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第987話白と青のグラデーション52


ミーラルはシフトチェンジする。


と言っても攻めることを一切考えなくなっただけだ。


神格エネルギーは逆転されてはいるが、守りに徹すればかなりの時間耐えることが可能だ。


「あら?守ってばかりでは勝てませんよ?」


「悪いけど、わっちは堅実なんよ?」


コレルの挑発も軽く受け流し、ミーラルは守りに徹する。




ミーラルはしばらく大きなミスをしていない。

それでも有利なのは、一度神格エネルギーが逆転しているコレートル達なのだが、このまま時間を稼がれればマズイということは把握しているようで、次第に攻め急いでいるのか攻撃が雑になりはじめる…


これなら隙をつく事も可能?

いや、焦る必要はない。

確実にいこう。

ミーラルはそんな事を思う。


そして…


「くかかかっ!!ミーラル?手こずってるみてえだな?あ?誰かと思えばコレートルじゃねえか?」


「エルミナ様、救援ありがとうございます」


なんの打開策もないまま事態はコレートル達にとって最悪の展開を迎える…


そんな中、フォースアイの4つの瞳はエルミナとミーラルを交互に睨みつけると、コレトとコレア、コレンとコレルの二手に別れるとそれぞれエルミナとミーラルに襲いかかろうとするが、フォースアイがミーラルにたどり着くことはなかった。


「玉砕特攻している隙にコレートルを逃すかい?お前らの考えそうな事やんな?けど、お前ら如き殺すまでもなく、わっちの凍眼で十分なんよ?」


ゴッドバーストを使っていないミーラルは神格エネルギーのリセットはできていない状態だ。

従って神格エネルギーはコレートルの方が上だ。

だが、それはコレートルとの話だ。

フォースアイ達ではミーラルの凍眼に成す術などありはしなかった。


そして、その凍眼を形勢不利にも関わらず、今の今まで温存…

確実に勝てるタイミングまで使わなかったのは、堅実というよりは、ミーラルの腐った性根が滲み出ていると言うべきだろう。


「エルミナ様、せめてゴミの始末はわっちにお任せください」


「お前本当いい性格してるよな?狙ってやってるだろ?いろいろと…」


「そんな事はありませんよ?わっちのピンチに駆けつけてくださったエルミナ様の為、せめて雑務ぐらいはと…わっちなりの気遣いにございます」


「ちっ…まあ今はいいや。コレートル?覚悟はいいか?」


スラスラと出てきたミーラルのその口上には突っ込みどころ満載だが、今は一応戦闘中である。


エルミナは話を切り上げると、この場の味方以外で唯一動ける存在…

コレートルに向かって言ったのだった。

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