第1009話神帝達の宴7
「儂を…全宇宙創世記から生き続けるプリミティブゴッドをなめるなぁぁぁ!!」
完全思考を発動したリーゼの動きが目に見えてよくなったが、ウドラハークは迎撃の構えを見せる…
長い長い時を生きてきたウドラハークの戦いの勘が言っている…
ここで主導権を握られれば、それはそのまま敗北に繋がると…
だが、リーゼも既に勝利を確信している為、退くという選択肢はない。
結果、戦いはさらに激化することになる。
そんな中、まず最初に動いたのはウドラハークだ。
ウドラハークはダメージも厭わないでリーゼに迫る…
至近距離からのインファイトに持ち込むつもりだ。
そうなれば、ウドラハークの攻撃もリーゼに通る数が増加する為、神格エネルギーの上昇があるウドラハークにとって圧倒的有利に繋がる…
それに対するリーゼの行動はウドラハークのその動きにのるというものだった。
リーゼも真っ直ぐにウドラハークに迫る。
もちろんそれまでにチクチクとウドラハークにダメージを与えるのも忘れない…
神格流動後の接触回数が規定値を超えた…
まずは一手…
「貴様相当無理をしておるな?一撃の威力が落ちているぞ?」
もうかなり近づいたウドラハークがそんなことを言っている。
一撃の威力が落ちている?
そりゃそうだよ。
お前にはそう見えるだろうね?
ウドラハークとのインファイトになる直前、リーゼは二手目を切る。
「神格流動っ!!」
「なっ!?」
突然ウドラハークの動きがぎこちなくなる…
チクチクと混ぜ込んだウドラハークの体内にあるリーゼの神格エネルギーがウドラハークの動きを阻害しているのだ。
神格流動は神格エネルギーを効率的に動かすことで身体能力を爆発的に高めることができる。
ならばその逆も可能だ。
チクチクとダメージを与えていたにも関わらず威力が落ちているように見えたのは、リーゼが自身の神格エネルギーをウドラハークの体内に混ぜ込んでいたからだ。
ウドラハークは神格の概念だろうか?
なんとかリーゼの神格エネルギーを含めて制御しようとする。
まあ、体内の異物がこの程度なら制御は可能か…
なんてね?
異物が入った時点でお前は終わりだよ。
「領域発生、概念、吸命」
三手目…
これで詰みだ。
リーゼは確信した。




