第990話白と青のグラデーション55
「人形みたいな顔じゃなくなったら急にお喋りになったね?死ぬのはお前一人で十分だよ?先に逝ったゴミ共といっしょに地獄で仲良く傷の舐め合いでもしてなよ?」
「リーゼっ!!」
同じく空間から出てきたリーゼがそう言った瞬間だった。
それはリーゼ以外の者にはアゼルメーテが発光したようにしか見えなかった。
そして側からみれば何が起きたのかもわからない状況の中で次に周囲の目に映ったのは、リーゼの触手とアゼルメーテの腕による鍔迫り合いだった。
「撃てるもんなら撃ちなよ?ゴッドバーストなんか撃った瞬間、復活の隙を突いてとっておきの一発を叩き込んであげるからさ?」
アゼルメーテのゴッドバーストの予兆を感じとり、アゼルメーテとの距離を詰めたリーゼはそう言った。
そしてそんなリーゼに対し、アゼルメーテも黙って見ているはずもなく、迎撃に動いた。
この鍔迫り合いの成り行きを説明するならこんなところである。
「そう簡単に撃たせてはくれんか…いいだろう。この程度の神格エネルギー差などちょうど良いハンデだ」
アンチステータスゾーン内での戦いの影響はアンチステータスゾーンが解けてから大きく影響する…
アンチステータスゾーン前に10万5千あったアゼルメーテの神格エネルギーは現在9万…
対してアンチステータスゾーン前に8万7千だったリーゼの神格エネルギーは現在9万2千にまでなっていた。
ここで賢明な皆さんはお気づきだろう。
明らかに1万ほど計算が合わないことに…
その1万はどこにいったか…
それは…
「くくくっ、お前らずりーよな?神格エネルギーってヤツが増えるとこんなに変わるんだな?こんなに調子がいいのは生まれてはじめてだぜ?」
そう。
アンチステータスゾーンで一発一発はほんのかすり傷とはいえ、あれだけの回数を被弾すればこうなることは当然だった。
言いながら三島煌一は、ありえない軌道からアゼルメーテに襲いかかる…
それはとても神格エネルギー1万程度にできる動きではなかったが、さすがのアゼルメーテだ。
凍眼で三島煌一の動きを制限することでいなす…
アゼルメーテにはそのままキメるという選択肢もあったが、それはリーゼ相手に大きく隙を晒すことになる。
「へぇ?冷静だね?」
リーゼは言った。
これ以上リーゼとの神格エネルギー差を広げるのは、そのまま敗北に繋がる。
アゼルメーテ自身もまだリーゼに見せていない力はあるが、リーゼの切り札の完全思考も一度見せただけで未だ温存状態だ。
まずはなんとかして、ゴッドバーストの隙を作る…
そしてその為に最善を尽くす。
それがアゼルメーテの判断だった。




