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六個めっ♪ 男なら進むしかないだろ!

よろしくお願いします。

 俺は今、学校に向かって歩いている…そう、いわゆる登校中と言うやつだ。だが、周りから異常な視線を一手に集めている。原因は・・・


「なあ…二人で仲良く話すなら俺を挟む必要ないんじゃないか?いや、それ以前にいつの間にそんなに仲良くなったんだ?」

「何を言っているの、平真?貴方にアプローチしてるんだから、貴方と腕を組まないと意味ないじゃない!」(れ)

「そうだよ、平真?それに、仲良くなったのはお互いに好きな人が同じだからだよ?平真だって自分の好きなものが相手にも分かってもらえるって嬉しいでしょ?」(み)

「何となく納得出来るような気がしなくもないが…昨日の今日だぞ?仲良くなり過ぎじゃないか?」

「そんなことないよ?昨日は遅くまで〇イン通話で盛り上がったからね!ふふっ、昔の平真の話を一杯聞いちゃった♪」(れ)

「れもんは、平真の昔話を真剣に聞いてくれるから沢山話しちゃったよ♪お陰で結構遅い時間になって慌てちゃった!」(み)

「今度は平真も一緒にグループで話そうよ!絶対に楽しいよ♪」(れ)

「うんうん、そうしよう♪あ・・・でも、平真がいると話し辛い事もあるかも?」(み)

「あ~…確かに、あるかも…。でも、それはそれで二人で話すときにすればいいんじゃない?」(れ)

「そうだね!みんなそれぞれ都合もあるだろうし…22時から23時くらいの一時間は3人で集合!とかどうかな?」(み)

「1時間!?」

「あれ?私はそれくらいで良いと思ったけど…短かった?勉強の時間もあるし…妥当じゃないの?」(れ)

「いや…毎日一時間も話す事があるのか?」

「あるに決まってるじゃない!1時間何てあっという間だよ?」(み)

「うんうん、本当にあっという間だよ?」(れ)

「「ね~♪」」(れ&み)


 俺を挟んで『ね~♪』と頷きあうのやめてくれませんかね?仲良しなのは良い事だけど、周りから俺たちがどう映っているか…恐ろしくて問いかけられないレベルでございます…


「やはり、出来れば俺を挟むのを止めて頂けると…」

「「そんなに私たちと腕を組むのが嫌なの?」」(れ&み)

「そんな事あるわけがない!!」

「「それならこのままで良いよね♪」」(れ&み)

「・・・ですねー」


 これは事前に二人で話し合っていただろ?胸を腕に押し付けられてあんなことを言われてみ?男の俺が拒絶出来るわけないじゃないですか!人の幸運の量は決まっていると言う一説がある。それが本当なら、俺はすぐにでも使い切ってしまうだろう…


 ならばこそ!今のこの瞬間の奇跡を噛みしめて、幸せを感じ取っても良いんじゃなかろうか!?そうだそうに違いない、この幸せな感触に意識を集中しても…


「平真、顔が緩み切ってるよ?」(み)

「ハッ!?」


 左の頬をみかんに突かれながらそう言われ、俺は自分の表情に気が付く。気を付けねば…


「今更引き締めた顔しても遅いよ?さっきからずっと緩みっぱなしの顔してたもん」(れ)


 なんですと!?し、仕方ないじゃないか…これは俺の意志程度ではどうにもならない自然現象なのさ…


「でも、それだけ私たちにくっつかれているのが嬉しいって言う証拠でもあるよね?」(み)

「うんうん、私たちにメロメロになるのも時間の問題だね!」(れ)

「あの…それなら一人ずつの方が効果あるんじゃ?」

「「却下です」」(れ&み)

「な、何故でしょうか?」


 これじゃ、俺がメロメロになったとしても…『二人に』になってしまうから勝負にならないんじゃ?


