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after33神星帝争奪戦15


「急いで再生系のスキルの使い手を呼べーっ!!」


ミグの参加している腕相撲大会はもはや大惨事だ。


だが、当の本人はけろっとしている。


「もうー。いい大人がそんなことぐらいで騒がないの。仕方ないからあたしが治してあげるよ。これでいい?」


ミグは久しく使っていなかった、帝級スキル、不滅の帝を発動する。


その瞬間だ。

男の腕が一瞬で生えてきたのだ。


「てっ帝級クラスだとっ!?」


群衆の一人がミグが帝級スキルを使ったということにに驚愕の表情浮かべる…

だが、それは帝級スキルに驚いているのではない。

神星帝争奪戦は全宇宙から猛者を募っている。

もちろんその中には帝級クラスなどゴロゴロいる…


だが…


「なんで帝級クラスが腕相撲大会なんかに出てんだよっ!!予選に出ろよっ!!」


「…もうコイツ優勝でいいだろ…どうせ誰も勝てやしねーよ…」


群衆達の言葉はもっともだ。


「え?何言ってんの?せっかくのお祭りだよ?ねえ?やろーよー?」


もっとも当のミグはそんなことは一切関係ないが…


「冗談じゃねー!!俺は棄権するぞっ!!帝級クラスに勝てるわけねーだろーがっ!!


「俺も棄権だ。命がいくつあっても足りねーよ…」


「死んでも生き返らせてあげるから大丈夫だよー。だから、安心してやろーよー」


次々と棄権し出す腕相撲大会の参加者を止める為にミグが言ったその一言はむしろ逆効果になる…


「生き返らせるだと!?まさかコイツ…いや、もうコイツなんて呼べねーよ…仮にそうだとしたら最低でも四宙天下、幹部クラスだろ…」


「申し訳ございませんっ!!名前もお聞きせずに…神級のお方…。幹部とは知らずに数々の無礼をお許しください。優勝はお譲り致しますのでどうか…」


惑星国家イグロシアル、星王ミグ・ヒピー・イグロシアルの神級スキル、黄泉の神の能力は有名だ。

死者を蘇らせる…

言ってしまえば、それだけの力だが、死を超越したその力は一般市民にすらわかりやすい神の所業である。


もっとも腕相撲大会に参加している者達はその神級スキルを持っている存在がそれほど多くないところまでは知らなかったが…


「優勝じゃなくて…あたしとやるんだよー!!ねえっ!!命令だよっ!!」


ここでもはや正攻法で、腕相撲大会の続行は不可能と判断したミグはついに擬態を解く…


「嘘だろ…」


「ご慈悲を…どうかご慈悲を…」


真の姿を現した見た目年齢9歳程度の少女に屈強な男達は皆、平伏するのだった。

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