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第1014話神帝の玉座2


権能同士の戦いは駆け引きなんか関係ない。

お互い正面から力をぶつけ合って強い方が勝つ。

至ってシンプルだ。


第七形態の可視化された権能の領域纏いは先程とは打って変わり、明らかに弱体化している。

これなら…

って言うかいくしかないんだが…


「権能っ!!」


俺はラピロアの魂ごと破壊せんとばかりに思い切り力を込める…


ラピロアの権能が抵抗を見せるが、所詮は弱体化した権能…

領域纏いとはいえ、今の俺の敵ではない。


ラピロアの身体が発光する…


「…神帝化…第八形態が強制発動した…ラグア?勝ってね?死なないでね?」


心配するラピロアの声が聞こえたあと、とんでもない権能の力が俺を襲う…


「…嘘だろ?弱体化してこれかよ?」


「…それに関しちゃごめんとしか言えないね…まあ、頑張って?」


ふざけた権能の力に俺の権能が押し負けてジリジリと俺の身体を破壊していく…

このままじゃ…


その時だ。


『パパ。ラピロアの権能はガチガチに固めてるように見えて弱い場所もある。例えばそこ』


「リーゼ?」


突如、リーゼのそんな声が聞こえて俺は聞き返すが、今はそんな時間はない。

リーゼの言われた通りの場所に力を込めるとラピロアの右肩が崩壊する…


『次はそこ…その次は逆側が甘くなる…その次は…』


完全思考に未来予知を駆使したリーゼが俺にそう助言する…


それに伴って俺の頭に激しい頭痛が襲ってきた時点で察した。


権能は魂に刻まれる。

なら、魂を潰してないリーゼの魂はどこにあるのか…

答えはこれだ。


てか俺の身体で完全思考を使うとこうなるのか…

いや、リーゼの身体でもいっしょか…

リーゼは今まで…

いや、礼を言うのはラピロアに勝ってからだ。


「オワラナイ…オワレナイ…ワレハゼッタイノシンテイナリ…」


ついに権能がラピロアの精神を完全に飲み込んだのか、無機質なその声はラピロアのものではない。


たが…


『終わりだよ…やっと…パパとみんなで、やっとここまでたどり着いたんだ…』


思えばこの最終決戦はリーゼの活躍も大きいが、なんだかんだほとんど総力戦だった。

ここにはいない仲間が俺…そして俺達の為に繋いでくれたことを忘れな…


なんて言えば俺はいいやつみたいに聞こえるな。

そんな終わり方俺らしくねえよな?


だったら…


「『死ねラピロアぁぁぁっ!!』」


俺とリーゼの声がハモったのと同時に、ついにラピロアの権能を打ち破る…


そうだよな?

こっちの方が俺らしいよな?

俺は思った。

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