第1006話神帝達の宴4
時は少し遡る…
リーゼは開幕と同時にラグアの背後から奇襲をかけようとしていたウドラハークに一撃を加えていた。
もっとも、直前で攻撃を中止して受けに回ったウドラハークに大したダメージはない。
さすがに威力は殺しきれずに思い切り吹き飛ばされることになったが…
さて、敵のゴミは二匹…
少し寝たから多少回復はしたけど、所詮は気休め…
ウドラハークとかいうゴミをパパのサポートをしながら倒し切るのはちょっとしんどい。
だったら…
パパのサポートがほとんどいらない状況に持ち込めばいい。
「…おのれ…不意打ちとは…」
ウドラハークはガードに回した腕の動作を確認しながら言った。
本来ラグアに攻撃する為に大量の神格エネルギーを集めた腕一本でガードしたというのに受け切れなかった。
それだけウドラハークにとってリーゼは最大級に警戒すべき対象だ。
「不意打ち?ヤダなー?隙だらけなのが見えたから軽くタッチしただけじゃん?不意打ち…いや、ちゃんとした攻撃って言うのはこういうのを言うんだよ」
「!?っ」
言いながらリーゼは核玉の換算で訳9万2千にもなるふざけた神格エネルギーを解放する。
ウドラハークの表情は驚愕に染められている。
だが、それはリーゼの神格エネルギーに驚いたのではない。
ウドラハークが驚愕した理由…
それは…
「神帝の因子だとっ!?そんなバカなっ!?」
プリミティブゴッドであるウドラハークは全開のリーゼの力を目の当たりにした時に感じとってしまったのだ。
アゼルメーテの神玉から受け継いだリーゼのそれを…
プリミティブゴッド、ビッツに認識されたリーゼをウドラハークは直接的な面識はないが把握はしている。
だが、当時のリーゼは神帝の因子どころか、アラウザルゴッドですらない、強大な力は持ってはいたが、オリジンゴッドに過ぎなかった。
それがこの短期間で…
「何に驚いてるかはだいたいわかったけど、全部殺して奪ったよ。そして…」
リーゼはそこで一度言葉を切る。
「…パパが全てを支配する計画もいよいよ大詰め…パパといっしょに最終決戦に挑むリーゼに足りないパズルのピースはあと一つ…」
リーゼは宇宙空間を踏み切る。
「てめえの命だよっ!!」
先程とは比べものにならないリーゼの攻撃がウドラハークに襲いかかるのだった。