「だって・・・例え相手がれもんだとしても、平真が女の子相手にデレデレしている姿はみたくないよ…」(み)

「そうだよね。私もみかんが相手でも平真のそんな姿なんてみたくないもん…」(れ)

「二人一緒でも同じ事なんじゃ?」

「平真は分かってないね…全然違うんだよ?」(み)

「そうだよ、平真?それに、平真は色々とズケズケ聞き過ぎ!もうちょっと自分で考えてからどうしてもわからない時だけ聞くようにして?私たちだって、話したくない事あるんだからね?」(れ)

「れもんの言う通り、平真はもうちょっとデリカシーを持つべきだよ!ど、どうしてもと言うなら大抵の事は恥ずかしくても話すけどさ…」(み)

「みかんは平真に甘すぎだと思うよ!そんなことだから、平真はこんなにデリカシーのない人になっちゃったんだよ?」(れ)

「じゃ、じゃあ…れもんから色々言ってあげて?私はその…平気だと思ってはいるんだけど…いるんだけど…変な事を言って嫌われたらと思うと…」(み)

「平真は自分の欠点を指摘されたからって人を嫌うような人じゃないでしょ!・・・とは思うけど、確かに言い過ぎはいけないことかもしれないよね…」(れ)

「だ、だよね?最低限だけ注意して…後は、平真の自主的な成長を期待する感じで行こうよ!」(み)

「そ、そうしましょう。それがいいね…平真なら大丈夫だね!」(れ)


 話を総合すると…デリカシーのない最低男だけど、私たちは注意し辛いから自分で気付いて直してね?と言う事か…。その程度の指摘で直るならこんなになってないぜ!はっはっはっはっ…はぁ・・・


「「平真」」(れ&み)

「な、なんすか?」

「「色々言っちゃってごめんね?」」(れ&み)

「全然気にしてないさ!むしろ、どんどん指摘してくれていいからな?今はデリカシーのない最低野郎だけど、二人に愛想を尽かされないように頑張るからさ!」


 今の状況では、少し胸を押し付けられるだけで俺は自動的に調子の良い返事しか出来ないだろう。仕方ないと思いませんか?分かって頂けると嬉しいっす…


「さすが平真だね!えっへへ♪惚れ直しちゃうよ♪」(み)

「今が底辺だとするなら、これからどんどん上がっていくって事よね?・・・惚れ直すのはその時にしておくね?・・・これ以上の攻勢は私には難しそうだもん」(れ)

「そんなことを言っていると私に平真を取られちゃうよ?」(み)

「…みかんは恥ずかしくないの?その…これ以上は色々と…」(れ)

「それは恥ずかしいけど…私はその…ずっと平真とは夫婦同然だと思い込んでいたから…そう言うシミュレーションはやっていたから覚悟も出来ていると言うか…」(み)

「・・・さすがに、平真を想っていた時間の長さの差は大きなビハインドよね…」(れ)

「でも、平真を想う気持ちに差はないと思う。だって…あれだけ嫌な事を言った私を認めてくれたんだから…」(み)

「みかん…ありがとう♪」(れ)

「いいよ!こちらこそ、ありがとう♪」(み)


 目の前で繰り広げられる美少女同士の美しい友情劇…出来れば、俺の腕を離してから行ってください。器用に、片手だけを合わせて見つめ合っていますよ…。流石の俺でも、今の二人に声を掛けるのは無粋だと分かる…わかるんだが色々まずいだろ?


 そうだと言うのに、俺の頬は緩んでそうだな…分かっているんだが…何度も言い訳しているんだが…仕方ないだろ?男なんだから!!


「何か、この状態が自然に感じられてきちゃった♪最初は緊張していたのに…」(れ)

「わかるよ、れもん。私も自然になってきちゃった。こういうのも良いよね♪平真はどう思う?」(み)

「え?俺にそれを聞くんですか?・・・答えないとダメ?」

「「教えて欲しいの」」(れ&み)

「とても幸せな気分であります!!」


 もう言い訳するの止めた!幸せな気分に浸ってやるんだ!周りからの殺気など気にしない!気にしな…あれ?物凄い怖気が立つような殺気が…き、気のせい?


