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after3永天神話


場所は変わって…


〜惑星国家イグロシアル、主星イグロシアル、元二代目神星帝…現、永星帝、リーゼ・エルライド・イグロシアルの私室〜


バターンっ!!


それはリーゼの部屋の扉が勢いよく開く音だった。


永星帝…

それは全宇宙に対する、永天ラグア・エルライド・イグロシアルの名の下に実権を握って二代目神星帝となったリーゼが引退したと同時に名乗ったものである。


この広大な全宇宙で現在、永星帝を名乗っている存在は僅か三人しか存在しない…といえばその特筆性も頷けるだろう。


リーゼ・エルライド・イグロシアル


リオーナ・ミュールゼル・イグロシアル


三島煌一


以上である。


この三人の全宇宙に対する権力は永天、ラグア・エルライド・イグロシアルに次ぐ絶大なものだ。


そしてそんな存在の私室をこうもデリカシーのかけらもなく、ぞんざいに開け放つ存在は限られている。


「ミグ、入ってきてもいいけど、ノックぐらいしなよ?」


リーゼは真後ろにあるその扉に振り向きもせずにそう言った。


「ごめんごめん、でも待ちきれなくて来ちゃった。早く行こう?」


ここでようやくリーゼは振り向く。


「焦らなくても映画は逃げないよ?普通なら予約がいっぱいで入れないだろうけど、リーゼとミグなら他の誰を強制キャンセルさせてでも入れてくれるだろうし?」


絶大な権力の職権乱用である。


永星帝と星王が映画鑑賞をしようものなら、頼まなくても貸し切り状態だ。


「てか、師匠も誘ったんだけど断られちゃったよ…。リーゼちゃんはドタキャンなんかしないよねっ!?」


どうやらパパはドタキャンしたようだ。

たぶんパパは映画の内容を知らないで返事をして、あとから知ってドタキャンしたのだろう。


「…永天神話、episode65だっけ?パパなら絶対来ないだろうね?」


リーゼはようやくここで椅子から立ち上がる。


永天神話シリーズは今、惑星国家イグロシアル…いや、もはや全宇宙でも大人気のシリーズだ。


まあリーゼにはパパが…


「誰が自分が美化された映画を好き好んで観に行きてーんだよっ!!どこのナルシストだっ!?一体どんな羞恥プレイだよっ!!教えてくれよっ!!あ?こら?」


って言う姿が目に浮かぶが…


「…さすがにドタキャンはしないけど、正直リーゼも観に行きたいって聞かれると微妙かな?ミグは観に行きたいの?」


「うんっ!!もちろん!!なんてたって今回は過去のアルムスであたしと師匠の感動的な出会いなんだよっ!!」


期待に満ちた眼差しでそう語るミグにリーゼはため息を吐く。


ノーマンの悪ふざけにエリスが乗っかったその映画を本気で観たいと思っているイグロシアル幹部はそう多くない。


というか、特別幹部以上のメンバーには、エリスが配った巨大シアターセットと完結までのDVDが送られている…

もっとも何人最後まで見たかわからないが…


内容を聞かれても一応全ては実話だから、パパの配下なら間違えようがない。


「はいはい、行くよ。てかなんで転移の準備してるの?いや…やっぱりいいや。読心を使うまでもなく感情が…いやバカな考えが見えたし…」


「心外だよっ!!せっかく遊びに行くんだからお忍びで、永天直轄領の外の方が楽しいでしょ?」


リーゼとミグはそんなやりとりをしながら、永天直轄領の外に転移するのだった。

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