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after27神星帝争奪戦9


球体の映像を物凄い形相で睨みつける者が1人…


「…上等じゃねーか…クソババア…てめえはリーザが直々に引導を渡してやるよ…てめえの時代はとっくに終わってるってことを思い知らせてやる…」


静かに…

だが、闘志剥き出しの声でリーザはそう言った。




〜数時間後〜


ラグゼやルビアの試合は結局観られなかった。

そもそも予選一回戦は今日だけではない。

もしかしたら翌日という可能性もある。


リーザ自身も今目の前にいる相手を倒せば、次の試合は数日後である。


「くそっ…なんで俺がこんな目に…聞いてねーよ…一回戦からリーザとあたるなんて…勝てるわけねーだろ…」


目の前にいる既に…やる前から戦意を喪失している従兄弟にははじめから興味などない。

自分でも自覚はあるが、永星帝リーゼ・エルライド・イグロシアルを母に持つリーザは準星帝の中ではかなりの有名人だ。


リーザは口を開く。


「ジン?泣き言なんか言ってないでかかってきなよ?このままじゃやる前にリーザに負けちゃうよ?そんなんじゃ、ジン、お前の父…偉大なるお祖父様の九百五十八番目の子である、ジオン叔父様の顔に泥を塗ることになっちゃうよ?来なよ?リーザは負けるつもりなんか毛頭ないけど、それでも血を分けた従兄弟同士…偉大なるお祖父様の孫として、恥ずかしくない態度でいてくれるとリーザとしては嬉しいんだけどな?」


観客がどよめく…

まず、何に対して驚いたか…

それはリーザが明らかに実力、実績共に格下であるジンの名を…

そして一応は同格と呼べる…いや、こちらも実力、実績を考えれば明らかに格下であるジオンに対し、叔父様と敬称をつけて呼んだ。

もちろんジンもジオンもリーザと立場は変わらない。

同じ準星帝だ。


まあ、本人の本性を知っている一部のものからすれば、苦笑いするしかないが、実力があるにも関わらずこういう鼻にかけない態度がリーザが準星帝の中で人気がある要因の一つでもある。

もっともそれは母であるリーゼ譲りのカリスマ性があってこそのものだが…


「…ちっ…本当お前には勝てねーよ…なにもかもな…」


言いながらもジンはリーザの言葉に触発されたのか、戦闘態勢に入り、そのままリーザに向けて思い切り踏み込む。


リーザは自分に迫ったその一撃を背中から出した触手で受け止める。


王級下位か…ゴミの中じゃマシな方だけど所詮はゴミか…


これがリーザの本音だが、当然口には出さない。


返すリーザの触手がジンの胸を貫く…


「ぐっ…お前に負けるなら……仕方ねえ……か…」


「ジン、ありがとう。お前の名前とその心…リーザは決して忘れないよ。お前の分もリーザは頑張るからね?」


忘れない…

そこだけは本当だ。

リーゼ譲りの恐ろしい記憶力を誇るリーザだ。

一応は今日の出来事を忘れることはない。

もっとも、それを思い出す場面が来ることなどはありはしないが…


観客の大声援の中、リーザは闘技場を降りる…

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