after21神星帝争奪戦3
原初の宇宙から数えて4番目の宇宙…
またの名を迷宮宇宙…
その第五階層…
かつて当時はまだオリジンゴッドであったリーゼとアラウザルゴッド蒼天ミグ・ヒピーが激戦を繰り広げた後世に語り継がれる神話の伝説の地…
かつては悪質なトラップと伏兵で侵入者の戦力を削ぎ落とす目的で作られたキャッスル・オブ・リーゼはもはや存在しない…
あるのは、いくつもの超巨大なフィールドとそれを映し出す無数の巨大な球体達…
さらにはその超巨大なフィールドさえ可愛く見えるほどの、スケールがぶっ飛んでいる大きさの広大な観客席…
そんな観客席のどこからも、各フィールドを映し出す巨大な球体を視認できる計算し尽くされた一切の無駄のない設計…
超巨大なフィールドの数は全部で25…
そんな中、他のフィールドより明らかに段違いの装飾の施されたフィールドの中心の壇上に一人の幼女は立つ…
そう。
この場所は神星帝争奪戦の為に新たにリメイクされた地であり、幼女…永星帝、リーゼ・エルライド・イグロシアルが立つのは、本戦用のフィールドなのである。
もちろん豪華なだけではない。
神級同士の神格エネルギーの激突にも…オリジンゴッドや、たとえアラウザルゴッド同士だろうが耐えられるように、リーゼの権能により強化されたこの第五階層のフィールドを破壊可能なのは、全宇宙を見渡しても作った本人であるリーゼを除けば、永天、ラグア・エルライド・イグロシアルのみである。
本戦フィールドの中心に作られた壇上に立ったリーゼはついに口を開く。
「ご来場のみんなー。今日は神星帝争奪戦によく来たねー。たくさんの参加者…そしてその闘いを一目見ようと集まってきてくれた数えきれないほどの観客…。今この時が歴史的な瞬間になることを…そして集まってくれたみんなが最後まで楽しんでくれることをリーゼをはじめ、パパを含めたイグロシアル上層部は心の底から願っているよ」
「「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」」
会場は割れんばかりのそれこせ耳をつん裂くような歓声が鳴り響く…
リーゼはそんな中、歓声が静まるまで待つと壇上を降りる。
そして、リーゼの代わりに一人の女が壇上に立つ。
「さて、全宇宙の諸君。私のことを知らぬ者もいるかも知れないから、まずは挨拶からさせてもらおう。私は惑星国家イグロシアル、永星帝、リーゼ・エルライド・イグロシアル様、直轄、最高幹部、司令のマリアというものだ。リーゼ様よりこの神星帝争奪戦の司会進行を預かるものである」
マリアの登場に会場は再び歓声に包まれる…
今回の観客は希望者は例外なく招待している。
従って一般人がほとんどである。
彼らにとっては本国の最高幹部など、雲の上の存在に等しい。
普段どこかで…まあ、会うことなど一生に一度………いや、ほぼないに等しいことだが、もしどこかで会えば頭を垂れて跪かなければならない。
それを観客席からとはいえ、直視できるのだから彼らの反応は当然といえば当然のことだった。




