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九個めっ♪ 生徒会長現る!

 教室に入ると、早速挨拶が飛んできた。


「おはよう、れもん♪みかん♪平真君!今日も朝から両手に華なんてうらやましい(妬ましい)わね!」(川)

「おはようございます、みかん、れもん、平真君。確かに、朝からデレデレした顔をしているのは如何なものかと思いますよ?」(ざ)

「おはよう!明美♪ざくろ♪」(れ)

「おはよう、ざくろ!明美!」(み)

「おはよう…川倉さん、門雀さん」

「「「「平真(君)だけ、堅いよ?(ですよ?)」」」」(れ&み&ざ&川)

「一斉ツッコミだと!?それじゃあ、明美とざくろって呼ぶぞ?それでいいのか?」

「「構わないですよ(わよ)?」」(ざ&川)

「じゃ、じゃあ今度からそう呼ぶ事にするわ…」


 断られるの前提で強気にいったらすんなり通る不思議…


「それで、何か微妙な違和感があるんだけど…貴方たち何かあったの?」(川)


 え!?そんなことが分かるものなのですか!?


「やっぱり、明美には分かったちゃうか…。実はね、平真が何か私たちに隠し事をしているの。そのせいで、平真は上の空が多いから私たちへの反応も何か鈍い時が多くて…」(れ)

「そうなんだよ!平真ったら隠し事しているみたいなの!でも、夜に話してくれるらしいから聞かないようにしてあげてるのに、当人が一番気にして考え込んでる状態なんだよね。そんなに気にしちゃうなら、すぐに話してくれても良いよ?」(み)

「で、出来れば夜まで待ってもらいたいのだけども…」

「ふーん…わずか数日で浮気したのね?」(川)

「してませんよ!限定するのやめてもらえませんかね!?」

「そう…でも、二人に何かやましいことがあるわけね?」(川)

「べ、別に何もありませんよ!?俺は何もしてねぇし…」

「なるほどね、つまり…」(川)

「も、もういいよ?明美。何かこれ以上追及すると口を滑らせて言っちゃう気がするし…そうなると色々…ね?」(れ)

「・・・そうしておきましょうか。ちゃんと二人には言いなさいよ、平真君?」(川)

「は、はい」


 上手い誤魔化しが浮かばなくても、どうやら逃げ道はなさそうだ…。まあ、元々あの母上から逃れられるとは思っていないけどな・・・


「おはよう、みんな!特に、女子のみなさん♪」(明)

「おはよう、朝から騒がしくしてごめんね」(信)


 それぞれが明と信に挨拶を返す。見ると、男子は明に、女子は信に返しているように見える。現実はいつも容赦がないな…


「ふっふっふっ、今日も俺に女子の皆は挨拶を返してくれた。これはあれだね?平真が迷ってる間に、俺が先に彼女を作ってしまうかもしれないな?」(明)

「・・・そうだな、その時は紹介してくれよ?」


 朝から気分が良くなっているところを、わざわざ落とすこともあるまい?それにしても、明は信と一緒に居ることによって、得しているのか損しているのか分からないな。まあ、そう思うこと自体が間違っているのか?本人同士の馬が合うのが一番か…って、俺にも言える事だったな!?


「それにしても、昨日は災難だったな?平真。いや、災難とか言ったらあの子に失礼…」(明)

「はっはっはっ!明君!その話は後でしようじゃないか!!」

「やっぱり、昨日何かあったの?」(れ)

「あったと言うか、あわされたと言うか…。夜までお待ち頂けたらと…」


 今話されたら間違いなく死亡フラグを立てると思われますので!


「お約束の展開のツッコミになってしまうけど…明が死んじゃうよ?」(信)

「あ・・・鼻まで塞いでしまっていた!?明!しっかりしろ!!」

「う・・・俺の墓には可愛い女の子の写真を一杯飾ってくれ…ガク」(明)

「「明ーーー!?」」(平&信)

「今日も平明信は絶好調ね?」(川)

「「「だから、定着させるなっちゅうに!!」」」(平明信)


 ほんとにやめてくださいね?


「はい!じゃあ、夜まで待ってあげると言う事で…ホームルームが始まる時間だし席に着こうよ?」(み)


 そんなみかんの声と共に、予鈴が鳴ったのだった。


 その後、特に何事もなく放課後になった。お昼?隠し事の罰としてあーんなどしてもらえませんでしたが何か?その他の情報としては、れもんのお弁当は可もなく不可もなくというところだった。年季の入ったみかんのお弁当みたいに美味しい♪とは言えなかったけど、普通に美味しいと言うやつで全部食べました。食べている最中に何度も美味しいか聞かれたけどな?目指すところが高すぎるだけだと思うわ…


