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第972話白と青のグラデーション37


「ジオっ!?」


復帰したばかりのミュラは叫んだ。


ありえない…

なんだこの動きは…

まるで目で追える動きではない。


黄泉の神によりジオはすぐさま復活するが、もはや今の一瞬で大勢はついたと言ってもよい。


「私がアラウザルゴッドになってしばらく…私は自分の進むべき道がわからずにいた。私にはラグア様のような多彩な技や圧倒的な力もないし、少し努力するだけで領域纏いや領域発生を会得できたエリローズ様のような才能も、リーゼ様のような先の先を見通す絶対的な頭脳もない。私は凡人だ」


どの口が…

他でもない前人未到の人間初のアラウザルゴッドが言うセリフではない。

だが、エリスが自分からこのカラクリの種明かしをしてくれるのは、願ってもないことなのでミュラは何も言わずにいた。

もっとも仮にわかったとしても…どうにかできる可能性はほとんど0だが…


「そんな時だ。ラグア様の兄上である、煌一様は私に仰った。煌一様曰く、私は磨けば光ると…」


そう。

エリスのこのまるで目で追えないありえない動きは三島煌一の手によるものである。


神毒の覚醒…

循環の概念…

真覚…

さらには神級スキル、神武の神はエリスが三島煌一の動きをトレースすることを大いに助けた。


そして、全てが重なった時、エリスの動きはここまでになる。

もっとも動きだけならまだオリジナルの三島煌一に及ばないところが、三島煌一が三島煌一たる所以なのだだが…


「くくくっ、貴様ら如き概念融合を使うまでもないっ!!狂喜しろっ!!貴様らの体は私の神格エネルギーと変わり、永遠にラグア様のお側にあり続ける…貴様らのことは忘れんぞ?新時代の礎として永遠に私の記憶にとどめておくことを約束しよう」


狂気に彩られたその瞳を爛々と輝かせながらエリスは捲し立てた。


「…この神格エネルギーであの化け物みてえなラグアの兄貴の動きかよ…こりゃマジで詰んだな…」


「…そうだな。やるだけはやるが、もはや妾達はミグの勝利を願う以外のことはできそうにない。ジオ?」


ミュラはそうジオに呼びかける。

それだけでミュラの意図がジオにも伝わるが、同時にそれはエリスの読心にも引っかかる…


何かをやろうとしたジオはすぐさまその場で爆散し、神格エネルギーを散らす…


「自害などさせんぞ?貴様らは私の中で生き続ける…私の話を聞いていなかったのか?」


ゴッドバーストの連発で自害しようとしたジオを引き裂いたエリスは言った。


エリスに神格エネルギーを渡すまいと、せめてもの判断だったが、それすらさせてもらえないようだ。


「…待っておるぞ?地獄でラグアが来るのをな?」


「失せろゴミが」


ミュラとジオはその言葉を最後に復活するたびにエリスに引き裂かれる…


ラグア陣営とミグ陣営が戦うそれぞれの戦場において、最初の勝者として名乗りをあげたのはエリスであった。

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― 新着の感想 ―
[一言] もう煌一神拳って呼べばいいと思う
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