after16眠鬼再臨2
「………白天とリーゼ…それにエルミナか」
復活したばかりのオルメテウスは状況を把握するために俺達に視線を送ると言った。
神眠は解除しているはずだから、最初の無言は状況の整理にかかった時間といったところだろう。
「よお?オルメテウス。ずいぶん久しぶりだな?元気してたか…いや、今まで死んでて元気もねーか」
「白天、あれからどのぐらい経った?私がそこにいるお前の娘に負けてから…」
オルメテウスの質問に俺は答えようとするが、その前にエルミナが口を開く。
「まだ2000万年まで経ってねーぞ?」
「…えらいザックリだねー?たまには頭使わないとバカになるよ?」
大雑把なエルミナの回答にリーゼはすかさず突っ込みを入れた。
「オレ達にはこれぐらいでいいんだよ。なんだかんだコイツはオレより遥かに長く生きてるんだぜ?」
「いや、コイツさっきまで死んでたぞ?」
「揚げ足とるんじゃねーよ!!うるせえ親子だなっ!!」
俺とリーゼにボロクソに言われてついにエルミナは声を荒げた。
いじるのはこのぐらいにしてやるか。
「して、話をまとめるとあれから2000万年弱といったところか?ついでにあのあとのことも、簡単にでいいから説明してくれると助かるのだが?」
ちょうどいい具合にオルメテウスが話を戻してくれた。
なんだかんだコイツって真面目なタイプだよな?
俺は思った。
「まあ、そこはリーゼがザックリ説明するよ。アゼルメーテ、ミグ・ヒピー、そしてルービスメゾルもラピロアもみんな死んだ…って言うかみんなパパとその仲間で殺したよ。リーゼが絡んでるのも何人かいるかな?お前みたいにね?」
「………」
リーゼの言葉に対してオルメテウスは何も言わない。
オルメテウスはリーゼに殺されたのだからそれも当然なのかもしれないが…
「そして、敵のいなくなった全宇宙は今や全てパパのもの…。全宇宙の唯一無二の絶対神である、永天、ラグア・エルライド・イグロシアルのね?」
リーゼは小さい体の両手を左右に伸ばすとそう言った。
「ふむ…。ラピロアが死んだというのだけは未だ信じられないが、今この場に白天とエルミナが揃っていてヤツが出張っていないところを見るに、嘘というわけでもないのだろう」
オルメテウスはそこで一度言葉を切り、俺を真っ直ぐ見据える。
「して?白天よ?今や全宇宙の支配者となったお前が、わざわざかつての敵である私を地獄から引きずり出してまで何を望む?」
オルメテウスは言ったのだった。




