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第969話白と青のグラデーション34


同じ頃…


ミーラルは自分の配下を散開させた上で、ある一点を目指していた。

天然のアラウザルゴッドの中では最弱とはいえ、ミーラルは天然のアラウザルゴッドである。

自分の戦闘には配下の助けなどいらないと判断した。


そしてミーラルが目指した一点…

それは…


「…一切迷わずに私のところに…」


そう。

アラウザルゴッドとはいえ、誰が見てもわかるこの中で一番弱い存在…

ミュン・ゾフィスのところである。


ミーラルは口元に笑みを浮かべる。


「そりゃそうさ?このやり方が一番わっちが活躍できるんよ?」


「自分の配下をラグアの配下につけて、自分は弱いヤツから叩いていく………黒蛇か…アラウザルゴッドで一番性格が悪いってのは本当みたい」


「ほう?わっちにそんな口を叩くんかい?なぶり殺しにして遊んでやろうかい?え?」


黒蛇ミーラルの性格の悪さは最高神達の間では有名である。

自分より立場が強いものに大しては絶対に下手のスタイルを崩さないかわりに、自分が優位に立てる相手にはまるでその鬱憤を晴らすかのような外道っぷりである。


「やれば?小物?」


ビキッ…


ミーラルは額に青筋を立てる…

ミーラルの怒りを買うのにこれほど単純な言葉はない。

その言葉は自業自得といえば自業自得なのだが、ミーラルがもっとも気にしているタブーでもあった。


ミーラルは落ち着くために目を閉じる。




落ち着け。

ここで逆上してコイツをなぶり殺しにしたところでわっちの気が晴れるだけ…

これでは何のために配下をラグア様の配下につけた上で、一番の雑魚のコイツを狙ったのかわからなくなる。


掴みどころのないラピロア様とは違い、ラグア様は利害関係…そして義理には義理で返すタイプだ。

そして今回の戦いがうまくいった場合、これからはラグア様の世の中になる。

まあ、最後に失敗してラグア様が死んでラピロア様が残ったらそれはそれでいい。

その場合、わっちの立場は変わらない。


とにかくわっちは考えた。

どうすればラグア様に恩を売れる…いや、恩を売ったように見せかけられるか…

まずわっちの配下は全てエリスとエリローズといった、ラグア様の陣営につけるのは確定だ。

わっちは苦戦などしないし、そもそも苦戦するような敵と戦うつもりもない。


そしてミュンを叩く理由…

それはまず第一に弱いやつから叩いた方が敵の討伐数を稼げること。

さらにわっちがミュンを殺した時にエリスかエリローズあたりが苦戦してれば…さすがにそれはないか…

わっちの助けで連中を助けられれば、今後ラグア様の時代がきた時、かなりの優遇をしてもらえるだろうが、そこまでは望まない。

というか望めない。


ならわっちのするべきことは一つ。

こんなゴミの挑発にのって新時代の立ち位置を棒に振るなど馬鹿げている。


ミーラルは目をあけて、即時抹殺…

ミュンの処理をそう結論付けた。


外道…それもリーゼやラグアとは別の意味での外道…

黒蛇ミーラルとミュン・ゾフィスの戦い…

いや、惨殺濃厚なそれがはじまろうとしていた。

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