「おはよう!れもん、みかんさん、・・・平真君」(川)

「おはよう、明美!」(れ)

「おはよう、明美さん」(み)

「おはようございます、川倉さ…ん」


 調子に乗り過ぎました、すみません。昨日はもう克服したと思い込んでたんですけど、やはり本人の前では…無理っす・・・


「何か堅いね?明美で良いよ?れもんと仲良くなってるんだもんね♪その代わり、私もみかんって呼ばせてもらっていい?」(川)

「もちろんだよ♪それじゃあ、改めてよろしくね、明美♪」(み)

「やったね♪れもんに続いて、この学校のトップクラスの美少女の友達をゲットしちゃった♪」(川)

「また、そんなことを言う…。確かに、みかんは可愛いけど私はそんなでもないと思うんだけどね…」(れ)

「聞いた、みかん?この娘、こんなことを平然と言うのよ?」(川)

「れもんの自己評価の低さも大概だと思う…。あ、でも…私の事を学校トップクラスの美少女と言うのは大げさじゃない?」(み)

「貴方もなの、みかん?・・・何で自分の事を客観的に見られない娘ばかりなのかしら…」(川)

「そんなこと言ったって…明美の方が大人びて素敵だと思うけど…」(れ)

「そうかな?ありがとうね♪れもんにそう言われてると自信が出ちゃうわね。それじゃあ、私も平真君争奪戦に参加していいかしら?」(川)

「「ダメ!!」」(れ&み)

「あら?二人とも即答なの?」(川)

「だって…明美って何か大人っぽいし…冗談なんだろうけど、平真が本気にしたら大変だし…」(み)

「そうだよ!平真は、む…胸に弱いんだから明美が色仕掛けなんてしたらあっという間に落ちちゃいそうだもん!」(れ)

「へえ?そうなの、平真君?」(川)

「いえ…そ、そんなことはないと…思いたい所ですね…」


 これだけ二人にくっつかれて、デレデレしてた俺が否定しても無駄ですよね?


「それなら…私の胸なんてどう?」(川)

「どうと言われましても…」


 はっきり言うと…とても大きいです。し、仕方ないだろ?れもん<<みかん<<<明美って感じなんですよ!男のロマンが詰まっている部位なんですよ!!・・・すいません、俺が最低なだけです…


「あら?目が泳いでるわよ?」(川)

「ええと、それはですね…」

「あ、明美!いくらなんでもやりすぎよ!」(れ)

「そ、そうだよ!」(み)

「やりすぎ?ちょっと胸を持ち上げて見せただけなのに?」(川)

「明美がやるとしゃれにならないの!私なんて、持ち上げるほどないのに・・・」(れ)

「ごめんなさい、私が悪かったわ…。平真君の反応が面白くて調子に乗っちゃっただけなの…」(川)

「ううん、私こそ冗談だと分かっているのにむきになってごめんね」(れ)

「私も、冗談だと分かっているのに…感情的になってしまって…」(み)

「二人とも、それだけ平真君を想っているって事でしょう?平真君は幸せ者ね?こんなに可愛い娘たちにここまで想ってもらえるなんて…本当に羨ましい(妬ましい)…」(川)


 おや?気のせいかな?今、妬ましいと言わなかったか?


「私は明美も大好きだからね?」(れ)

「はいはい、平真君にしがみ付いている状態で言われてもね~?」(川)

「もう!そんな言い方ないじゃない!?」(れ)

「ふふっ♪分かっているわよ♪それじゃ、邪魔者は今日も先に行ってるわね~」(川)

「もう!・・・平真、明美に浮気しちゃダメだよ?」(れ)

「そうだよ?む、胸だけが女の子の価値じゃないんだからね!!」(み)

「あ、当たり前だろ?あんなのからかってただけだし…れもんと、みかんの事を適当にするわけがないじゃないか!」

「分かっていても…なんだよ」(れ)

「うん…確認したくなっちゃうんだよ」(み)

「・・・確かに、俺はスケベでいい加減な奴かもしれないけど…二人の事をはっきりさせない内に、誰かと付き合うなんてことは絶対にしないから安心してくれ」

「「うん、信じているからね?」」(れ&み)


 信じているなら胸を押し付けてくるの止めてもらえませんかね!?絶対に締まらない顔になってますよ!?


 そんな感じで、教室に着くまで3人で話しながら登校した。俺の顔は言うまでもなく緩み切ったままだった・・・しまらねーな、おい…

進行が遅くてすみません。この後の展開にちょっと迷ってまして…こんな区切りとなりました…。


次話は、7/6日更新予定です。上記の通り迷っているので少し遅れるかもしれません…

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