五個めっ♪ 修羅場かもしれない…
すみません、遅れました…
何とかホームルームに間に合った俺たちは、それから休み時間の度に色々と聞かれることになった。まあ、あれだけ目立てば当然だけどな?むしろ、校長室に呼ばれるんじゃないかと冷や冷やしたが…お昼休みまで何事もなく…いや、色々な質問に俺はタジタジだったが、れもんが余りに堂々と俺をいかに好きか語るので周りも軽い質問が出来なくなって収まった感じだ。俺、付き合ったら100%尻に敷かれるだろうな…。
このままなら平穏な日常をすぐに取り戻せるのでは?などと言う、相変わらず浅はかな思考をしている俺の予想など当然当たるはずもなく、むしろ何故お前は忘れていたんだ?と自分自身を責めねばならない事態が起こった。それは、昼休みに入ってすぐの事…
「平真…話があるから屋上に来て?」(み)
「…え?」
俺は、聞きなれた声のはずなのに誰の声だか相手を見るまで分からなかった。そこには、みかんの姿があり彼女が言った言葉だと分かった。いつも聞いているはずの声なのに、、何故分からなかったのだろう?そして、何だこの違和感は…
「聞こえなかった?話があるから屋上に来て?すぐ来てね?」(み)
「あ、ああ…」
「待ってるからね?・・・ずっと」(み)
何だろう?今日は本当に悪寒が走る日だな…。などと現実逃避している間にみかんは教室から出て行った。
「あれは誰ですか?転校生でしょうかね?」
「何現実逃避しているんだ?どう見てもみかんちゃんだろう?」(明)
いつの間にかそばにやって来ていた明の言葉が残酷な現実に引き戻した。
「神はどれだけ俺に試練を与える気なんだ…」
「試練かどうかはわからないけど、とりあえず…懐に雑誌を入れていくのをおすすめするよ?」(信)
「なんか俺が確実に刺されますよ?みたいなことを真顔で言うのやめてくれない!?」
「大丈夫だ、平真。今の医療は発達している…助かるさ!」(明)
「だから、刺されるの前提で話すのやめてくれませんか!?」
「平真、大丈夫?付いて行ってあげようか?」(れ)
「・・・ぐはっ」
俺は思わずそのばに倒れ込むように両手をついた。
「平真!?ど、どうしたの?」(れ)
「火に油を注ぐ行為だと分かっているのに、れもんがついて来てくれたら心強いかもと一瞬でも思った自分のヘタレ具合に絶望した…」
「「何を今更?」」(明&信)
「お前ら俺の親友だよね!?」
こいつら、この状況の俺を弄って楽しむなんて、親友としての自覚がないんじゃないか?俺が逆の立場だったら…あ、やったかもしれん…
「本当に大丈夫なの?私のせいだろうから、本当について行ってもいいんだよ?」(れ)
「だ、大丈夫だから…これ以上俺の中のヘタレさんを刺激しないでやってくれ…」
「う、うん。よく分からないけど…平真ならきっと平気だよ!」(れ)
「惜しい!」(明)
「え?何が?」(れ)
「ああ、このバカな奴の発言は気にしなくて良いよ、東御さん」(信)
「何だと!?この、しんきろう君!」(明)
「やっぱりコロされたいんだよな!?」(信)
「い、行ってきます…」
アホ二人が争い始めた隙に、俺は重い足を引きずるようにして教室を出ようと歩き出した。
「「平真!!」」(明&信)
「お前ら…」
何だかんだ言って俺の事を心配して…
「「病院でまた会おう!!」」(明&信)
「お前らが刺されちまえ!バカども!!ちきしょー!!」
そう叫びながら教室から飛び出し、屋上へと向かっていく。あいつらに優しさを求めた俺がバカだったのだ…
そうして、屋上へ出る扉の前に着いたのだが…
「この扉、威圧感があるな…。普通の扉だったはずだが…いつの間にかに地獄へと続く門になったとでも言うのか!?」
