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三十九個めっ♪ 冷めない夢は…情熱の?

 目が覚めると美少女と密着していた(パラダイスだった)。どういう事かって?なあに単純ですよ?どうやら、りんごちゃんに頭を抱きかかえられているようですよ、現在の俺は。


 この幸せの時間を長く…もとい、この変態と間違われる危険な時間を早く終わらせなければ…しかし、どうすれば…ぐぉ!?


ここで抱き寄せてくるだと…!?頬に幸せな感触がはっきりと!?・・・いかん!流されるな平真よ!?ここは冷静に脱出方法を考えるんだ…


 ・・・幸せな感触のせいで集中出来んわ!!こうなったら、一気に下に抜けるしか…って、待て!?今度は、俺を足で挟んで来ただと…!?これは色々アウトだろ!?起きてるんじゃないだろうな!?…いや、りんごに限ってそれはないな…いちごならやりかねんが…


 そんな事考えている場合か!?状況は悪化した!このままでは…俺の息が続かん!!幸せな感触を楽しむ以前に息が持たん!?実年齢は高校生とは言え、見た目少女に抱きしめられて窒息死とか、そんな一面を飾るのはさすがに遠慮したい!!ここは強引に行くしかない!!


 俺は、幸せの時間を少しでも堪能してから(最低という声が聞こえそうだ)渾身の力で立ち上がった!!するとどうだろう?りんごが一緒に付いて来たではないか!?


 俺は、驚きながらも慌てて落ちない様にりんごを抱きとめた。それは辛くもお姫様抱っこだったりする!?しかし・・・りんごはやっぱり軽いな?同じ高校生とは思えん・・・


「・・・あれ…?平真…?」(り)


「おはよう、マイスィートハニー♪」


 とりあえず、状況に合いそうな挨拶をする俺。この辺りはもう修羅場になれた影響かもしれんな…。そして、その間に何か言い訳を考えねば…


「・・・平真が動揺してないって事はこれは夢よね…?それなら…」(り)


「むぐっ!?」


 いきなり、首に手を回したと思ったら…何の反応する間もなくキスをされてしまった!?・・・今日こそは誘惑に負けずにキスしないぞと意気込んでいたと言うのに…余りにも短い幕切れでしょうよ…


「…ん」(り)


 しかし、何でこう女の子の唇は柔らかいんだ…?しかも、何かこうあったかい気持ちになると言うか…って、長いですよ、りんごちゃん!?寝ぼけているにしても長い!?そろそろ正気に戻ってくれないと色々と問題が…!?


 何やら視線を感じたと思ってふと部屋の外を見てみると…デバガメと目があった!?


「…なるほど、お姫様抱っこでキスとか…りんごちゃん仕様なんてやるわね、平真?ちゃんと成長しているようで安心したわ♪朝ごはんはゆっくり作るから、ゆっくり準備してから降りて来なさいね♪」(菫)


 ・・・最悪の場面を見られてしまった…。状況的に説明出来ないから仕方ないとは言え…あの母親は、やはり頭が可笑しいと思う…


 それよりも!?りんごちゃんはまだ寝ぼけておるのか…?


「・・・」(り)


「・・・」


 まだ寝ぼけているのか?と思ってりんごを見てみたら…バッチリ目が合いました。どうやら、やっと目が覚めたようですね?・・・どうすんだ…これ…


「平真…その…もしかしてだけど…これって、現実…?」(り)


「そうやって考えている時点でそれが答えだと思うけど、敢えて言わせてもらうなら…現実です」


 てっきり大声を出して離れると思いきや、何とそのまま俺の胸に顔を埋めてなにやらブツブツを言い出した…


「どうしよう!?私が、平真にお姫様抱っこされながら首に手を回してキス…憧れのシチュエーションだけど、寝ぼけてする何て…やっぱり違うよね!?でもでも、幸せな気分にはなれたし…でもでも!やっぱり…何より、こんなことをしておいてどんな顔して平真と接したら良いか分からないよぉ!!」(り)


「あの…すいません、りんごさん?俺の胸に顔を埋めてもぞもぞ喋られるとむず痒いと言うかなんというか…とりあえず、降ろして良いでしょうか?」


「もうちょっと待って!?」(り)


