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第986話白と青のグラデーション51


そう言ったミーラルはそのままコレートルにではなく、フォースアイを始末に向かう。


それは弱者からなぶり殺すミーラルの性格からしてみれば、至極当然のことだった。


だが…


フォースアイの面々は一瞬、目配せして意思疎通したかと思うと、コレアが前に出る。

そして、ミーラルとコレアが接触する瞬間…


「!?っ、いっ!?」


横から一切の迷いなく放たれたコレートルの触手はミーラルの指を2本切り飛ばしただけでは収まらず、その先にいたコレアもろとも真っ二つにする…

すぐにコレアは黄泉の神により復活するが、問題はそこではない。


「味方もろとも…これが悪食コレートル…」


切り飛ばされた指を再生させながらミーラルは呟いた。

神格エネルギーは現在若干だが、ミーラルの方が上である。

それはコレートルに切り飛ばされた左腕と指の分を合わせてもだ。

だが、相性的には正直悪いと言った方がいい。


味方の被害度外視の捨身の特攻からの、本命のコレートルの攻撃…

だが、フォースアイを放置してコレートルに向かうのは、リスクが高すぎる…


なら…


「概念融合、天刃っ」


ミーラルは四方八方に概念を撒き散らすことで、フォースアイ達に牽制をかける。

フォースアイを倒すのには、十分すぎる威力を持っているが、こんなものは倒せても倒せなくてもどちらでもいい。


だが…


「概念融合、冥合」


コレートルから真っ黒な概念融合が飛んでくる…

圧縮されたそれはミーラルの分散した天刃の概念など容易く打ち破る…


「ちっ!?」


咄嗟にミーラルは天刃の概念を一点に集中させて冥合の概念融合と相殺させるべく集めるが、さすがに間に合わずに受け切れなかった分のダメージを負ってしまう。


「ゴッドバー…」


「やらせんっ!!」


「くそっくそっ…おのれっ!?」


ゴッドバーストで神格エネルギーのリセットを図ろうとしたミーラルだが、コレートルの連続攻撃が襲いかかり、中断せざるを得ない。


冥合の概念融合で負った傷は軽くはない。

神格エネルギーは先程のやりとりでひっくり返されてしまった…


わっちが負ける?

たしかに油断して奇襲を食らってしまった…

たしかに意表をつくような捨身の策にハマった…

そしてその対策に打った手がこれまた最悪の悪手だった…


いや、自覚があるだけでもミスの連続だ。

現在、追い詰められているのも当然である。


なら…


ミーラルはここで作戦をシフトチェンジする。

もはや、倒すのは諦めた。

援軍が来るまで時間を稼ぐ…

他に頼るのは避けたかったが、敗北よりはマシ…


ミーラルはそんな事を考えながら動き出す。

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