9話 本当の意味で異世界に来たと実感した日
のんびり執筆中
草原ってさ・・・どうやって隠れるの?・・・・ねぇ、どうやって・・・
俺は、今もの凄く困っています。グリーンウルフの集団に6度目の戦闘を挑まれてます!!
いくら、慣れてるとは言え、こう次々と襲われると、休む暇がありません・・・
タッタッタッタッタタっと言うグリーンウルフの足音で飛んでくるタイミング、前足左右の、どちらが前かで引っ搔いて来る足を判断し、横に軽く4分の1捻って、首に向かって、剣気を纏った一撃を叩きつけ、倒していく。
森での戦闘では不意打ち以外では、首への攻撃は上手くできず胴体に攻撃を与えるので手一杯っだったのだが、今の俺は、完全にウルフキラーマシーンになっていた。
「これで・・・32匹目・・・・森で狩ったのと、合わせて50位かな・・・ふぅ~。」
無造作に、グリーンウルフの亡骸を、収納魔法で、片付けていく。
森から半日で着くって話しだけど・・・このペースだと、もう少し掛かりそうだ。
もちろん隠密は発動しているのだが。視認されたり、鼻が利く狼には意味がなかった・・・・道中ゴブリンの群れを、発見したが、今までの戦いで気力も剣もボロボロなのを確認し、いつ街に着くか分からない今、無駄な戦闘を避けるために、草むらに隠れ、匍匐前進し、無事通過したりして難を逃れていった。
たまに、木を何本か確認して、木の上に登って休んだり、まさかの先客にウルフが居て、無理やり場所を奪ったりと、着実に前へ進んでいく。
危険察知スキルあるのに、ウルフに関しては不意打ちされる以外では、反応しなくなっていた・・・理由は分からないが、ウルフは危険と思わなくなってきたのかも知れない・・・街に着いたら、いろいろ見直す必要があるようだ。
「あちゃー、剣は限界ぽいな、今まで細かった傷が広がってる・・・・採集用ナイフを出しとくか・・・・」
この世界に来て1度も剣の手入れをした事が1回も無い・・・・したのは、戦闘後にそこらの葉っぱで、血糊を拭いたりした程度だ。
剣を鞘に収め、生活魔法の水を木のコップに注ぎ、それを飲み一息ついて、移動を再開した!!
またゴブリンの群れが居たので、匍匐前進して難を・・・難を・・・・逃れなかったぁぁぁぁぁ・・・
コントかよ・・・・匍匐前進して進んで何かにぶつかったっと思って見上げたら・・・・
2メートル弱ある、ゴブリンより遥かに大きく、緑色の魔物が居た
「なぁぁぁぁああああああああ、でたぁぁぁぁぁぁ!!」
俺の叫びに呼応するかのように。」
「ぐぉぉぉぉ」
と叫び手に持っていた、痛いじゃ済まなさそうな極太の棍棒を振り下ろしてきた。
とっさに、ゴロゴロと転がり回避して、起き上がって逃走した
俺が、ぶつかったのはオークの足だった。
必死に走って逃げているが、後ろからドスンドスンって足音が迫ってくる、距離が開く所か、距離が縮まってきた。
「何で、あんなに重そうなのに速いんだよぉぉぉぉぉぉ!!」
オークが棍棒を振って来るかどうかって言う間合いで急停止して振り返りつつ、オークの巨体に似合わない速さに突っ込みを入れるかのように!!
オークの腹に手を当て、唯一の攻撃魔法『スタン』(電気ショックとも言う)を放った、それはバチバチという音ではなくビリビリっと言う短い音とともに薄っすらとした黄色い閃光がオークに流れた。
「ぐぉぉ」っと短く悲鳴をあげ棍棒を落とした、体が硬直して無防備になったオークに向かって、背中の剣を抜き、剣で斬りつけた。
バキーンっと乾いた音が響いた
オークの硬い皮膚に向かって放った一撃は・・・・
今まで酷使させ過ぎた、相棒には耐えられなかった・・・・
「ぁ・・・・・・」
剣が折れたショックで声が漏れ、固まった、俺にオークの振り回した、拳が直撃した。
「ぐ・・がは・・・くぅ・・・」
吹っ飛ばされ、地面に体が叩きつけられ、恐怖しながら、立ち上ったが、背中から落ちた痛みで、内臓が痛いせいで呼吸が上手くできず、乱れていた。
スタンで棍棒を落してくれなかったら、死んでいたかもしれないし、絶命しなくても骨が折れていたかもしれない・・・・・殺られた自分の姿が、脳裏に浮かんだ。
恐怖で体が竦み、異世界に来た事が、まだ夢物語で現実ではないと言う甘い考えが、あったのだと。
オークは、突進して、俺に追い討ちを掛けてきた。
逃げたい、死にたくない、俺には、夢があるんだ・・・・叶えるまで・・・
「諦めてたまるか・・・・」
「ぐぉぉぉぉぉ」
「あぁぁぁぁぁぁぁ」
オークの振り回してくる拳を避け、スタンを放ち硬直させている間に殴りや蹴りを出すが、決定打にはならない。
硬直が解ければ、攻防が逆転する、俺はひたすら避ける、何故ここまで避けれるか正直分からないが、次に放つスタンに魔力を集中させる。
オークが大振りのモーションに入った時、全てがスローモーションに見えた!!
背後に回って背中に飛び乗って、スタンを放ち、腰から採取用ナイフを抜き放ち、ありったけの剣気をナイフに注ぎ込み、首を刈った
「うおぉぉぉぉぉ」
オークが前のめりに倒れ絶命しても、何度も何度もナイフを振り下ろしていた。
しばらく、時間が経ち、トボトボと力なく歩き、夕日で赤く照らされた街が見えた。
自然と涙が零れた。
難しかったです、戦闘シーンって難しいですね、頭の中では細かい動きを思い浮かべているのに、適切な表現が出来なくて、大変です。
シュン君、相棒の事は残念だったね・・・街に入れたら、剣の購入と手入れの仕方を聞いて置くんだよ・・・