第9話3度目の進化
サンドカッターの弾幕を張りつつ、俺は接近する。
前世での俺の射撃能力は、素人の域を出ないがこの世界の魔法はまっすぐ飛ぶし、何より反動もない。
言い訳をさせてもらえるなら、そもそも改造銃は銃身が手作りであるため、命中率が極端に低いのかだ。
これは、拳銃ひとつひとつの線条痕とかそういう話になるのだが、そんな説明誰も求めていないので省く。
とにかく、改造銃と本物の拳銃には、殺傷能力はともかく、命中精度に大きな差があるのだ。
だからこそ、脅しや牽制以外の目的で俺は、ほとんど銃を使わなかった。
まあ、そんな話は今はいい。
牽制のサンドカッター、時おり放つ触手の斬撃、更に本命の体当たり。
俺は確実に相手のHPを減らしていく。
スカイメドコは逃亡を試みるが、それだけで背中に少なくないサンドカッターの雨を受ける。
今の俺のマナ吸収はLevel10。
今の俺の自動回復速度は1秒100。
サンドカッターにの消費MPは500。
つまり、5秒で1発自動装填される。
回復技など、マナ吸収以外持ち合わせてないアタッカータイプの俺に、出し惜しみなどする必要ない。
弾幕の影から渾身の体当たりをかます。
それだけでスカイメドコは、口から内臓を吐き出して完全にモザイクになってしまった。
勝負はついた。
その瞬間、経験値が入りLevelがMaxになったのがわかる。
エリローズ 「進化先を表示します」
アークアメーバ
ランクDモンスター、強力な分裂体を複数操る強力なアメーバ、相手の実力が自分より上の時は、分裂体を時間稼ぎにして逃亡する。
尚ランクDは、危険地帯を除く魔物の中では最上位で討伐隊が決定されることもある。
ベビーローズアメーバ
ランクCモンスター、邪神の分体とも言われる。
魔王へと至る魔物の幼体。
だがほとんどの場合、成体になる前に勇者に駆逐される。尚、このクラスに至る魔物は例外なく、相応の知恵を持ち合わせており、人に擬態する事が可能。
ヤベェ、つえーー、ようやくようやくこれで、俺つえーーできるんじゃね?
しかし、擬態かぁ。
アイツの分体ってのは気にいらねーが、擬態ってヤツで人間の村を内部から破壊できるんじゃねーか?
アイツの分体がどうかは置いといて、俺はもう限界なのだ。
俺は、一カ月人を殺さないと精神に支障をきたす病気だ。
それを、もうかれこれ三カ月、面白くもない動物虐待の日々、もはや限界だ。
頭の中バカが、俺の頭の中を読みながらニヤニヤしてるのがわかる。
うぜぇ。絶対殺す。
もう何度目かはわからないが、まだ俺にはコイツを殺せる力はねぇ。
いつか必ず。
俺は、そう思いながらベビーローズアメーバに進化するのだった。
次で進化後のステータスを出します。
次回は、主人公以外の視点からの話もあります。




