after23神星帝争奪戦5
「まあ、お前には負けるがな?」
俺はリーゼにそう軽く反応を返すと、自分の席…
神級装備を加工して作った豪華絢爛な玉座に腰掛ける。
神級装備をただ使用者が快適に過ごせる為という一つの目的にのっとり改造されたそれは、座り心地はとんでもなくいいけど、どう考えても無駄以外の何ものでもない。
まあ、ウリンが暇を持て余してこんなものを作る程に今の世の中は平和になったって言えばそれまでなのだが…
〜
開会式のマリアの進行も終わりに近づき、もうすぐ予選がはじまる…
「ふふっ、ありがと。まあ、ゆっくり見ようよ?ギース、コーラとポップコーン持ってきて?」
「はっ」
俺の隣に座るリーゼにギースはどこからともなくコーラとポップコーンを取り出す…
「…お前映画観に行ってからそれハマってるのか?」
「うん、ちょっとねー」
若干呆れながら言った俺にリーゼは否定もせずにそう答えた。
俺もなんか飲むか…
と思っていると既にテーブルの上にはメロンソーダとポテチが用意されている。
たしか、イグロシアル九天時代にナメプしながらフレストと戦っていた時に食ってたっけ?
まあ、好きだけどさ。
というか、こういう気の回し方はさすがエリスと言ったところか…
俺達イグロシアル上層部は観戦ムードへと移行する…
〜
場所は変わって…
「ふふっ、待っていたよ…この時を…ラグゼ、ルビア、ここから先はライバルだよ?」
予選の控え室でリーザは言った。
「ライバルつってもお前らとあたる可能性があるのは、本戦からだろ?」
とラグゼ…
24に分けられた予選用の闘技場はそれぞれアルファベットが振り分けられていて、リーザはBブロックでラグゼはEブロック…ルビアはJブロックといった具合になっている。
リーザ達が互いに戦うことになるにはまず予選を突破しなくてはならないのだ。
「なんや?兄さんはもう負ける気なんか?情けないわー」
「あ?誰がそんなこと言ったよ?てめえこそ、本戦で叩きのめしてやっから、予選でさっさと負けるとような恥ずかしい真似なんかすんじゃねーぞ?」
ラグゼとルビアの兄妹はそう互いに煽り合うが、別に本心から言っているわけではない。
「まあまあ、2人共、リーザの言い方が悪かったね?2人共拳を出して?」
リーザのその言葉で煽り合っていた2人もリーザのその言葉には従う。
「じゃー、全員揃って本戦で会おう。もちろん優勝はリーザだけどね?」
「あ?なんの冗談だ?俺だよ」
「ウチに決まっとるやろ?」
最後は纏まらなかったが、リーザ達は本戦出場を祈願して拳をぶつけ合うのだった。




