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二十四個めっ♪ この状況では平凡な一日とは行かぬな…

 次の日の朝、月曜はれもん担当だとかで起こされたが、流石に二日連続で同じ状況と言う事はなかった。朝食などを済ませ学校に向かう。どうやら、朝起こした娘がそのまま登校中の平真を独占出来る仕様らしい…やったね♪・・・俺、そう言う話は全く聞いてないんですが?


その後も何事もなく時は進み(最近の俺の感覚ではであり、それなりの事は起こったと思われる)放課後になった。今日のお目付け役はりんごらしい。俺をがっちりガードしてもらっている。ただ単に、腕にしがみ付いているだけと言う見方も出来るが…こっちが正解か?


「しかし、喫茶店にいればいちごが乱入してくるかと思ったけど…意外と来ないもんだな?」

「え?聞いてないの、平真?いちごは、何か…花嫁修業や平真の誘惑プロセスの強化で時間を使ってるそうよ?自分の勝ちは揺るぎない事実だけど、努力は怠るつもりはないって…何と言うか、流石よね?」(り)

「確かに流石と言えるが複雑なんだよな…」


あの行動力は見習うべきところもあるんだろうけど…何事もほどほどにしないと暴走になりかねないからな…


「それよりも、真面目にアルバイトしなさいよ!我が校の生徒である平真が、適当に仕事をしてるとうちの高校の評価が下がることに繋がりかねないでしょ?」(り)

「そうは言いますが…手のかからない常連客さんばかりで暇になっておると言いますか…」


 ちなみに、今はバイト中である。ただ、見ての通り?客はまばらで余りいない。さすが休日だけだと店長自身が言うだけはある。


 ただ、常連客は…結構いるんだよな?仕事休みなのか?まあ、毎日いるわけじゃないんだろうけど…それでも、大体いるみたいに感じるのは俺が適当だからだろうか?


 あ、忘れていたけど我が校の生徒会長様も今は制服を着て手伝っている。・・・見た目があれだから家のお手伝いって印象を持ってしまうのは俺の偏見だろうか?しかし、このサイズの制服をちゃんと用意するとは…あの店長は侮れんな、本当に…


「どうしたのよ?私の事をじろじろ見て…わ、私の可愛らしい制服姿に欲情したんじゃないでしょうね!?」(り)

「何でそこまで言っちゃんですかね!?普通に見惚れたくらいにしてくれませんかね!?確かに、可愛いから見惚れておりましたよ!!」

「な、何言ってんのよ!?可愛いって…いつもいつも・・・私を選んでくれたらこれくらい毎日着てあげることも考えてあげるわよ?」(り)

「りんごもアピールを忘れないのか…。そんなにすぐに決めたら相手に失礼だろうって…」

「まあ、いちごはともかくとして、私たちはみんな自分を選んでもらえるか不安なのよ…?いちごも、心の中ではどう思ってるか分からないけどね。とにかく、アピールするのは当たり前の事なの!だから、少しは参考にして欲しいんだけど…適当に流してないわよね?」(り)

「も、もちろんですよ!?ただ、そんなに頻繁にアピールされても、俺のキャパシティをオーバーしてしまうのでそこは御憂慮頂きたいところであります…」


 これが贅沢な悩みってやつだな…。分かってても、選べるかどうかはまた別の話なんだぜ?


「まあ、平真はそうよね…。・・・ねえ?神楽さんは、何でさっきからこちらの様子を伺っているのかしら?」(り)

「ああ…あれは病気みたいなものだろ?一応、店長として勤務の様子を見てるとか何とか言い訳するだろうけど…明らかに面白いことが起こるのを待っているな、あれは…」

「そうよね、私から見ても快楽主義者に見えるんだから相当よね…」(り)

「ああ…楽しい事のために全てを捧げていると言っていいほどの人だから、あれは…」

「巻き込まれる方はたまったものじゃないわよね。そして、今一番巻き込まれる可能性が高いのが私たち…と言うより、平真ってところかしら?」(り)

「その通りなんだよな…誰か代わってくれないかね?」

「誰も変わりたがらないでしょ?」(り)

「ですよねぇ…」


 まあ、お陰でここではかなり優遇されているのは分かるんだが…それでもな?次は何をしてくれるやら…


「しかし、今更なんだが…生徒会長様自らアルバイトなんてしていいのか?」

「前も言ったけど、うちの学校はそう言うのは生徒の自主性を重んじるから問題ないわ。それに、喫茶店のウェイトレスなんて社会勉強の一環とか言い訳はいくらでも出来るでしょ?」(り)

