after44神星帝争奪戦26
試合がはじまった初手…
ミュン、リーザは共に動かない。
ミュンがもし、自分の力に自信があるタイプなら、リーザごときの神格エネルギーに警戒する必要などないはずだ。
リーザのリーゼよりも少し薄いオッドアイに映し出される未来予知で見えているミュンの未来には、このまま待っていてもミュンが動く未来が何一つ見えない。
カウンターでも狙ってるつもりかな?
そんな浅はかな策でリーザの…お母様譲りの完璧な頭脳を破れるとでも思っているのかな?
滑稽だよ。
最初に動きだしたのはリーザだ。
リーザは数本の触手で攻撃を開始する。
遅い…
対処は十分に可能…
けど、問題は弾くか避けるか触手を破壊するか…
一瞬迷ったが、ミュンは破壊を選んだ。
神格エネルギー的に破壊が一番効率がいいのは、さすがにバカでもわかる。
無論、リーザがそこに罠をしかけてないはずがなかったが…
破壊しようとミュンが攻撃を仕掛けたリーザの触手に触れた瞬間だった。
リーザの触手はいきなり爆発した。
「ぐっ…」
爆発で傷を負った手を引っ込めながらミュンは顔をしかめる…
たぶんこれは触手じゃない…
これは…
「ふふふっ、リーザの神格エネルギーで薄くコーティングすることによって触手に見せた地雷クローンだよ。コーティングした分の神格エネルギーは失ったけど、微々たるもの…それよりもお前の傷…つまりは回収した神格エネルギーの方が遥かに多いからね?」
まるでこちらの考えを見透かしているかのように、何も言っていないのにリーザはそう言った。
やられた…
でも、幸い手の傷は大したことはない。
残る触手は躱す…
リーザの神格エネルギーは大したことはない。
というか、自分とは比べるまでもない。
落ち着いて対処すれば、負けはありえない。
そう判断して、ミュンはリーザの触手を躱しながら前に進むが…
「ダメダメ。リーザとの握手会をしたければ、もっと対価を払わないと?リーザは安くない女なんだよ?」
「ぐっ…この…」
仕掛けられていた設置型概念…天刃の概念により、ミュンは少なくない裂傷を負う…
だが…
「…なんとか辿り着いた…至近距離じゃ避けられないはず…」
元の神格エネルギーの差の為か、ミュンの傷は浅い…
ここまで接近してしまえばリーザには自分をどうすることもできないはず…
ミュンはそう考えて、リーザに迫るが…
「残念でしたー。さよならだねー。可哀想にー」
リーザだったそれは突然、巨大な刃の塊へと変化するのだった。




