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五十個めっ♪ 意識しないようにすると逆に…

半年くらいお待たせする事になり、すみませんでした(汗


「おはよう、平真♪」(み)


「お、おはよう、みかん」


 やべぇ!?昨日からみかんを意識しすぎだろ…。あれだけ昨日言い聞かせて落ち着いたはずなのに、寝起きの悪い俺がみかんの一声ですっと起きられるとか重症以外の何物でもない。付き合いたての恋人同士かっての!


「今日も良い天気ですね!!」


 人は誤魔化すとき、何故天気の話題を出すのだろうか?転機を狙ってか!?哲学だなぁ…


「確かに良い天気だけど…平真、何か変だよ?」(み)


「はっはっはっ!俺が変なのはいつもの事じゃないか!!」


「それはそうなんだけど…何か質が違う気がするんだよね…?」(み)


「気のせいですよ?みかんさん!!」


 酷い上に鋭いな!?自覚はあったりなかったりするんだが…


「やっぱり何かおかしいよ?何かあったの?」(み)


 みかんとのデートの事で今から緊張しているんです!とか言えたら楽なんだが…


「運命に導かれ同じ時を刻んだ者同士が、ついに盟約に従い魂の会合を果たす事になるんだぞ?この高ぶりを抑えろ言うのが酷と言うものだろう!!」


「・・・平真が私とのデートをそこまで意識してくれるなんて…嬉しい♪」(み)


「お、おう…」


 おうじゃねぇだろ、俺!?普通に解釈されてしまった事とか突っ込むことがたくさんあるだろうが!?いや、それが必要かどうかは分からんが…


「期待して良いんだよね?」(み)


「な、なるべく頑張ります」


「うん♪」(み)


 ・・・って、見惚れてる場合か!?


「き、着替えるから下で待っててくれるか?」


「うん、分かったよ♪朝食の用意は出来てるから早く来てね♪」(み)


「う、うむ」


 にっこりと俺に笑いかけてから、みかんは部屋から出て行った。・・・おい、気恥ずかしいからって着替えるから出てけとか女か俺は!?情けなさすぎるぜ、平真よ…


「とは言え、何かもうみかんが可愛く見えすぎて困るんだが…どうすりゃいいんだよ!?」


「お困りかな?愚息君」(菫)


「うお!?いつの間に現れやがったんだ!?」


「母親に対して失礼だと思わないかしら?」(菫)


「息子の部屋とはいえ、いきなり入って来るのは失礼だと思わないのか?」


「思わないわね」(菫)


「この母親は…!?」


「とにかく、私がアドバイスをしてあげるわ」(菫)


「な、なんだよ?ちゃんとしたアドバイスだろうな?ただ単にいじりにきたんなら追い出すぞ?」


「そんな失礼な事を言う愚息には教えないわよ?」(菫)


「…是非教えて下さいませ、いつまでも若々しく美しいお母様!!」


「分かってるじゃない?いつもそのように呼んでも良いのよ?」(菫)


「ぐっ…堪えろ、俺!朝の時間は貴重ですからすぐに教えて下さいませんでしょうか?」


「確かに、みかんちゃんが可哀そうだし教えてあげるわ」(菫)


「ありがとうございます…」


「まあ、とは言え簡単な事よ?いつも通りの平真で居なさいって事よ。意識し過ぎるとろくなことがないからね。今だって、みかんちゃんが幸せそうな顔をして朝食の準備をしていたから早く行ってあげないと可哀そうよ?」(菫)


「なぬ!?それを早く言わんかい!?しゅばっと早着替えの術!!余り役に立たないアドバイスありがとさん、母上!!」


「気持ちがこもってないわねぇ?」(菫)


 そんなことを言っている母上を残し、俺は急いで朝食の準備を終えているであろう、みかんの下へと向かった。けど…


「な、何か緊張してるんだが…何でだ?・・・よし!行くぞ!」


 意味もなく気合いを入れてリビングへと入った。平常心、平常心…


「待たせたな、みかん。では、一緒に朝食を食べようじゃないか」


 誰だよ、こいつ!?俺だよ!!すみません…


「丁度良いタイミングだよ?平真♪今日のも美味しく作れたんだ♪食べて食べて♪」(み)


「俺も大概だが、みかんも何か浮かれてないか?」


「だって…朝から平真が私とのデートを楽しみにしてるなんて嬉しい事を言ってくれたんだよ?浮かれても仕方ないと思わない?」(み)


「そ、そうかもしれないですね…」


 本当にどうした俺?何故こんなにみかんが眩しく見えるんだ!?ここはすぐにご飯をかきこんで誤魔化すしかない!!