自分の緊張感を紛らわせるために、そんなことを言ってみたが余り効果がなかった。しかし、余りみかんを待たせるわけにもいかない…
「よし!行くぞ!」
自分に、気合掛けをして屋上へと入った。
「待たせたな、みかん!来る途中で迷子のばあさんと出会っちまって、職員室に案内していたら遅れちまったぜ!」
「ふふっ、平真ったらそんな変な嘘をつかなくても良いのに、校内に迷子のおばあさん何ているわけないでしょ?子供の方がまだ信じたかもしれないよ?でも良かった、来てくれたんだね…」(み)
「お、おう。俺がみかんを無視するわけないだろ?」
そんな返事をしながら俺は思考を加速させる。今のところ教室で話し掛けられた時の違和感を感じない。これからなのか?それとも、本当にちょっとした話なのか?相手が幼馴染とは言え、ここは発言には慎重になることにしよう…
「私もそう信じてたんだけどね?ほら・・・れもんといつの間にか仲良くなっていたから心配になったの」(み)
「ひっ!?」
れもんの名前が出た辺りから急に声のトーンが…みかんの雰囲気が変わった!?見慣れた幼馴染なのに、何だこの違和感は!?いつの間にか、悪魔にでも取りつかれてしまっていたとでも言うのか!?・・・バカな事を考えている場合じゃないな…
「ねえ、平真?聞きたいことがあるんだけど…答えてくれる?」(み)
「はい!自分で答えられることならば!!」
「あっ…こんな言い方したんじゃ平真が悪いみたいに聞こえるよね?ごめんなさい、私が悪いのに…」(み)
「え?みかんが悪い…?何もされた記憶はないんだが…」
「・・・とりあえず、ベンチに座って話さない?」(み)
そう言って自らは座り、その横をポンポンと叩いて催促してきた。・・・この流れで断るのは不自然すぎるな…。俺は、多少警戒心を抱きつつもみかんの隣に座った。
「ごめんね、昨日はいきなり逃げ出しちゃって…。でも、平真も悪いんだよ?れもんの前でいきなり告白しようとするから…」(み)
「ああ、その事はこっちこそ済まなかった。何かかんちが」
「でも、私に逃げられたのがショックだったからってれもんに浮気するのはどうかと思うな?確かに、私は平真だけしか見えないくらい好きだから平真から離れられないけど…でも、それを知っているからって…実際に浮気されたら悲しいんだよ?」(み)
「え?・・・は!?いや、何かお互いに認識の差異が見られると言うかですね…」
「誤魔化さないで!?私をちゃんと見て言って…それで許してあげるから」(み)
「な、何を言えばいいんだ?」
両手で顔を挟まれた状態でみかんの方を強制的に向かされ、互いに顔が近い状態で何を言えと?
「ほ、本当に愛しているのはみかんだけだって…言って欲しいの」(み)
シャレになってねぇ!?え?これ言っちゃったらもうみかんエンドまっしぐらじゃねぇの!?と言うより、俺はいつの間にみかんルートに入ってしまったんでしょうか!?ま、待て、落ち着け…まずは状況整理だ…
俺にとっては、みかんはお節介焼きな幼馴染。理由はとしては、一度告白して振られたからだ。…ただ、これは俺の勘違いかもしれないと。そして、みかんは…もしや、あの告白から付き合ってることになっている…?・・・あ、それならちょっと辻褄が…ま、待て!それにしたって、ちょっと…思考が危険じゃないか?もうちょっと確認した方がいいな…
「ちょっと待ってくれ!な、なあ…俺たちって付き合ってるんだよな?」
「何当たり前な事を言ってるの?もう付き合って2年と5か月は過ぎているよ?もうすぐで2年と半年たつんだよ!そうだね…やっぱり、記念日は大事だよね?これからはしようか♪」(み)
「ハハハ…そ、そうかもな…」
やっぱり付き合ってる事になってました!?ど、どういうこと?俺、確実に振られたと思っていたし…それに、少なくともOKしてもらった記憶ないぞ!?
