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君想う故に我在り  作者: 岡崎杏
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プロローグ:いつもの日常

幼き日の日常。


 ここはブリテン王国にある小さな港村イニテ村。そこには元気な10歳の少年と少女が遊んでいた。

「ねぇ~、はやくはやく~。」

「マリア待ってよ。早いって~。」

栗色の髪をした少年は息を切らしながら、ブロンド髪の少女を追いかけていた。

栗色の髪の少年の名はロイ・イロアス。イニテ村に住む元気な男の子だ。

「ほんとなんて体力馬鹿だよ。」

「違うって、ロイがひ弱なだけだよ。」

少女は呆れたようにロイと呼んだ少年に対して言い放った。

少女の名はマリア・ウーティス。ロイと小さな頃から一緒のブロンド髪の可愛い幼馴染。

「まあ、そんなところも可愛くて好きだけどね。」

ブロンドの綺麗な髪をなびかせ意地悪な笑みを浮かべながらマリアは言い放った。そんな笑みにロイはドキッとしてしまう。

「やっぱりここの景色は最高ね。」

「そうだね。」

俺たちはこの景色が大好きだった。二人の秘密の場所。沈む夕陽の見える丘。二人はこの景色を見て育ってきた。

「今日はそろそろ帰りましょ。晩御飯に遅れるとママに叱られちゃうからね。」

「そうだね。母さんに叱られて晩御飯抜きにされるのは勘弁してほしいよ。」

二人は急いで村に戻り、マリアと別れて家に帰った。


「ただいまー。」

「お帰りなさい。もう晩御飯の準備はできてるわよ。」

「早く座ってメシにしよう。父さん腹ペコだよ。」

ロイの父であるロンは子供のように待っていた。

「お父さん、子供みたいなこと言って。ほんと家は子供が二人いるみたいね。」

母のエリーは茶化すように言いながら料理を運び、席に座った。

「今日のメシもうまそうだ。おっ!母さん特製のシチューか。最高だな。」

「お父さんはほんとにシチュー大好きよね。」

「俺も母さんのシチュー好きだよ。」

「二人ともありがとね。そう言ってもらえると母さんも料理し甲斐があるわ。」

いつも通りの心地よい家族の団欒の食事。

何気ない会話の中で母が何気なく聞いてきた。

「今日もマリアちゃんと一緒だったの?」

「まぁね。」ロイはシチューを口にしながら、答えた。

「ロイはマリアちゃんといつも一緒だな。ほんと仲良しだ。このまま結婚しちゃうかもな。」父が茶化すように言った。

ロイはいきなりの父の言葉に喉を詰まらせた。

「んなわけないじゃん、あの体力馬鹿女。鍛えてる俺より体力あるんだぜあいつ。」

「照れんな、照れんなって。あんな可愛い女の子滅多にいるもんじゃないぞ。あの子は絶対美人になるから今のうちに唾つけといた方がいいぞ。」

「そうね、母さんもマリアちゃんが娘になってくれるのは大歓迎だわ。」

「もうやめてくれよ二人とも。」

二人に茶化されるのにうんざりしているロイを見て父と母は笑う、そんないつもの食事だった。


「はぁ~、うまかったー。」

「ご馳走様、母さんのご飯今日もおいしかったよ。」

「お粗末さま。二人とも。」

「ロイ、じゃあいつも通り食後の訓練するか。」

「うん!父さん今日もよろしくお願いします。」

これは俺と父さんの日課である食後の訓練だ。漁師である父の後を継ぐことを夢見ているロイは父の「海の男ってのは強くなくちゃいけない。何たって大自然との闘いだからな。」という言葉を受け、毎日訓練を愚直に行っていた。

「今日も筋肉トレーニングは済ませてるな。じゃあ、剣術の訓練行くか。」

「体を鍛えるのはわかるけど、なんで剣術の訓練をするの?」

「お前な、敵は海だけじゃないんだぜ。海賊だっているし、日常でも襲われるかもしれないんだ。」

「じゃあ人を殺すかもいれないってこと?」

「最悪な。」厳かな声で言った。

「父さんは人を殺したことあるの?」おびえたような声で父に尋ねた。

「俺はない!」アホみたいに素っ頓狂な声で答えた。

「で、でも、海賊に襲われたりするんでしょ。」

「もちろん、襲われたことは何度もなるさ。でも、人を殺めたことはない。」

ロイは戸惑ったような顔をしていた。

「俺は人を殺さず気絶させているんだ。でもな、殺さず生かすというのは殺すより難しいんだ。」

「え!そうなの。」ロイは驚いた。

「人を生かす闘い方ってのは殺す闘い方をするには相手の倍以上の力量が必要なんだ。簡単なことじゃあない。」

「つまり、父さんはすっごく強いってことだね。」

「まぁ、そうゆうことになるな。お前も俺みたいになれるよう精進しろよ。」

「うん!俺頑張るよ。」

いつも通りの日常。この日までは毎日続くと思っていた。


初投稿になります。

つたない文章ですが、読んでいただけると幸いです。

誤字・脱字があるかもしてませんが、可能な限りないように努めます。

よろしくお願いいたします。

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