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ヒロイン話 りんご一個めっ♪

 私の名前は栗花落林檎(つゆりりんご)、この学校の生徒会長である!何事もテキパキとこなす、誰からも尊敬される生徒会長・・・だと自分では思っているのだけど、実際は学校のマスコットとして祭り上げられているらしい。


 らしいと言うのは、私の助手が調べたところによるからだ。助手なんているのかって?いるでしょ?実際の肩書は、副生徒会長だけど…助手みたいなものでしょ?まあ、それはいいの。色々な事を調べる時には使えるやつだから使ってあげているの!それだけ!


 この学校では、2年生が生徒会長を務めることになっている。何故ならこの学校の生徒会はとても忙しいからだ。学校行事などのほとんどが生徒の自主性と言う名のもとに丸投げされている。しかし、そのお陰か大成功を収めている事例が沢山あり、そのせいでそのままになっているのが現状と言う所。


 要するに、生徒会長に選ばれた私はとても優秀だって事ね!その割には、助手は私を生徒会室から追い出すことが多いけど。細かい事務業務は自分がやるから、会長は見回りなど目立つことをしてくださいと…何故だろう?何度か聞いたんだけど、内作業ばかりだと生徒会が何もしてないんじゃないかと言う懸念を生徒に抱かれるから、私が目立つように行動するのが良いんだと言っていた。だけど、どこか無理やり繕っている気がするのよね…


 そんな経緯で、私は今も見回りをしている。新入生が増えたこの時期、ちゃんと取り締まらないと不良のたまり場が出来てしまうかもしれないからね!風紀委員はいないのかって?それも生徒会の一部になってるのよ!つまり、会長がやっても何も問題ないってこと!何でも許されるのが生徒会長なのよ!うんうん、ちゃんと仕事をしている私ってえらい♪


 そんなことを考えながら見回りをしていると、屋上に続く階段の前で怪しい行動をしている男子生徒を発見した。怪しい…屋上の方をちらちら伺いながら何かを考えている…。間違いない!屋上でたばこを吸う気なんだ!ここは、生徒会長として事前に注意してあげないとダメよね!


 私は勇む心を抑えながらその生徒に声を掛けた。


「そこの男子生徒!屋上に続く階段の前で何をしているの!」


 ちょっと強めの声が出てしまった。仕方ないよね?私のような小さ目の女子が、男子を相手にしようと言うのだ。最初にガツンと言わないと…相手になめられてしまうもの!!


 一瞬びくっとした男子生徒は、恐る恐るこちらを振り返りながら言葉を発した。意外に臆病者なのかもしれない?


「な、なんですか?俺は何もやましい事なんて…ん?」(?)


 何故か私を見て疑問に思ったことがあるのか、言葉を止めて首を傾げている。


「何?何か疑問でもあるというの?」

「何で子供がいるんだ?その制服は何処で手に入れたんだ?」(?)

「なっ!?」


 私は言葉を失った。あろうことか、生徒会長である私を捕まえて子ども扱いをするなんて!・・・確かに、ちょっと身長が低めなのは事実だけど…それでも、子ども扱いは許せない!!


「私はこの学校の生徒よ!2年生よ!しかも、生徒会長なのよ!!」

「なるほど、背伸びしたいお年頃ってやつだな?しかし、生徒会長は言い過ぎじゃないか?」(?)

「本当の事よ!大体、入学式で挨拶をしたでしょ!忘れたというの!!」

「あ~…少しぼーっとしてて聞き逃しましたな」(?)

「何ですって!?」

「大体、マイクに届かないんじゃないか?」(?)

「外して持ったわよ!あ、勘違いしないでよね!たまたま高めの位置にあったから届かなかっただけで、本来なら届くんだからね!!」

「あー、はいはい、そうですね?」(?)