「な、なあ?俺の告白から付き合う事になったんだよな?」
「何で今日は当たり前の事ばかり聞くの?そっか、あの時も恥ずかしくなって逃げちゃったからその事を追及したいんだね?でも、ちゃんと手紙でそれを埋め合わせるほど好きって伝えたじゃない!」(み)
「手紙・・・あ、あの黒い封筒の…」
「もう!忘れていたの!?当時の平真が好きだった黒の封筒で出したのに!・・・でも、あれの内容は当時の私の気持ちを全部詰め込んだから…ちょっと恥ずかしいかな?でも、今はもっともっと好きだからね♪」(み)
「お…おおう…」
黒い封筒は俺のちょっとしたトラウマなんだよ…。みかんへの告白が失敗して意気消沈で帰宅したら、郵便受けに黒い封筒が入ってたんだ。宛名とか何もないから、なんだこれは?と思って中の手紙を読もうとしたら…一面に大好きの文字がびっしり…思わず、すぐにお焚き上げしてしまったんだが…差出人とか怖くて見れませんよ!あれでは!?
「とにかく、平真みたいな素敵な人を私が独占するのは難しいのは分かっているけど、それでも浮気は私に分からないようにして欲しいの。そうじゃないと…相手の娘に危害を加えてしまいそうで怖いわ」(み)
怖いのは今のみかんさんの表情なんですけど!?一見、融通を利かせているように見えるけど…確実に病んでおられますよね!?
「だから、あの女…れもんとはすぐに別れてね?何か…その…お、男としての欲求があるなら私が全て受け止めてあげるから!」(み)
照れながらそんなことを言われると、その前の話を忘れて受け入れそうになるのでやめて下さい!?・・・れもんにあれだけの事を言っておいて、自分がこんなハニートラップにかかるのはダメすぎだろう!?とにかく、みかんがいつの間にか、お節介幼馴染からヤンデレ幼馴染に進化したのは間違いない。何故こんな進化を…あ、原因は俺だ…
「平真…ここには二人っきりだし、早速何かしたい?・・・あんなまな板娘に欲情しちゃうほどなんでしょう?」(み)
「だ・れ・が!まな板娘よ!!」(れ)
突然の大声にびっくりして振り向くと、そこには腰に手を当ててお怒りムードのれもんがいた。
「れもん…どうしてここに?」
「そ、それは…」(れ)
「さすが、泥棒猫だよね。神出鬼没に何処にでも現れるんだね?」(み)
「誰が泥棒猫よ!?」(れ)
「きゃー、こわーい。泥棒猫に威嚇されちゃった」(み)
そう言って横から俺に抱き着いて…いや、抱きしめてくるみかん。腕に素敵な感触が…思ったより大きいな。って、そんなところに意識を集中させている場合か!?
