第984話白と青のグラデーション49
「ふぅ…フィラ、手間かけたな?助かったぜ?」
「勿体なきお言葉にございますっ!!」
エルミナの言葉にフィラは顔を少し紅潮させると言った。
エルミナの鵜飼の成り損ないのイナゴ集団、殺戮炎舞…それは六体の凶悪な力を持つ成り損ないのイナゴによって構成されている。
ロクな管理をしてないにも関わらず、エルミナに対する忠誠心が高いのはやはりエルミナ自身の実力からくる面が強いのだろう。
「フィラ?他の連中は…あれか…」
言いかけたエルミナだが、神の千里眼で戦場を探っているうちに見つけることになる。
他の殺戮炎舞5体がどこにいるのかを…
「申し訳ございません。私の勝手な判断でエルミナ様の元に向かわせていただきました」
他の殺戮炎舞は九神将、虚帝、メフストニブルを筆頭にした連合軍に参加している。
フィラももちろん、そのメンバーに参加していたが、エルミナの状態を察知したフィラは自己の判断で抜けてきたのだ。
「いや、むしろ助かった…このままじゃしばらく動けなかったからな?向こうの状況は?」
「はっ、メフストニブル様と我々連合軍でさえ押していた状況でしたが、白天様の側近のエリス様が乱入して状況はさらに加速しました。もはや時間の問題かと…」
ギゼルとミストにとってはたまったものではないが、ミュラとジオを撃破したエリスは連合軍の戦いに参戦していた。
「となると…残る戦場は二つだが、エリローズは完全にふざけてるな…。まあ入るとしたらあっちか。たくっ…ミーラルのヤツ…舐めてるからそうなるんだよ…」
そう言ったエルミナは、虫の息のシャドウラルファにトドメを刺しにいったはずが、何故か苦戦しているミーラルに援軍に向かうべく移動するのだった。
〜
時は少し遡る。
ミーラルはシャドウラルファの上空に立っていた。
眼下に映るは死にかけで原型すらとどめていない醜いアメーバ…
対する自分は完全に無傷…
あとは目の前のゴミを踏み潰すだけの簡単な仕事…
そのはずだった。
敵は抵抗さえできない。
これでまた一つ…わっちがラグア様に恩を売れるんよ?
ミーラルはそんなことを思いながらシャドウラルファに向かう。
大して神格エネルギーを込めなくてもこの程度の死にかけのゴミを始末する程度なら十分だ。
この時ミーラルは完全に油断していた。
だからこそ、側面からいきなり飛んできた触手の一撃に対する反応が思い切り遅れた…
「ぐっ…!?なっ!?」
さすがに致命傷は避けたが、気づいた時には左腕を切り飛ばされていた。