「一々小ばかにして!?」


 私が憤慨していると、それを遠巻きに見ていた生徒の声が聞こえて来た。


「あれって生徒会長だよな?平真の奴何をやらかしたんだ?」(男生徒1)

「きっとあれだろ?いつもみたいに可笑しな言動を取って目を付けられたんじゃないか?」(男生徒2)


「あれ?マジで生徒会長…様?」(平)

「何度も言ったわよね?それより、貴方の名前を教えてもらえるかしら?」

「いえ…名乗るほどの者では…」(平)

「平真って呼んでいたのが聞こえて来たんだけど?」

「ぐっ…海藤平真と申します。極々一般の家庭で生まれた庶民であり、一生徒でしかございませんので、特に覚える必要はないかと…」(平)

「海藤平真…覚えたわ!貴方のような不良は、絶対に見逃さないわよ!何かしたらすぐに停学にしてやるんだから!!」

「マジか!?この学校の生徒会ってそんな権限持ってたよな?洒落にならねぇ…。せ、生徒会長様!俺は不良ではありませんよ!?」(平)

「はあ?たばこを吸うために屋上に行こうとしてたくせに…そんな嘘が通るとでも思っているの!」

「いやいやいや…たばこなんて持ってませんよ?何ならボディチェックでもしてみますか?」(平)


 そう言って彼は手を挙げて触るなら触るがいい!みたいな態度を取った…


「ば、バカじゃないの!私みたいな可憐な乙女が、貴方みたいな粗野な男の身体を触れるわけがないじゃない!」

「ならどうするんだ?生徒会室まで行こうか?そこになら男の生徒会役員もいるだろ?調べて貰っても俺は構わないんだぞ?」(平)


 この態度…持ってないという事だろう。私の予想は違ったという事?


「・・・そこまで言い切るならたばこじゃないのね?じゃあ…こそこそと何をしに屋上へ行こうとしていたのよ?」

「そ、それはだな…今日も時代を流れる風は心地良いとか言って見たかっただけと言うか…」(平)

「何?声が小さくて聞こえないわよ?」

「ちょ、ちょっと春の風を感じてみたかっただけだよ!男がそんな事をするのは何か恥ずかしいと思ったんだよ!それだけだ!」(平)

「そんなことなの?別に、男だろうと変だとは思わないけど…」

「俺はそう思ったの!別にいいだろ?ほっとけよ!」(平)


 何か怪しいけど、風を感じたかったと言うのは嘘じゃなさそうね…


「もう、そんなことで紛らわしい行動を取らないでくれる?こっちは校内の見回りで忙しいんだからね!」

「へいへい、すみませんでしたね?お忙しい生徒会長様の貴重なお時間を取らせてしまいまして」(平)

「何その言い方?一々、厭味ったらしい言い回しをして…私をバカにしてるんでしょう?海藤平真!!」

「バカになどしておりませんよ?聡明で可愛い生徒会長様を、私のような一般生徒がバカにするなど、そんな恐れ多いことをするわけがございません」(平)

「可愛い!?そ、そんなことを言っても私は騙されないわよ!最初に子供扱いしたことを忘れないんだからね!!」

「おおう…あれは忘れて欲しいんですけど…。ほら、あれだ…あまりにも可愛らしいお姿だったのでついつい憎まれ口を叩いてしまったというか…」(平)

「可愛らしい!?さ、さっきからそんな言葉ばかり使って私をやり込めよう何てそうはいかないんだからね!!」

「あ~確かに思惑はあったんだが、可愛いと思ったのは本当だぞ?」(平)

「可愛い可愛いって言い過ぎよ!な、何が目的なのよ!?」


 間違いない!これだけしつこく言って来るって事は何か目的があるに決まっている!可愛いって言ってくる人は多いけど、私が睨んでも続けて言ってくる男なんて今までいなかったんだから…何を狙っているの!?


「え?ただこの場を穏便に…いや、思いついた」(平)

「な、何よ?」

「初めて見た一輪の可愛らしい花に一目ぼれしてしまったのです。生徒会長…僕と結婚してください!」(平)

「けっ…結婚!?」


 結婚!?付き合うを飛ばして結婚だなんて…な、な、な!?