「何で平真に抱き着いているのよ!?」(れ)
「何でって、泥棒猫さんに私と平真の仲を見せつけるために決まっているでしょ?」(れ)
「さっきから、泥棒猫泥棒猫って…貴方と平真は付き合ってるわけじゃないでしょ!!」(み)
「あ、そんな風に言っていたんだ?ごめんね?貴方は騙されているんだよ?平真と私は2年以上前から付き合っているんだからね♪」(み)
「ほ、本当なの?」(れ)
悲しそうな、不安そうな顔でそう俺に問いかけてくるれもんに、俺は…
「ち、ちが」
「教室での私たちの仲睦まじい姿を何度も見ているでしょ?何であれで付き合ってないと思ったの?まあ、平真は素敵な人だから少し都合の良い言葉を投げかけられてその気になっちゃったんだろうけど…貴方みたいなまな板娘に、平真が本気になるわけないでしょ?」(み)
「そ、そんなわけない!平真は、私みたいな胸でも好きだって…」(れ)
「そんな嘘を信じてのぼせ上ってしまったの?可愛そうなれもんさん…いい加減に現実を見た方が良いよ?」(み)
「そんな…こと」(れ)
こいつは本当に俺の知っている幼馴染のみかんなのか?俺の知っているみかんは、バカな俺を甲斐甲斐しく世話してくれる優しい娘で、何でもそつなくこなし、誰とでもすぐに打ち解けて、見た目と違った可愛らしい笑顔を振りまく俺の自慢の幼馴染。そんな娘だったはずなのに…
今、目の前にいるみかんは…泣いているみかんを見下す様に見つめている。これが本当にみかんなのか?そして、これが俺の…過去の自分の不始末だとしたら…俺は…
「平真?うるさい猫がいるから他の所に行こうよ♪」(み)
「みかん…」
「なに、平真?」(み)
「少し黙っていろ」
「…え?」(み)
俺はそう言うと抱き着いているみかんを振り払うように立ち上がった。そして、泣いているれもんに近付いて、彼女の肩に手を置いた。
「済まなかった、れもん。お前を傷つけるような事をしてしまって…全部俺のせいだ、本当に済まない」
「謝らないで?・・・二人はお似合いだもん。最初から、私の出る幕何てなかっただけ…」(れ)
「違うんだ、れもん!少なくとも、俺はれもんに嘘は言っていない。みかんとは付き合っていないし、れもんに抱き着かれた時はドキドキしたし…告白された時は嬉しかった」
「本当に…?」(れ)
「ああ、嘘偽りなく本当にだ」
「じゃあ…私の事は迷惑と思っていない?」(れ)
「ああ、当たり前だろ?」
「よ、よかったぁ…」(れ)
「よく何てない!何を言っているの、平真?私と平真はずっと付き合っていたでしょ?付き合っていないなんて…そういうことなの?れもん、貴方が平真に何か吹き込んだんだね!私と平真の仲を裂こうとするなんて!?」(み)
「いい加減にしろ、みかん!!お前、さっきから可笑しいぞ!」
「可笑しいのは平真だよ!私たち、ずっとずっと仲良くしてたじゃない!付き合ってたじゃない!それなのに、何でそんなことを言うの!?」(み)
「終わらせないといけないからだ…こんな、偽りの関係なんてな!」
「何を言っているの?平真の言っていることが分からないよ…」(み)
「俺も、みかんも、どちらも自分の都合で互いを見ていたんだ…だから、今になってそこが浮き彫りになった…それが俺たちだけの問題で済めばまだよかった。だけど、れもんを…他の誰かを傷つけるなら話は別だ。・・・ここで、終わりにして…」
「・・・嫌だよ。何でそんなことを言うの!?私、ずっと平真だけを見ていたの、愛していたんだよ!それなのに…お願いだから、私を捨てないでよぉ・・・」(み)
「み、みかん…違うんだ、捨てるとかじゃなくてだな…」
「まだ足りないなら、もっともっと頑張るから…お願い、平真…私を捨てないで…」
彼女は俺より少しだけ背が低い程度なので、服にしがみ付かれながら話されると、凄く近い位置で俺を見上げる形になって…泣き顔すら綺麗で…はっ!?違うだろ、俺!?俺は、全身の力が抜けているかのように俺によりかかっているみかんを思いきり抱き締めながら言った。
「みかん!お前にも謝らないといけない…今まで、俺の理想を押し付けてしまって済まなかった。一度でも確認すればお前の気持ちに気が付いてやれていたはずなのに…」
「平真…?」(み)
「俺…お前からの黒い封筒の手紙…実は、全部は読んでいないんだ…」