「自分で言っちゃうのかそれ?」

「まあね?私も、何かあった場合は真面目に対処するから問題ないわ。それに、毎日通ってするわけでもないからね。一応、メンバー全員のアルバイトの申請書は通しておいたから問題ないわ」(り)

「いつの間に…何か、副会長が苦労してる姿が目に浮かぶんだが…」

「助手はそのためにいるんだから問題ないわよ!」(り)

「・・・俺が何かできるわけでもないから…せめて彼にも幸福が訪れることを切に願うだけにしておこう…」


 副会長、南無…


「平真君、りんごさん。二人とも暇してるなら、空いている席のテーブルを綺麗にしてきてくれませんか?」(丸)

「「はい、分かりました」」(平&り)


 ちなみに、今日は明と信は裏で在庫やらの確認作業を行っている。明が信には負けねぇ!とか燃えていたから心配なんだが…。まあ、丸郷さんに熱をあげているから大丈夫なのか?逆なのか?・・・大丈夫ってことにしておこうか…


 あれ?そう言えば、今日は丸郷さんが大人しいような?べ、別にくっついて欲しいとかじゃなくてな?ちょっとした疑問だぞ?本当ですよ!?


 ・・・あれか?りんごみたいな純情そうな娘に、正面から注意されると困るからかね?・・・他の理由が思いつかん。・・・しかし、丸郷さんはいつからあちらに行ってしまったのか…俺か?俺の反応が面白いからなのか?そんなつもりは全然ないんだけどなぁ…


 そのままバイトも終わり、何事もない一日(最近の俺にとっては)で終わると思った矢先、りんごから控えめなお誘いを受けることになった。


「今日、この後私の家に来てくれない?・・・うちの母が、どうしても平真に会いたいとしつこく言ってくるのよ…」(り)

「え?これからって…遅い時間になるんじゃないか?大丈夫なのか?」

「幸運にも、この喫茶店と平真の家の中間辺りに私の家があるの。だから…平真さえ良かった会ってあげてくれない?」(り)

「まあ…それなら別に、俺から断る理由はないが…まさか、うちの娘をよくも誑かしてくれたわね!とか、襲い掛かって来たりしないですよね?」

「それはないから安心して!・・・むしろ、逆だから困っているのよ…」

「ん?最後に何か言ったか?」

「何でもない!会って見れば分かるでしょ?行くわよ!」(り)

「おい!引っ張るなよ!?」


 そうして、案内と言うより引っ張られるようにして(いつの間にか腕にしがみ付かれる体勢になっていたが)りんごの家に着いた。まあ、見た目は普通の一軒家かね?


「な、何かいざとなると緊張するな…」

「いちごの両親にはもう会ってるんでしょ?ざくろと、みかんも…あとは、私とれもんだけだし…全員の親と会わないと不公平にならない?」(り)

「ならないと言いたいが…何とも言えない所だな。むしろ、親が反対してきたらどうしたらよいものか分からんのだが…」

「まあ、一人相手ならともかく、複数相手にしている平真としては複雑でしょうけど…とにかく、うちは大丈夫だから入るわよ?」(り)


 玄関を開けて、ただいま!と言う声と共に家に入っていくりんご。俺は、お邪魔しますと言ってとりあえず玄関で待ってようと思ったのだが、りんごに手を引っ張られて仕方なく中に入って行った。


「おかえりなさい、りんご。・・・あら?そっちの男の子がもしかして…?」(?)

「そうよ!これが私が話した海藤平真よ!・・・見た通り、平凡でしょ?見たからもういいよね?」(り)

「初めまして、海藤平真と申します。お邪魔しております…。と言うか、何その見せたからもういいよね?的な感じは…俺はもう帰った方が良いのか?」

「初めまして、私はりんごの母の誠子です。・・・帰らなくていいからね?りんご、その言い方は失礼でしょ?」(誠)

「だって、一目見たいから連れてきてって言ってたじゃない?だから、一目見たから良いでしょ?」(り)

「そんな屁理屈が通るわけないでしょ?平真君とは、一度ゆっくりとお話ししたかった…んだけど、この時間だと余りゆっくり出来ないわね…?ご飯食べていく?」(誠)

