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閑話イシュトスの策2


魔王ミグ・ヒピーは死王星の主、魔王ロロ・ベアトリクスの居城の一室にいた。

謹慎中である。

ロロの本体は亜空間に戻り、現在この城にいるのは分体である。

正直、ロロの本体には勝てないが分体程度ならミグなら突破できた。

だが、それはしない。

今回の件はミグなりに反省している。

自分の為にロロは神格エネルギーを大幅に奪われてしまった。

正直、ラグアが神級になったとは言え、自分なら鬼神化を使えば、最低でも相討ちには持っていけると思っていた。

結果は惨敗。

ロロやミュラを危険に晒しただけだった。

正直、あたしは自分の命はどうでもいいと思っている。

ジオっちや神魔大戦で死んだみんな…

いい人はみんな死んじゃって、あたしやラグアの様なクソ野郎ばかりが生き残る。

あのラグアと相討ちできたら心残りはなかったのにな。

ミグは1人部屋でそんな事を考える。


「っ!?」


突然、頭の中に声がした。


「我はイシュトス。この宇宙の神の一体。貴様に力を授けよう。共にラグアを討とうではないか。」


ミグはなんとか平静を取り戻し答える。


「えーっとイシュトス君だっけ?あたしに力をくれるのは嬉しいし、あたしもあのクソ野郎は刺し違えてでも殺したい。でもダメだよ。これ以上ミュラっちやロロ様、それにミュンちゃんにも迷惑をかける訳にはいかない。ロロ様があたしの事を家族って言ってくれた様にあたしにとってもみんなは大事な存在。ジオっちや神魔大戦で死んだみんながいなくなってあたしにとって最後の大切な人達だからね。これ以上、バカな事して迷惑かけるわけにはいかないよ。」


「その死んだみんなを生き返らせる事ができると言ったら?」


ミグの顔が驚愕に変わる。

が、すぐに殺気を纏う。


「!?っ、………あたしの前でそんな事を言ってもしも嘘ならいくら神でも殺すよ?その手の冗談は絶対に許さない。」


「嘘ではない。神級になって得られる神級スキルはある程度本人の希望に沿ったものになる。そこに更に我が補正をかける。そのかわり神級スキルはかなり限定的なものになってしまうがな。さすがにいくら神でも死んだ人間を生き返らせるのは簡単ではない。おそらく相応の対価、具体的には一回ごとに最低でも王級スキルの生贄が必要だろうな。ちなみに帝級スキルを生贄にすれば3回ぐらいは使えそうだが、そんなに頻繁に使えるものではないから使い時は考える必要があるな。」


ミグの瞳は子供の様にキラキラ輝いている。


「イシュトス君、あんたの提案乗ったよ。あたしはあんたの為に働くよ。存分にこき使ってよ。みんなを生き返らせる為ならあたしはなんだってする。そのかわりもう一度言うけど、もし嘘ならあんたは必ずあたしが殺す。その時は楽になんか死ねると思わないでね?


「安心しろ。まずはここを出て覇王のところに行くぞ?今のお前なら我のサポートがあれば逃げられる事はない。」


こうして、イシュトスとミグの交渉は成立した。

ミグが再びラグアと対峙する日は近い。

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