「え?で、でもさっき…」(み)
「ああ、大好きとたくさん書いてあるのだけ見て…当時の俺は、形だけ繕っているびびりだったから…その文面と黒い封筒と言うので怖くなって…よく読まずに燃やしちまったんだ…。今思えば、もう一枚紙があった気がするが…本当に済まない」(み)
「そう…だよね。当時の平真が黒が好きだったと言っても、ラブレターの封筒を真っ黒にするのは可笑しかったよね…。私こそ、ごめんなさい。ずっと見たと思って…それなら、平真は…」(み)
「すまん、さっきも言った通り…俺はずっとお前が世話を焼いてくれるのは、ただの幼馴染を心配する優しさだとばかり…」
「そっか…そうだったんだ。だから、私と平真はずっと変わらない関係だったんだね…」(み)
「そうだ…だから、今回の事は逆に良かったのかもしれない。・・・このまま何もなければ卒業までお互いに勘違いしたままだっただろうからな…」
「そう…だね。私、平真の隣に立てるのは私しかいないって思い込んでた。ずっとずっと平真のお世話は私がして、そのまま・・・だから、これからは私も…気持ちを伝えたいと思います」(み)
「あ・・・そうなるのか?」
「うん…私みたいな思い込みの激しい女なんて鬱陶しかもしれないけど…」(み)
「そ、そんなことはないが…その、未だってみかんみたいな綺麗な娘を抱きしめているからドキドキしてるし…」
「うん…それは、私も感じてる。さっきから…苦しいくらい…」(み)
「そう言う割に、思い切り抱き着いてるじゃないか?その…俺からやってなんだけど、そろそろ離れないか?」
「もうちょっと・・・じゃあ、これだけ言わせて?」(み)
「なんだ?」
「私…仙石みかんは、海藤平真が大好きです。・・・愛して…います。それだけは、何があっても変わらないので…覚えておいて下さい」(み)
「ああ、絶対に忘れない。でも、返事は…」
「・・・うん、すぐじゃなくていいよ。お互いに、埋めなきゃいけないものがあるからね?」(み)
「ああ、遠回りどころか、動いてなかった時間が長かったからな…」
「うん・・・じゃあ、名残惜しいけど…」(み)
そう言って、俺の緩めていた腕からみかんが離れた。
「見せつけてくれるよね、お二人さん?」(れ)
「「あ…」」(平&み)
「ごめんなさい、れもんさん。私、さっきは酷いことを…」(み)
「れもんで良いよ?今更飾る必要なんてない関係でしょ?」(れ)
「そう…だね。ごめんね、れもん。私、平真の事ばかり考えてて…」(み)
「うん、分かるよその気持ち…。私も、平真の事ばかり考えちゃうからね?だから、凄く悲しくなること言われたけど…許します。グダグダいうのはなしだよ?」(れ)
「うん。・・・ありがとう、れもん」(み)
「いいよ、別に…同じ平真が大好きな仲間じゃない?」(れ)
「平真が大好きな…仲間…いいかも」(み)
「え?何がいいの?」(れ)
「平真の良さを分かってくれる人が周りにいなくて…れもんが相手なら平真の話たくさんできそうだなって♪」(み)
「ああ、確かに…私は、平真の事知らない事の方が多いから…教えてくれると嬉しいかも…」(れ)
「平真の話なら任せて!小学生からの事なら大抵覚えてるから♪」(み)
「長くなりそうね?」(れ)
「もちろん♪」(み)
「あの…盛り上がっているところ悪いけど…俺も混ぜて貰って良いか?」
「「どうしたの?」」(れ&み)
「その…今回の事は元を正せば俺が悪かったわけでな…その、二人を傷つけるような真似をして本当に済まなかった。この通り謝る」
俺は、申し訳ない思いを込めて頭を下げた。人生で一番反省した瞬間だった気がする。
「えっ…」(れ)
「と…」(み)
ん?れもんとみかんが目配せした?
「「それなら、早く私たちのどちらかを選んでね?」」(れ&み)
「・・・はい、善処させて頂きます・・・」
両脇から腕に抱き着かれて、俺はそう言うしかなかった。
これからどうなるかは分からない。しかし、確かな事が一つだけ…両腕に感じる素敵な感触を受けて、俺の顔は今物凄くだらしない事になっている事だろう。
全く、いつもながらしまらないな…
最後まで読んでいただきありがとうございます。
毎日更新は暫く無理そうです…。次回は、4日予定です。
次話もよろしくお願いします。