 それよりも、気になるのが…窓際の騒ぎと言うかね?本日最後の授業中から、校庭側の窓をちらちら気にしている生徒が何人か居たわけですよ?で、授業後のホームルームまで外を見ては騒いでいたわけですよ。


 で、ホームルームが終わった今も覗いている奴らがいて…そろそろ、気にしないでいる限界かもしれれないな。・・・何か急に校門以外から帰りたくなって来たな…。あれだ、障害を乗り越えて人生を歩む?みたいな?…いや、あの子じゃない違うはずだ…違うはずなんだが…


「おーい、平真!あの校門の所にいる子、いちごちゃんじゃないか?昨日、バイト先でお前が言い寄られていたさ」(明)


 何で全部ばらしてくれちゃってるんですかねぇ!?わざと?わざとなの!?一発くらい殴っても許されるんじゃないでしょうかね!!内心で強がりながら、恐る恐るれもんたちを見てみると…


 ・・・うん、笑顔だから怒ってないよね?とか、本気で思えたらそれはそれで楽なんだけど…残念ながら、その裏のどういうことなの?と言う怒気ともとれる感情を感じ取れて…今すぐ逃走したい気持ちで一杯であります・・・


「どういうことなの?」(れ)

「どういうことなのかな?」(み)

「な、何と申したらよいのか…」


 二人とも直球で来ましたよ!?待ってください!まだミットも構えてないんです!みっともないですね!あっはっはっは…誰かどうしたら良いか教えて下さい…


「あれ?俺…何か余計な事を言っちまったか?」(明)

「明…君は悪くないよ?ただ、もうちょっと周りに気を回せるようにならないと…女の子にはモテないかもね?」(信)

「ええ!?それって俺としては死活問題なんですけど!?どうしたら良いか教えてもらえないでしょうか、信様!!」(明)


 遠くで信が釘を刺してくれてるけど…後の祭り。そっちは良いから…こっちを助けて下さい!!


「海藤平真はいるかしら?」(?)

「げっ!?生徒会長の栗花落林檎(つゆりりんご)様じゃないですか!?」

「げってなによ?しかも、様付けとか馬鹿にされているようにしか感じないんだけど?」(り)

「ははは…そんなことはないですよ?」


 女性の生徒会長と言えば、出来るきつめの美人を想像したものだが…残念、りんごちゃんは可愛らしい瀬の小さな娘でした。本人に言ったら大変な事になるけどな?まあ、何度か顔を合わせているが…最初に出会った時に子供扱いしたことを未だに根に持たれていてこんな感じのやりとりしか出来てないわけだ…


「それで、お忙しい生徒会長様が俺に何の用ですか?」

「口調は丁寧なのに、一々馬鹿にされているとしか思えない言い回しをするのはわざとよね?」(り)

「そんなことはございませんよ?俺たちが日々平穏な高校生活を送れるのは、ひとえに生徒会長栗花落林檎様の尽力のたまものでございます」

「やっぱり馬鹿にしているでしょう!?一々フルネームで呼ぶし、様付けしかしないし…もう、あったまきた!蹴る!!」(り)

「落ち着いてくれ、りんごちゃん!生徒会長が暴力を振ったらダメだろ!?俺は…ほら、てーのーだからさ?可愛い子をいじっちゃう?みたいなやつなんですよ!多分?」

「か、可愛いとか言っても誤魔化されないわよ!私は、美人とか美しいって言われたいの!」(り)

「えー?でも…俺が言ったとして、りんごちゃんは受け入れてくれるのか?」

「あんたが言うと嫌味にしか聞こえないわね…。その前に、何でちゃん付けなのよ!私の方が年上なんだから、ちゃんとさんを付けなさいよ!!」(り)

「段々と言葉使いが崩れておりますよ?りんごさん?」

「ぐっ…本当に腹が立つ輩だわ、海藤平真!」(り)

「生徒会長こそ、俺の事をフルネームで呼んでる気がするんですが?」

「うるさいわね!私はいいのよ、生徒会長だから!!」(り)

「言い訳する気もないのはわかったわ…」

「全く、あんたと話していると馬鹿が移りそうで怖いわ」(り)

「・・・で、りんごさんは俺に何の用ですか?」

「そうだったわ、海藤平真の馬鹿話のせいで無駄な時間をかけてしまったわね」(り)

「・・・」

「校門のところで女の子が待っていてね。話を聞いたら、海藤平真に会いに来たって言うのよ。貴方、千代浦いちごって子なんだけど、知ってる?」(り)

「あー・・・バイト先の店長の友達の子ですね。知っていると言えば知ってますが…」

「バイト?貴方、アルバイトしているの?・・・この高校では届け出は要らないけど…変なバイトじゃないでしょうね?」(り)

「…普通の喫茶店のウエイター的なのですよ。変なのじゃありませんって」

「貴方が料理を運ぶの?・・・お客に迷惑を掛ける場面しか想像出来ないわ…」(り)

