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閑話とある獣人のお話


儂の名前は山岸正夫。

享年は98歳。

息子や娘、孫や曽孫達に囲まれて幸せな最後じゃった。

儂は生前は戦争経験者、しかも旧日本軍でそこそこの役職じゃった。

具体的には少佐。

現在のサイパン島ははっきり言って地獄だった。

食料は尽き、共食いの禁忌を犯した部下を銃殺する毎日。

あんな地獄はもううんざりだ。

戦後の裁判で旧日本軍が解散したあとは荒事とは無縁の生活を送った。

軍にはもはや何の未練もなかった。

軍でも、終戦後も儂は努力を怠らなかった。

それが唯一の儂の自慢だった。


〜〜〜


死んだと思っていた儂は真っ暗な闇の中にいた。

そうか、ここが地獄か。

数々の敵兵や時には禁忌を犯した同胞を殺してきた儂が天国などにいける訳がない。

儂はそう思った。


「喜べ、お前は選ばれた。」


聞こえたのは力強い男の声。

相手は獣神グロムスと言う神様らしい。

その神は儂を転生させてくれると言う。

無論、断ってもいいらしい。

その場合は別の人間に同じ事を持ちかけるそうだ。

儂はその話を受ける事にした。

どうせ一度終わった人生だ。

ならば新しい世界でやり直すのも悪くない。

しかし地球ではない異世界だと言うが、どんなところなのだろう?

末っ子の孫にせびられて買ってやったゲームにそんな感じのものもあった様な気がするが、儂はやった事がないのでわからない。

この世界は地球とは違い、スキルと言う能力を具現化した力があるらしい。

いくつか提示されたスキルの中に儂にぴったりなスキルを見つけた。


固有スキル 神童


スキルの発生及びスキルの習熟速度を100倍にする。


儂はこのスキルを選んだ。

努力すればするだけ伸びるこのスキルは儂にはぴったりだった。



もしこれが今の若者なら、


「やべー、成長チートじゃん。」


となっているだろうが彼の世代にはその様な感覚はない。


〜〜〜


次に目覚めた時儂は赤子だった。

父親と母親は人間に虎のパーツをくっつけた様な奇妙な見た目だった。

これはあとからわかった事だが、獣人と言う種族らしい。

ステータスと言う頭に流れこんでくる情報によると、儂のスキルは生まれた当初から4つあった。


まずは言語理解、これはこの世界の言葉がわかるスキルだと言う。


次に神託、これはグロムスと話す事ができる他、グロムスの加護を受ける事ができるらしい。

ちなみに、儂は神は信じていない訳ではないが、そこまで信仰心が強い訳ではない。

だいたいの日本人などそんなものである。

まあ、グロムスは対して気にしてないようだが。


続いて神童、これは先程説明したので省く。


最後に体術level60、これはグロムスの説明によると生前の軍隊格闘術の影響だと言う。


まあ、新しい人生の役に立ちそうだからよしとしよう。

儂が生まれたこの国は、獣人国家ライカン帝国と言う名前らしい。

ちなみにこれもグロムスから聞いた情報だ。

グロムスいわく他の転生者は3人いるらしく、戦う可能性もあると言う。

せっかく転生したのに殺されては敵わない。

儂はこの世界でも、努力する事を決意した。









閑話が続いてすいません。

予定ではあと3話程お付き合いいただけると幸いです。

更に伸びたらすいません。

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