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after36神星帝争奪戦18


リーゼの一手がより鋭くなる…


そして…




「詰みだよ…お前本当に天才だね…」


「…参りました」


しみじみとそう呟いたリーゼに男は深々と頭を下げた。

それは既にリーゼの正体を知ってしまったからというだけではない。


全宇宙で自分が最強だと名実共に自負する将棋において、自分を完膚なきまでに叩き潰した強者に対する尊敬だった。


数千手にも及ぶ激しい攻防の末に、戦いを制したリーゼには全宇宙最強のタイトルが授与されたが、無論リーゼはそんなものに興味はない。


リーゼは両者の健闘を讃える歓声に軽く手を振ると、次の瞬間、その場から忽然と消えた。


リーゼと対局していた男もリーゼと同時にだ。




〜イグロシアル上層部、観覧席、リーゼの特設室〜


リーゼは対局していた男を引き連れて転移した。


「ふう。ここならこの姿でも問題ないね…って別に跪かなくてもいいよ?」


「いえ、さすがにそれは…」


マリアが運んできた飲み物のカップに手を伸ばしながら、擬態を解いたリーゼに対し男は口籠もる…


相手は全宇宙No.2の権力者だ。

失礼しましたでは済まされない…

男にはそれぐらいの常識はあった。


「とりあえず名前を聞かせてよ?読心で見ればわかるけど、リーゼは自分の口から名乗ってほしいな?おっと、相手に名前を聞く時は自分が名乗るのが礼儀だね。改めて、リーゼはリーゼ・エルライド・イグロシアル…。別に敵に誇示するわけじゃないから肩書きを羅列したりはしないから触りだけ…パパ…永天、ラグア・エルライド・イグロシアルの長女だよ」


「はっ、自分は燕寿と申します。偉大なる永星帝様にお招きいただき光栄にございます」


男改め、燕寿はそう名乗った。


「だからそんなに畏まらなくてもいいのに…まあいいや。改めて聞きたいんだけどさ?どうかな?リーゼの配下にならない?あ、勘違いしてほしくないから一応言っておくね?リーゼがこんなことを誰かに言うなんて滅多にないよ?本音を言えば正直驚いたよ。まさか暇つぶしに将棋してたら、制限だらけの通常クラスの生物の肉体でデフォルトのリーゼとまともな勝負ができるやつなんかが、存在するなんてさ?」


リーゼは言った。

その言葉は燕寿を純粋に称賛したものだった。


「…もったいなきお言葉にございます。発言を許していただけるなら、一つだけお聞かせください。自分は将棋以外のことで目立った才はございません。こんな自分が永星帝様のお役に立てるとは思えないのですが…」


燕寿は恭しく言った。


その男の言葉に対し、リーゼは笑うと口を開く…

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