「いただきます!!」


「はい!私もいただきます♪」(み)


「上手い!?どういうことだ?見た目はいつもみかんが作ってくれる朝食と何ら変わらないと言うのに…」


「でしょお?ふっふ~ん♪隠し味を加えたんだよ?平真の好みにカスタマイズしております♪」(み)


「マジでか!?」


「マジもマジだよ?結構苦労したんだけど…その反応だと喜んでくれてるよね?」(み)


「そりゃあもう!マジで上手いぞ!!」


 そう言って、みかんの作ってくれた朝食を俺は全てを忘れて夢中で食べ、気が付けばあっという間になくなっていた。


「ごちそうさまでした!!」


「お粗末様です♪すごく食べるの早かったね?」(み)


「わりぃ…もっと味わって食べるべきだったな…」


「ううん!平真が美味しそうに食べてくれれば何でも良いの♪気に入ってくれたんだよね…?」(み)


「そりゃもちろん!毎日でも食べたいくらいだぞ!!」


「そ、そっか。それなら・・・私をお嫁さんに選んでくれれば毎日でも作っちゃうよ?どうかな…?」(み)


「そ、それはもう少しお待ちください…」


 ちょっと待ってくれ!?いつもと違うアピールしてくるのは何で!?いつもならもっと前に出てくるのに…そんな恥ずかしそうな上目遣いで控えめに言われるとぐっと来てしまいますよ!?これはまずい、本当にまずい…俺、みかんの事マジで…


「いちゃつくのは構わないんだけど、時間をかけすぎると走ることになるわよ?」(菫)


「あ、そうだね!?平真、私は片付けてから行くから先に準備して外で待っててね♪」(み)


「あ、ああ…いや、洗うの手伝おうか?」


「ありがとう♪でも、私がやりたくてやってるんだから良いよ!」(み)


「わ、分かった…じゃあ、よろしくな?」


「うん!任せて♪」(み)


 笑顔のみかんを置いて、俺は部屋に戻って準備して玄関に向かった。


「平真?みかんちゃんと何かあったの?」(菫)


「いきなりなんなんだよ!?な、何もあるわけないだろ!?」


「…その反応物凄く怪しいんだけど?」(菫)


「そ、そんなことねーし?!」


「…我が息子ながら、嘘が下手すぎてさすがに少しだけ可哀そうになってくるわね」(菫)


「感情込めて言うのマジで止めてくれませんかね!?」


「それで、平真はみかんちゃんとのデートが楽しみで仕方ないくらい惚れてしまったと言う事で良いのよね?それはもう、私の有難いアドバイスを生かせないくらいに動揺するほどみたいだものね?」(菫)


「今日はこっそり見守る姿勢なのか…?」


「こんな面白くない事はしたくなかったのだけどね?誰かんさんが余りにも酷いから気紛れで助けてあげようかしら?とね」(菫)


「・・・気紛れでなくいつも助けて欲しいとか色々言いたいことはあるが…お願いします!母上!!」


「・・・本当に色々まずいのね?素直に頼って来るなんて…逆に弄りたくなってくるわね」(菫)


「母上ぇ!?」


「冗談よ?そんなすがる表情しないで欲しいわね…はぁ、何か調子が狂うわ」(菫)


 悪かったな!こっちだって必至なんですよ!自分でも制御しきれなくて困っているんだから!!


「と言うわけで、さくっとアドバイスを下さい!!」


「と言うわけでって…省略するにもほどがあると思わないかしら?まあ、大体分かってはいるのだけどね。平真?貴方、私に言われる前から平常心でいようって思っていたでしょ?それで、私に言われたから余計にそうしようと思った…違う?」(菫)


「その通りです、母上!それが何か?」


「そんなに自分を追い込んだら、逆に出来るはずないじゃない?意識するなと言ったのは逆効果だったみたいね」(菫)


「う…確かに!面目次第もございません」


「ま、平真が情けないのは今に始まった事ではないから良いんだけど」(菫)


「ひどくねっ!?ねぇ…息子に対してでも酷過ぎませんかっ!?」


「こうなれば、小細工は無しで良いと思うのよ」(菫)


「無視ですか!?息子からの訴えをまるっと無視ですか!?…え?小細工無しってどういう事?」


「ツッコミを入れるか、話を聞くかどっちかにして欲しいわね?」(菫)


「すみませんでした、母上!ツッコミを入れなければ気が済まない性分でして…話を進めて下さい」


「何か調子が狂うわね…まあ、簡単に言うともう変に通常の平真に戻らなくて良いから、今の平真のままでちゃんとみかんちゃんと向き合いなさいって事よ」(菫)


「今の俺のままでみかんと向き合う…?」


「察しの悪い子ね…結局のところ、平真に普段通りとか、気持ちを誤魔化すなんて器用なことは出来ないのだから、今のみかんちゃん好き好き平真のまま偽らずに接しなさいって事よ」(菫)


「ちょっとお待ちください、お母様?自分、そんなに分かりやすかったりするのでしょうか…?」


「ええ、分かりやすい=海藤平真と言う方程式が成り立つくらいにね?」(菫)


「そこまでっ!!?」


 そこまでですか!?そこまででわかりやすいですかね!?みなさん!?って、誰に聞いているんだ俺は…混乱してきたぞ!?