「いえ!いきなりやって来てご馳走になるのはさすがに…」

「全然構わないわよ?夫と私の分はあるんだし…りんごは、今日は平真君の家でご馳走になるかもとか言っていたけど一応、りんごの分もあるし…少し足せば足りると思うけど…。あ、でも、平真君くらいだと沢山食べるのかしら?」(誠)

「そうよ!平真は、私の5倍は食べるんだから!今からじゃ遅くなるからだめに決まってるじゃない!」(り)

「それなら、お泊まりして行ってくれても…」(誠)

「初対面の男の子を家に泊めるとかあり得ないでしょ!?常識を考えてよ!!」(り)

「・・・りんごはどうしても、私と平真君が話をするのを避けたいみたいね?」(誠)

「べ、別にそんなつもりはないわよ?ただ、今日はちょっと顔を見せする時間しかなかっただけよ!!」(り)

「それでわざわざこの時間を選んで連れて来たってわけね?それなら…平真君、今度はゆっくり出来る時間に来てね?」(誠)

「な、何言ってるの!?一度顔を見たんだからもういいでしょ!?」(り)

「・・・なあ、何でそんなに俺と誠子さんに話をさせたくないんだ?とても優しくて良さそうなお母さんじゃないか?」

「あら?ありがとう、平真君♪私も、平真君の事を気に入ってしまったわ♪とても素朴で好感の持てる子みたいね。惜しむらくは、私の事をお母さんと呼んでくれない事かしら?」(誠)

「ははは…そこは、りんごさんと正式に付き合ってからでも良いかと…」

「だってさ、りんご?頑張って平真君を誘惑しなさいね?」(誠)

「お母さん!?なんてことを言うのよ!?」(り)

「え?でも、してるのよね?」(誠)

「し、してたとしても、わざわざ親が念を押す事じゃないでしょ!?」(り)

「もう、りんごったら照れ屋さんなんだから♪平真君、遠慮なく押し倒してあげてね?」(誠)

「はははは…これは、秋華さんより上かもしれん…」

「だから嫌だったのよ!お母さん!もう黙っていてくれない!?」(り)

「何を言ってるの?そんなんじゃ、平真君を取り合っているライバルの娘たちに負けちゃうわよ?」(誠)

「平真はそういう事で選んだりしたくないの!そう言う人なんだから!!」(り)

「なるほど、平真の事は私の方が分かってるんだから黙っていて!と言う事ね?はいはい、もう余計な事は言いませんよ。今日の所は」(誠)

「そ、そう言うんじゃないからね!?違うからね!?」(り)

「わ、分かってるからそんな勢いで迫らないでくれ!?」

「どうせ押し倒すなら自分の部屋でしてね?」(誠)

「しないわよ!?」(り)

「そうなの?」(誠)

「何で不思議そうな顔をしてるのよ!?今までの流れで何でそうなるのよ!?」(り)

「私の娘だから行くのかと思ったの♪」(誠)


 その言葉を聞いて、がっくりと項垂れるりんご。・・・ある意味、我が家の親子のやり取りに近いのではないだろうか?方向性などは違うが…りんごもこっち方面では苦労してそうだな…俺のせいかもしれんが…


「あ、そうだ!急いで出るんでしょ?それなら…」(誠)


 パタパタと近くの机に近付いて引き出しから何やら封筒を取り出す誠子さん。そのままそれを持ってやって来た。


「はい、りんご。これを持っていきなさい」(誠)

「何これ?」(り)

「お金よ?いるでしょ?」(誠)

「は!?何でお金なんているの?平真の家に行ってご夕飯をご馳走になったらすぐに平真に送ってもらって戻って来るわよ?」(り)

「考えてみたら、送ってもらった時に会えたんじゃないかしら?」(誠)

「それだと絶対に何かやらかしたでしょ!?前もって釘を刺しておきたかったのもあるの!!」(り)

「そうなの?てっきり、お母さんのお願いをついでではなくて叶えてあげたかったのかと思ったわ♪」(誠)

「ち、違うもん!そんなつもりじゃないんだからね!?」(り)

「なんだかんだ言っても、お母さんの事も大好きだもんね?りんごってば♪」(誠)

「違うって言ってるでしょ!?お、お母さんなんて知らないんだから!?」(り)

「あら…やりすぎちゃったかしら?完全に拗ねてしまったわ…困ったわね?りんご、そのお金でラ〇ホテルでも行って平真君に慰めてもらいうと良いわよ」(誠)

「何でそうなるのよ!?行かないわよ!?」(り)

「え?」(誠)

