after41神星帝争奪戦23
「じゅっ準神話級…なんでや…」
あまりにあまりな状況にルビアは思わずそう呟いた…
推薦枠ってこんなんがゴロゴロいるん?
こんなの絶対にウチらに勝たす気なんかないやろ?
対するセリーはルビアに対する笑みを崩さない。
「これはルビア殿、ルーグ様の生誕祭以来か?ルビア殿が相手では、私も手を抜くわけにはいかんな。半端なことをしては、ルーグ様に申し訳が立たん」
セリーはラグアの血を引くルビアに軽い継承はつけたが、敬語までは使わなかった。
このことから見ても、セリーの方が立場が上なのだ。
セリーの殿の一文字は、純粋なラグアの血に対しての敬意であり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。
「はい!!お久しゅうございますっ!!セリー様っ!!」
慌ててルビアはそう返事をするが、セリーはそれをいらんとばかりに手を横に振る。
「やめておけ?これから戦う相手に気を使うのは…そんなことをしてもルビア殿の闘争意欲が損なわれるだけだ。まあ、私達と違い実戦をほとんど知らぬルビア殿には仕方のない話かも知れぬがな?」
ここでルビアは嫌でも現実に引き戻される…
そう。
戦うのだ。
ウチはこの生きる伝説と…
ライナー様と共にエリス様の次にお祖父様の配下となった、子供でも知っている永天神話の体現者の一人であるこの方と…
こうなればヤケだ。
ルビアは構える。
「くくくっ、いいぞ?それでこそ、ラグア様とルーグ様の血を引く者よ。ならば私も応えねばなるまい…」
セリーがそう言った瞬間、空気が変わる…
ゴッズクローンであるセリーは、神格エネルギーを外部から目視することはできない。
だが、セリーの力が数多の言い伝えに劣らないことは、セリーの圧倒的な威圧感からルビアには容易にわかった。
「それでは、両者っ!!はじめっ!!」
ジェシカの開始の合図と共に試合ははじまる…
先に動き出したのは、ルビアだ。
ルビアはいきなり横に跳んだ。
格上と戦う時は正面戦闘は最悪の愚策だ。
いや、訂正…
格上じゃない…自分とセリー様の力量は天と地ほどの差だった。
「悪くはないが甘い…。そんな教科書みたいな戦い方では、リーゼ様はおろか、私でも先読みするのは容易だ。ルビア殿はまだまだこれからだ。今後の成長に期待している」
セリーのその言葉の直後、ルビアは何をされたのかもわからずに、その神格エネルギーを散らすことになった。




