか言葉に詰まるジェシカが口を開く前にシュドレが口を開く。


「さあ、めんどくさい話はこれで終わりだ。ゲノー?構えろ。試合は試合。ジェシカもそれでいいよな?」


シュドレにそう言われたゲノーは慌てて構える。

立場も上だが、実力でもシュドレは遥か格上だ。

構えもしなければ、一瞬で負けてしまう。


「それでは両者はじめっ!!」


その瞬間、ゲノーはいきなり横に跳んだ。

格上相手にいきなり無策で突っ込むのはバカのやることだ。

ただ、格上に先手を譲ったらどうなるか…

それは今までの試合結果が物語っている…

ゲノーの出した結論はその折衷案だった。




光の速さを遥かに超える超高速で動き回りながら、シュドレの隙を窺うゲノーを完全に捉えながらシュドレはゆっくり剣を抜く。


リンガイア王国の紋章が刻まれたその剣は見かけだけは、シュドレがまだ王級クラスの頃からの愛用品だ。


もっともカティアがその権力をふんだんに使い、シュドレの1000万歳の誕生日にプレゼントしたそれは、もはやそんな範疇におさまるものでは到底ない。

10個のゴッズウェポンの集合体であるそれは、全宇宙屈指の装備の数えられる…


「…節操概念は完全にぶっ壊れてるが、なんだかんだでアイツは優しいヤツだよな…けど、アイツといっしょにいる男の中でアイツが手を出してないのは、俺ぐらいじゃないか?」


シュドレは完全に独り言のようにポツリとそう呟いた。


実際カティアがシュドレに手を出さなかった理由は、出したら最後、元の関係には戻れない…

長年の無二の親友を失うことになりたくないという理由だったが、シュドレもそれは薄々感じていた。


俺たちの関係はこれでいいのだ。

今までも…

そしてこれからも…


そんなことを考えながら、剣を構えるシュドレと、ゲノーの試合ははじまる…

すいません、間に合わないので、次の更新はお休みでお願いします。


再開は2月1日を予定してます。

よろしくお願いします。

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