「失礼だな!?生徒会長は俺の事をどういう風に思っているんですかね!?」

「・・・ただの大バカ?」(り)

「・・・・・・マジで?」

「マジよ?」(り)

「・・・」


 思わず周りを見渡してみると、目が合った者全てに目を逸らされた。マジすか?俺って周りからそう思われているの?内心、ショックを受けていると…


「そんなことはどうでもいいから、早く彼女の所に行ってあげなさい?私もついて行ってあげるから!早くしなさい!」(り)

「え?別についてこなくても…」

「私も一応、貴方を連れてくると言った手前、戻る必要があるのよ。べ、別に貴方とあの子の関係が気になるとかじゃないのよ?」(り)

「あ、そう言うの間に合ってます」

「あんたは本当に失礼よね!?いいから、早く来なさい!」(り)

「ちょっ!?引っ張るなよ!?」


 俺がりんごちゃんに引っ張られて連れていかれそうになっていると…


「待ってください、生徒会長!私も…私たちもついていきます!」(れ)

「はい、平真。鞄いるでしょ?」(み)

「おう、サンキュ」

「私たちも、この後平真と話し合わないいけない事があるので一緒に行きます」(み)


 やばい、逃がす気ないなこの二人…。大人しく家で待ってくれていてもいいのに…


「貴方たちも?・・・そういえば、噂でだけど最近、海藤平真とくっついて不埒な事をしている可愛らしい娘たちがいるって聞いていたけど…まさか、貴方たちの事?」(り)

「え?確かに、くっついてはいるけど…不埒な事はしていませんよ!」(れ)

「そうだよ?あ、そうですよ?平真にぴったりくっついてるだけで、何も不埒な事なんてしていませんよ?」(み)

「・・・本当でしょうね?海藤平真!」(り)

「大変気持ち良かとです…。あ、はい!不埒な事など何もありませんよ!?」


 あっぶねぇ…余計な事を思い出していたせいで変な返事してしまった…


「「「・・・」」」(れ&み&り)

「あれ?何で三人して微妙な表情を俺に向けているんですかね?」

「まあ、平真だもん。仕方ないよね」(れ)

「うん、平真だもんね。仕方ない」(み)

「海藤平真だから、仕方ないわね」(り)


 俺、どんな表情していたんですかね!?怖くて聞けないんですけど!?


「とにかく!いちごちゃんを待たせているんだから早く行くわよ!」(り)

「お待ちください!その後に話し合うのなら、俺たちのバイト先の喫茶店が現場なので丁度よろしいかと思われます!と言う事で、俺も一緒に行くぜ!平真!!」(明)

「止めても無駄みたいだし…僕も行くよ、平真」(信)

「信が来てくれれば心強いな!是非頼む!」

「俺は!?ねえ?俺は!?」(明)

「お前が口を滑らせたのが発端だしな…」

「でも、生徒会長が来たんだからどうせ同じ事だったじゃないか!?」(明)

「そう言う問題じゃないんだが…」

「平真、許してあげなよ?明も悪気があっての事じゃないんだからさ」(信)

「まあ、信がそう言うなら…」

「あっれぇ?俺と信の扱い違わないですか?俺ら、イケメン反発の同志だったじゃないか!?」(明)

「それはそれ、これはこれ」

「身も蓋もないな!?」(明)

「それくらいにしておきなさい、平明信。生徒会長が切れるわよ?」(川)

「「「平明信はやめてください!!」」」(平明信)


 もう手遅れな気がするわ…


「私もついて行きたいところだけど…部活があるから私はここでお別れね。れもん、後で報告よろしくね?」(川)

「うん、いつもの時間に電話するね」(れ)

「私は今日の部活が休みになったので、付いて行ってもよろしいでしょうか?」(ざ)

「もちろんだよ、ざくろ♪一緒に平真に説教してあげようよ!」(み)

「ふふっ、私のような若輩者が説教など出来ませんよ」(ざ)

「俺、説教されちゃうんすか…」

「ああ、もう!いい加減にしなさい!行くわよ!!」(り)


 いい加減待たされ過ぎてブチ切れた生徒会長に連行されるように校門へと向かった。教室を出る際に、クラスメイトには挨拶したのだけど、一部何故か付いてきたのは…野次馬根性だよな?するのは好きだけど、当事者としてはちょっとあれですな…


 そんな感じで、校門まで辿り着くと、昨日色々な押し問答をした少女『千代浦いちご』がいた。何故か女子に囲まれているが…。ん?昨日と違って随分可愛らしい笑顔を振りまいておるな?何かあったのか?


 俺は、なるべく平静を装っていちごに声を掛けるべく近付いて行った。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

前話と変わらない長さになった不思議…


次話もよろしくお願いします。

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