「なんてじょうだ」(平)

「こんな往来の場で何を言ってるのよ!?海藤平真!!」

「いたっ!?待って!もうちょっとだけ話をき」(平)

「バカ!バカ!大バカ!!海藤平真の大バカ者!!!」

「余りいたくないのに、美少女の蹴りは痛い気がするのは何でだ!?」(平)

「美少女!?・・・海藤平真!この恥辱は忘れないからね!覚えてなさいよ!!」

「え?そんな捨て台詞でいっちゃうんすか!?冗談だって伝わって…ないのか?もしかして?ど、どうすんだ…うおっ!?俺のズボンが汚れておる!?母上に怒られるぅ!!?」(平)



 とりあえず、彼の姿が見えなくなるまで走った私は立ち止まって息を整える。最後に何かを言っていた気がしたけど…?とにかく、あんなことは忘れようあんないきなりのプロポーズなんて…


「違うでしょ!あいつはそんなに格好良くなかったわよ!!」


 思わず自分自身に突っ込んでしまった。プロポーズされた時の事を思い返してみたら、何故か彼の顔が美化されていたのだ。海藤平真…何て恐ろしい奴…


「大体、いきなりプロポーズなんてあるわけないわよね?冗談に決まっているわ」


 そうやって自分を納得させてみたけど、本気だったと思いたい自分も何故かいて…


「マジかよ!?お前、いきなりプロポーズをしたのか!?」(男生徒3)

「ああ、一目でビビッと来てな…思い切ってやっちまったぜ!」(男生徒4)

「そ、それでどうなったんだ?」(男生徒3)

「そのまま付き合う事になったぜ!」(男生徒4)

「マジかよ!?そんなことありえるのか!?」(男生徒3)

「それがありえるんだよ♪」(男生徒4)


 え!?男ってそう言う事やったりするものなの!?嘘…いきなりプロポーズなんて頭が可笑しいと思ったけど…直感みたいな何かがあるのかしら?・・・でも、ただ単にからかっていただけの可能性だって…



※この後の会話はりんごは聞いておりません

「すげえなそのギャルゲー!今度貸してくれよ!?」(男生徒3)

「落ち着けって!俺はゆっくり楽しみたい派なんだよ…もうしばらくかかるぞ?」(男生徒4)



 でも、だけどを繰り返し私は校内を歩き回っている。べ、別にあんなやつのことで悩んでいるのではなくて、ただ単に校内の風紀が乱れる可能性があるから…それで…大体、女性はそんな単純じゃないんだから!


「え?一目ぼれした人と今も付き合い続けているの!?」(女生徒1)

「そうだよ?だって、彼ってば私が思た通りの素敵な人でね♪」(女生徒2)

「はいはい、惚気は聞き飽きたからもういいわよ」(女生徒3)

「私は聞いてみたい!」(女生徒1)

「そこまで言われたら話すしかないよね♪あのね、彼ったらね…」(女生徒2)

「あーあ、知らんぞ?そやつの彼氏自慢話は長いからな?」(女生徒3)


 あれ?女性も一目惚れってありえるの?でも、私はあいつの事なんて何とも・・・今度会う事があったら名前くらいは教えてあげようかな?って、流されてどうするのよ、私!生徒会長自ら、風紀を乱してどうするのよ!!


 結局、私はそんな悶々とした気持ちを引きずったまま校内の見回りを続けたのだった。



 それから、数日経ったある日、私はまた海藤平真と顔を合わせることになった。


「げっ…生徒会長様ではありませんか、ご機嫌麗しゅう?」(平)

「げってなによ!また小ばかにしようとしてるのが伝わって来てるわよ!」

「そんなことはございませんよ、りんご姫」(平)

「姫!?な、なんで海藤平真が私の名前を知っているのよ!?」

「それは…私が姫に一目ぼれしてしまったからです。…えーと…りんご姫、私だけの姫になっていただけませんか?」(平)

「自分だけのって…またプロポーズするなんてバカじゃないの!?」

「おお、これでプロポーズと分かる何て…りんご姫は可愛らしいですな!」(平)

「か、かわっ!?バカじゃないの!バカじゃないの!!バカじゃないの!!!」

「いたたたた!?だから、何で足を蹴るんだよ!?生徒会長…姫が暴力を振ってはいけませんよ!!」(平)

「!?お、覚えてなさいよ!!」

「ええっ!?またそんな捨て台詞を!?悪役みたいだぞ!?ってもう見えないくらい離れてるし…めっちゃ足早いな…」(平)

「おう!平真!・・・何かあったのか?」(明)

「…お前のこの女の子を落とすセリフ集を試してみたんだよ」(平)

「なんだと!?と言う事は…お前は一人の女性を虜にしてしまったという事だな!?」(明)

「いや…残念ながら怒って足を蹴られただけだったな?」(平)