「あ、はい…」


 その後、しばらく俺の胸でブツブツをりんごが言っていた。心の中で喋ったらいかんの?断片的に聞こえてくる声が気になって仕方なかったです…。しかし、聞き耳立てるわけにもいかず…聞かない様に他に意識を持っていったら…案の定、助平真さんは密着した身体に意識を持っていかれておりました…


 だって仕方ないじゃん?美少女をお姫様抱っこしているんですよ?柔らかいんですよ?そして、そんな子が胸に顔を埋めているんですよ?直前までキスをしていたんですよ!!仕方ないよね!!!…勢いで押しても助平な事には変わりないって?・・・ですよねぇ…


「落ち着いたから…降ろしてくれない?」(り)


「おう…」


 ちょっと名残惜しいとか思ってしまったのは、俺が助平だからじゃない…彼女を労わりたいと言う優しい気持ちからだ!…言い訳は見苦しい?そうですか…


「平真…その…デート、楽しみにしてるから…」(り)


「ああ…思い切り楽しもうな?」


 そう返すと、笑顔を俺に向けた後部屋を出て行った。彼女の中では色々な葛藤があったんだろうけど…結局、デート楽しみにしてるってところで落ち着くあたり…何か可愛いな!!


 そして、分かった事が一つ…あの着ぐるみパジャマは見た目より通気性が良く薄い!お陰様でりんごの感触を思い出してにへらしてしまう始末!どうしてくれる!!・・・平真サイテーと言う声が聞こえる…うん、自分でもそう思う…着替えて降りよう!


 そして、着替えて部屋を出たところで…りんごが着ぐるみのまま恥ずかしそうに壁に背を預けて待っていた。曰く、着替えは平真の部屋に置いたままだったと…。世の中、恰好が付かない事ばかりですな…。筆頭は俺だけどな!!本当に、すみません…



「・・・」


「・・・」(り)


「・・・」(明)


「・・・」(信)


「・・・」


「信!俺らは先に行こうぜ!じゃあ、先行ってるぜ!平真!!りんごちゃん!!」(明)


「そうしようか?それじゃあね、二人とも」(信)


「おう…」


「うん…」(り)


 俺らの返事を聞いた二人は、さっさと先へ行ってしまった。・・・何で恥ずかしいのに俺にくっつくんですかね?みなさんは…


「なあ、りんご?」


「な、なに?」(り)


「キスの事だけどな?俺は嬉しかったぞ?」


「…え?」(り)


「例え寝ぼけていたとしても、あんな情熱的なキスをこんな可愛いりんごと出来たんだから…嬉しいに決まってるだろ?今思い出しても…にやけそうになるくらいだぞ?」


「でも…初めてのキスが寝ぼけてだ何て…」(り)


「なんなら、ここでキスの上書きをしてやろうか?」


「え?・・・平真…」(り)


 唐突に二人の世界に突入…しかし、ここは通学路…


「おい、あれって生徒会長と噂の海藤平真じゃね?」(男子生徒A)


「お?マジじゃん!こんなところでラブシーン展開とか…さすがだな!!」(男子生徒B)


「お前ら…そこは黙って見守るのが男ってもんだろ?」(男子生徒C)


「「お前はデバガメしたいだけだろ?」」(男子生徒A&B)


「バレたか!!」(男子生徒C)


 こんな会話が聞こえてきてみ?続けられたら精神力どんだけ高いんだよ!とツッコミ入れるね!


「・・・行こうか?」


「そ、そうね…」(り)


 俺たちはそそくさと歩き出すしかなかった…


「上書き…期待してるからね?」(り)


「あ、はい」


 邪魔が入ったとかよりも何よりも、俺のバカやろー!!何て臭いセリフ言ってるんだ!?お前はどこぞのイケメンか!?あり得ないだろさっきのセリフは!?そして、りんごちゃんは何故平然と受け入れようとしてなんですか!?突っぱねちゃって良かったんですよ!?


 やはり、今朝のあの情熱的なキスの余韻からまだ抜け出せてないようだな、俺は…。お陰で、マジであり得ないキャラになってた…あのセリフを言う前に俺をぶん殴って正気に戻してやりたい…ぐぉぉぉぉお!!?


 そんなこんなで表面を取り繕いながら、内面では何度も悶絶しながら登校する羽目になったのだった…

りんごは元気になったから良しとしておこう!そうしよう!!

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


珍しくすらすらといったので少し短いですが連続投稿しました!

…え?ストック?何ですっけそれ?花の名前…?


次話もよろしくお願いします!

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