「何よその、心底意外な事を聞きました!みたいな顔は!?行くわけないでしょ!?」(り)

「あ、大丈夫よ?初体験なんて聞くほどの事じゃないからね♪平真君は優しそうだし…あ、でもそう言う時だけ豹変するタイプなのかしら?」(誠)

「え?いや…」

「お母さんのバカ!!平真!もう行くわよ!お母さんの相手をしてたら菫さんが心配する時間になっちゃうわ!!」(り)

「お、おう…」


 俺は、りんごに引かれるままについて行くと、後ろから誠子さんが声を掛けて来た。


「既成事実を作るんだから、避〇しちゃだめよ?」(誠)

「しないって言ってるでしょ!?もう、口を開かないで!!」(り)


 そのまま、怒りのままに手を引かれて危うく靴を履きそびれるところだったが何とか栗花落家を後に出来た。・・・しかし


「りんご、お前も苦労してたんだな…」

「いつもはあんなじゃないのよ?平真を前にテンションが上がってたみたいで…母が変な事ばかり言ってごめんなさい…」(り)

「謝る事ないって!りんごの事を思って言ってくれてるんだろ?だったら、問題ないさ。まあ、俺が言われたことを実行することはないけどな…」

「そこはしなくて良いからね!?・・・ずっとしないとか言われても困るけど…」(り)

「ノーコメントで…」

「・・・折角だから、このお金で行ってみる…?」(り)

「りんごさん!?お母さんに毒されておりますよ!?いつもの、純粋なりんごちゃんに戻って!?」

「わ、私は別に純粋ってわけじゃないわよ…。・・・私みたいなお子様体型なのじゃ、そう言う事を考えられないって事なの?」(り)

「違うぞ!?何でいきなりそんな思考になったのかわからんが、少なくともそう言う事で断ってるんじゃないからな!?」

「そう…それならいいんだけど…」(り)

「お、おう…」


 それから、いつもの様に腕にしがみ付いてくるりんごと連れ立って家まで戻った。母上に、二人ともに弄り倒される食事会が終わり、また件の栗花落家に戻って来た。


「・・・平真、会わないで去る選択肢もあるわよ?」(り)

「正直、そうしたいんだが…ちゃんと送り届けたという達成感を味わいたいんだ」

「・・・そう、そう言う事にしておくね?・・・ありがとう」(り)

「お、おう」


 ちょっとフォローして弄られる可能性をつぶそうとしたのばれてる?


 そして、りんごがカギを開けて入ろうとすると誠子さんが玄関で出迎えてくれた。・・・おおぅ!?


「おかえりなさい、りんご。平真君、泊まっていくのよね?」(誠)

「さりげなく泊まっていくと言う話を事実みたいに語るのはやめてもらえませんかね!?」

「そうよ!そんな話なんてしてなかったでしょ!?バカな事を言ってないで引っ込んでよ!」(り)

「はぁ…この感じだと、初体験は先送りになったみたいね…」(誠)

「何バカな事を言ってるのよ!?平真、送ってくれてありがとう♪おやすみなさい!」(り)

「ああ、おやすみ!誠子さんも、おやすみなさい」

「あら?本当に泊まっていかないの?」(誠)

「いきません!もう!良いから中に入って!!」(り)

「はいはい、平真君、またね♪」(誠)

「ははは…」


 俺は小さく手を振る誠子さんに、苦笑いで答えつつ扉が閉まるのを見送ったのだが…


「もう!変な事ばかり言って!お母さんのせいで平真に嫌われたら絶対に許さないんだからね!!」(り)

「あらあら?そんなに平真君の事が好きなら素直に言って抱いてもらえば良いのに?」(誠)

「だから!平真は、そう言うのはお互いの気持ちを育んでからするタイプなの!そう言う話から離れてよ!!」(り)

「はいはい、それじゃあゆっくり話し合いましょうね♪」(誠)

「・・・ちゃんと相談に乗ってよね?」(り)


 ・・・聞き耳を立ててしまった俺も俺だが、りんごちゃん…声が大きすぎると思います。しかし…個性的な親御さんばかりだな…。いちごの所だけかと思ったんだけどな・・・まあ、我が家の母上様には敵わんがな・・・まず、あれをどうにかして欲しいです。


 こうして、今日も俺はその母上のいる家に戻るのだった。・・・れもんの家は普通だよな…?

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


数分遅れましたが、あげたかったのであげました(汗


次話もよろしくお願いします。

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