「頭の中でパニックを起こしているであろう愚息君?みかんちゃんが来たみたいだからしゃっきりしなさい?」(菫)


「まじすか!?」


 母上の指摘から2秒とかからずに、みかんがこちらにやって来た。俺と会話しながら周りにも気を配っているのか?恐るべし、母上…


「あれ?平真?菫さん?こんなところで何しているの?」(み)


「いや…ちょっとな…」


「みかんちゃんとの子供は、平真に似ないで可愛いと良いわね♪って話をしていたのよ」(菫)


「そんな話してないですよねぇ!?」


「・・・不束者ですが、よろしくお願い致します。お義母様♪」(み)


「こちらこそ、愚息をくれぐれもよろしくね?みかん」(菫)


 にっこりと笑い合う母娘の図、良いですね♪…違うだろ!?


「俺を置いて話をまとめようとするの止めて頂けませんかね!?」


「酷いわね、平真?みかんちゃんじゃ結婚相手として不足していると言いたいのね?」(菫)


「は?何を言って…」


「酷い平真…私の事は遊びだったのね!」(み)


「ええっ!?み、みかんさん?何言っておられるのでしょうか!?」


 ええっ!?何でこんな昼ドラ劇場が始まってしまったんでしょうかね!?誰か説明をお願いします!!


「と言うわけで、平真は責任を取ることに決定したわけだけど、みかんちゃん?式は思い切って海外何てどうかしら?」(菫)


「ええっ!?どういう流れ何だ?これは!?」


「海外も素敵だなと思いますけど、やはり費用もかかってしまいますし…何より、私…白無垢に憧れていて…」(み)


「みかんちゃんに白無垢衣装は絶対に似合うわね!でも、ウェディングドレスも捨てがたいわね…そうだわ!お色直しで両方着てしまうのはどうかしら?」(菫)


「ええと…お二人さん?」


「それはそれで衣装代などかかってしまいそうで…」(み)


「みかんちゃんの晴れ姿のためなら、平真が頑張って稼ぐわよ!ねぇ?平真?」(菫)


「あのぉ…それよりも、この流れがさっぱり理解出来ないのですが…」


「ほら!平真も頑張るって言ってるし、どうかしら?」(菫)


「平真がそう言ってくれるなら…」(み)


「あれ?俺の話聞いてます?何かおかしくない?ねぇ?おかしくない!?」


「それじゃあ、白無垢もウェディングドレスも映える式場を一緒に探しましょうか♪」(菫)


「はい!お義母様♪」(み)


「もしもし!?もしかして…もしかしてだけど!二人とも、俺の事をわざと無視しておられませんか!?」


「それじゃあ、まずは…」(菫)


「まだ続けるんですか!?」


「二人とも、そろそろ行かないと遅刻するから学校に行ってらっしゃい♪」(菫)


「はい、菫さん!行ってきます♪」(み)


「へ?」


 そう言って、俺の手を引いて出て行こうとするみかん。惚け面で手を引かれていく俺。


「いってらっしゃい♪」(菫)


 笑顔で手を振って見送る母上。未だに惚け面で手を引かれるだけの俺。暫く引っ張られ続けてふと我に返った俺は、一つだけ気にかかったことを恐る恐る質問する。


「さ、さっきまでのは冗談だったんでしょうか?本気だったのでしょうか?」


 様子を伺うように聞く俺に対し、みかんは笑顔で一言だけ返して来た。


「デート、楽しもうね♪」(み)


 みかんは、それだけ俺に返すと繋いでいた手を離し改めて俺と腕を組み直した。そして、そのまま俺を引っ張るように通学路を歩き出した。


「結局…どういう事だ…?」


 俺は、みかんの返事の意味が分からず困惑しながら学校に向かう事になった。終始笑顔のみかんを見ていると、それでもいいかとなるところなんだろうが…やっぱり、どっちなのか気になってしまうのが平真さんだ!


 本気か冗談か、どっちだったんだ!誰か教えてくれ!!みかんの意味ありげな返事の意図の解釈が出来ない自分を棚に上げ、届くはずのない誰かに救いを求め続ける平真さんの登校風景だった。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

改めて、長くお待たせしてしまって申し訳ございません…

次はさすがにそこまでお待たせしないつもりですが、前より遅くなりそうです(汗


平真の心理描写とか増やそうと思っていたのに…出来たらこんな感じでしたね…ある意味いつも通りでした!もう少し上手く表現出来たら良いのですが…


 そんな感じですが、次話もよろしくお願いします!

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