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第944話白と青のグラデーション9


分体リーゼがなんとか次の手を打つ為の多少の猶予はできた。

ミュラの読み通り分体リーゼは意味もなく媒介クローンや地雷クローンを特攻などさせたりはしない。

ちゃんと時間稼ぎという意味はある。


そして問題はなんの時間稼ぎなのかだが…


分体リーゼは傍に待機させているゴッズクローンの両肩に優しく触れる。

そのまま分体リーゼはゴッズクローンの顔に自分の顔を近づけると…


「リーゼ様!?…むぐっ…」


自分の唇とゴッズクローンの唇を重ねる…

ゴッズクローンの顔は紅潮する。

分体とはいえ、リーゼは名もなきゴッズクローンにとっては遥か高みにいる存在だ。


一方その光景を離れたところから、視界の隅にいれていたミュラ達はあまりに予想外のその出来事に一瞬固まる…


「…お姉様はどうゆうつもりなのでしょう…」


「わからん。ただあの冷酷非道なリーゼが愛だどうとかを言い出すとは思えん。必ず意味があるはずだ。警戒を緩めるな」


困惑するシャドウラルファにミュラはそう答えた。


分体リーゼはそのままゴッズクローンの唇をこじ開ける。


ああ、リーゼ様が私を求めて…

なんという誉…

死ぬ時はリーゼ様と共に…


名もなきゴッズクローンはそんなことを思いながら分体リーゼの全てを受け止める…


「む…!?」


その時だ。

それは突然起きた。

そしてその違和感に気づいた時には既に遅かった。


口からゴッズクローンの体内に入ってきたものは舌などではなかった。

圧縮された小さなそれは、ゴッズクローンの神格炉で本来の質量…ピンポン球大の大きさに戻る。


「うぐあああああああっ!?」


名もなきゴッズクローンは堪らず苦痛の声をあげる。


星王ウリン・ドーラス・イグロシアルが開発したゴッズクローン…

神格炉とプロトクローンのハイブリッドによって完成されたそれは、神ですらないにも関わらず圧倒的な戦闘力を誇る…


もっともこれは決して弱点などではない。

神格炉の内部に分体リーゼの核をねじ込むことによる強制支配などそもそも全く想定されていない。


「お望み通りこれで一つだよ?永遠に…お前の体はリーゼのもの…そしてリーゼの意思はお前の体に生き続ける…」


そう言ったのは既に名もなきゴッズクローンではなかった。


元の分体リーゼの体がまるでその役目を終えたかのように崩れ去るのを確認すると、ゴッズクローン…いや、分体リーゼの意思そのものはその形を変化させる…

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