「なん…だと!?」(明)

「だから言っただろ?明。君の考える台詞は気障すぎて通じないってさ」(信)

「「イケメンなら通じるんだろ!?コンチキショーが!!」」(明&平)

「何で平真まで怒っているのかな?」(信)

「俺が直接試したからだよ!お前だったら通じて虜に出来たんだろうよ!チキショーがっ!?」(平)

「平真…俺、忘れていたよ。こういうセリフはイケメン以外が使っても冗談にしか聞こえないって事を…」(明)

「明…いいじゃないか!今日それが分かっただけで、お前は一歩女の子に近付けたんだよ!」(平)

「そう…そうだよな!ありがとう、平真。身を挺して俺のセリフを試してくれるなんて…」(明)

「気にするなよ…俺たちの友情は永遠だぜ!!」(平)

「ああ…永遠さ!!」(明)

「その…僕は仲間に入れてもらえないのかな?」(信)

「「イケメンでもお前は俺たちの親友さ!!」」(平&明)

「二人とも…!!」(信)


 がっちり肩を組み合って、友情を確かめ合う平明信の姿があったそうな。



「な、何なのよ!2回しか会っていないのに、その2回ともプ、プロポーズしてくるなんて…」


 そうよ!絶対からかってるだけなのよ!だって、あんな…あんなふざけたプロポーズ・・・


「だから、何で美化されているのよ!?」


 思い出したらまた海藤平真の顔が、前回よりもさらに美化されていて大声をあげてしまった。何か理由があるってことなの?・・・全然わからないわね…


「だ、大体、あんなキザったらしいセリフが本気のプロポーズのはずないわよね…?」


「嘘でしょ!?そんなプロポーズをしてきたの!?」(女生徒4)

「それが本当なんだなぁ?『どんな宝石よりも素敵な君の瞳を僕だけのものにしたい』って言われちゃって。キュンって来ちゃったの♪」(女生徒5)

「そ、そんな気持ちになっちゃうんだ…私にも言ってくれる男の人いるかな?」(女生徒4)

「大丈夫だって!すぐに言ってくれるよ♪」(女生徒5)


 そ、そんなに頻繁に言われることがあるセリフなの!?で、でも…やっぱり嬉しく思っちゃうのは可笑しくないんだ・・・・・・って!?何で私は海藤平真に惚れそうになってるのよ!?まだ今日で会話を交わしたのが2回目なのよ!!



※この後の会話はりんごは聞いておりません

「この乙ゲーアプリ絶対におすすめだよ♪」(女生徒5)

「でも、私にはこの中から一人を選ぶのは…」(女生徒4)

「リアルじゃないんだし、全部攻略しちぇばいいじゃん♪」(女生徒5)

「それはそれでどうなんだろう?うーん…」(女生徒4)



 海藤平真が本気でプロポーズしてきたとして…何で私なの?私は…ちょっとだけ背が低いし、ちょっとだけ胸も控えめだし…男性の理想とかけ…ちょっとだけ理想の基準に届いてないはずだし…


 ま、まさか!?海藤平真は…うわさに聞くロリコンってやつなんじゃ!?小さい子しか愛せないとかいうあれなのね!?まあ、私はちょっとだけだけど…そっか、ちょっとだけロリコンなのね!海藤平真は!そうに違いないわ!!


 それから、海藤平真と何度も顔を合わせたけど、それ以降はプロポーズをされることはなかった。・・・今度されたら、海藤平真を救ってあげるために、仕方なく受けてあげようと思っていたのに!


 でも、私に対してからかうようには言ってくるのよね。私は知っているわ!男って気になる相手をからかったり、いじめたりするのよね?間違いないわ、海藤平真は私に惚れているわね!!


 まあ、良いわ。まだまだ学生生活は長いのだし…そのうちまたプロポーズをしてくるはず!その時は、受けてびっくりさせてやるんだからね!覚悟しておきなさい!海藤平真!!

最後までお読みいただきありがとうございます。

段々と分かって来ました…完全に平真が恋愛ジャンルの雰囲気を壊してますね(汗

しかし、彼はこのまま爆走します!応援してあげて下さい!


次話もよろしくお願いします。

ヒロイン話は増やした方が良いですかね・・・?

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