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第957話白と青のグラデーション22


時は少し遡る。

ラグアがミグの権能の概念を打ち破るより少し前…




リゼルを打ち破ったミュラ達はその先…

アゼルメーテとリーゼ達が激戦を繰り広げる戦場にたどり着いていた。


「これが…これがお父様の…いえ…白天、ラグア・エルライド・イグロシアルのやり方ですか…」


シャドウラルファは声を震わせながら言った。


ミュラ達の目の前には、リーゼが作り出した巨大な真っ黒な空間が異様な雰囲気を放っており、さらにそれを守るようにイグロシアルのそうそうたるメンバーが立ち塞がる。


だが、感情を手に入れたシャドウラルファが憤っているのはそんなことではない。


リゼルの最後…

自分達の足止めに使うだけ使って最後はボロ雑巾のように切り捨てた。

仮にこの中の誰か一人でもリゼルを助けようとすればそれはできただろう。

だが、そうはならなかった。

シャドウラルファはそんなリゼルの扱いに、かつてシャドウとしてオリジナルラグアに切り捨てられた自分達の姿を重ねた。


「ラルファ、気持ちはわかるが落ち着け。まだ戦いは終わっていないし、むしろこれからが本番と言ってもいい」


ミュラは憤るシャドウラルファをそう静かに諭した。


「………失礼しました」


シャドウラルファは一瞬目を閉じて気持ちを落ち着けるとそう答えた。


その時だ。


立ち塞がる一団から一人…

ゆっくりとこちらに向かってくるのが見えた。

その人物はミュラ達の前に進み出ると口を開く。


「これはこれは…よもやここまでたどり着くとは、少しばかりあなた方を過小評価していたかも知れませんね?」


「リムリット…」


シャドウラルファはその存在の名を呟いたが、その時にはシャドウラルファの体はもう勝手に動いていた。


「ラルファっ!!」


もはやミュラはすんでのところでシャドウラルファを静止することに成功する。

シャドウラルファの僅か数ミリ先には光速を遥かに超える斬撃が通過していた。


「すまんな。ラルファさ…さすがに味方じゃねーから、敬称はいいか。個人的にはそいつの感情もわからないことはないが、俺も退けないんだ。不意打ちなんかして悪いと思っているが、正々堂々なんて言葉は仲間の未来がかかってない場合のみにあるんだよ」


ほんの一瞬で後列からリムリットとシャドウラルファの間に割って入り、斬撃を放った張本人…

ライナーは言った。


さらに…


「へぇ?かつてのミグの仲間が勢揃いってわけか?大将の命令で出張ってきたけど、それなりに楽しめそうでよかったよ」


遅れて星王、シーラ・ベルネイア・イグロシアルがリムリットの傍に立つ。


「…こいつはウチがやる」


ミグ側のシーラがラグア側のシーラをギロリと睨みつけながら言った。


「これだけいてたった三人とは舐められたものだな?」


「本来あなた方の相手程度、偉大なるマスターに創造された私一人で十分かと?まあ、これはリオーナ様のご命令なのでこれ以上言うつもりはありませんが?」


ミュラとリムリットはそんなやりとりをする。


こうしてミュラ達VSリムリット、ライナー、シーラの戦いがはじまろうとしていた。

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