第952話白と青のグラデーション17
黒い宝玉…
その正体は大量の神級武器や神級装備やゴッズウェポンを媒介にして作り出した核玉のレプリカである。
コスト度外視とはいったものだ。
それひとつでゴッズクローン数億体分の素材を使っている。
原初の宇宙創生以来…それこそ気の遠くなるような時間の年月を費やして集めたラピロアが所持していた素材を使用しても二つ作るのが限界だった。
その本来の能力は追々説明するにしても、所詮レプリカはレプリカだ。
オリジナルには及ばない。
そもそもオリジナルは破壊不可能だ。
その点だけを見ても強度の面で既にオリジナルよりも劣る…
だが、レプリカには本来の使い方とは別に破壊されなくては使えない能力が存在する。
それがこれだ。
大量の神級武器や神級装備やゴッズウェポンの破損時の暴発…
複雑に混ざりあったその方向性の定まらない力が何を生むのか…
その答えはレプリカが破壊された場合には、一定時間、効果範囲内の全ての能力、ステータスを無に帰す…
簡単に言うと凶悪極まりないアンチステータスゾーンの完成である。
そして…
「キャハハハハハハっ、ようやくあたしの出番か。師匠とは別の戦場だし、この体が重たい空間ってのはちょっとマイナスだけど、最後の大舞台楽しまなきゃ損だよね?」
「うっせーガキだな。足引っ張るんじゃねーぞ?巻き込まれて死んでも知らねーからな?」
この最凶と言っても過言ではないアンチステータスゾーンの中でも強力な戦闘力を保有する存在…
いや、一人はその悪環境でこそ本来の真価を見せるのだが…
前者…星王、ミグ・ヒピー・イグロシアル…
後者…特別星帝、三島煌一…
二人はそんなやりとりをする。
そんな二人に対し、リーゼは口元に笑みを浮かべて口を開く。
全ての能力が封じられている為、概念どころか神通すらも使えないためだ。
「さあ二人とも…ミグの言う通り最後の大舞台だよ。思う存分暴れておいでよ?二人ともリーゼが変に指示なんかしない方が…ってもう聞いてないし…まあ、二人とも変に指示を出すより自分の判断で動いた方が強いだろうしいいか…じゃっ、リーゼも邪魔にならないように遊んでこよっと」
こうしてリーゼの口上の途中で、嬉々としてアゼルメーテに襲いかかる二人に、一瞬遅れたリーゼもアゼルメーテに仕掛けるのだった。




