第1007話神帝達の宴5
リーゼの一撃なスピードも威力も先程とは比べものにならない。
ウドラハークは一片のカケラも残さずに神格エネルギーを完全に消滅させる…
そうなるはずだった。
「へぇ?さすがは特別なプリミティブだね?一筋縄じゃいかないみたいだね?」
「…この化け物が…」
リーゼの一撃で使いものにならないぐらいにぐちゃぐちゃにされた左腕を再生させながらウドラハークは言った。
「おかしいなー?確実に仕留めたはずなんだけどなー?お前の神格エネルギーはリーゼより多少劣る…その程度神格エネルギーでお前の残念な頭じゃリーゼの神格崩壊を受けきれるはずがないのにねー?」
アゼルメーテの神玉から受け継いだリーゼの力である神格崩壊…
さらにリーゼはそれに自身の神格エネルギーを上乗せすることで確実に殺しにいった。
口で言うのは簡単だが、リーゼのそれは生半可なものではない。
一歩間違えば自分の神格エネルギーが崩壊しかねないその一撃は調整難易度がとんでもない…
リーゼの演算能力があってはじめて可能になるそれは、アゼルメーテではそもそもこういった使い方さえ考えつかなかった。
だが、そんな針の穴を通す以上の一撃を防がれたにも関わらず、言葉とは裏腹にリーゼは余裕の表情だ。
「権能…ってわけでもないみたいだね。まあちょっと特殊な概念かな?頑張って権能に似せてはいるみたいだけど、その程度じゃリーゼは倒せないし、長くは持たないよ?」
「ぐっ…まさか初見で見抜くとは…」
リーゼのその的確な答えにウドラハークは歯噛みする…
だが…
「…そうだ。儂やチェルシーの力は権能ではない。本物の権能…陛下やお前の父であったか?殿下の力の足元にも及ばない。だが、何もできないと言うわけでもない。権能には及ばないが陛下に与えられたこの力…見るがいい…」
ウドラハークの神格エネルギーが徐々に上昇する…
これが本来の権能ならば一瞬で爆発的に上昇するのだが、ウドラハークの力ではこれが限界だった。
「わざわざリーゼに神格エネルギーをプレゼントしてくれるんだ?いいよ?遊んであげるよ」
パパのサポートが必要なくなる時までね?
挑発的な笑みを浮かべながら千手観音モードを展開するリーゼは思ったのだった。




