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異世界ってスゲェェェ!!(仮)  作者: ポチでボッチなポッチポチ
アランの想い人
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71話 妖精さんと鬼ごっこ

 シュンはドロシーから、魔力を視認する訓練として、学園の奥地にある妖精の森で、過ごす事になった。魔力を視認するとは、感知と違い何となくで感じるのでは無く、ちゃんと魔力として見える様になると言う事だ。


 なぜ森なのかは、街中では不安定な魔力で溢れている為、訓練に向いていないらしい。

 森の場合は、常に安定した魔力が流れている為、視認しやすい。特に妖精が住まう場所は特別だと。


 ドロシーの魔力コントロールの訓練は、メイルさんが造った魔道具の一つ羽ペンを使って訓練している。これは、インクの変わりを魔力が行なっている為、インク要らずの便利アイテム。だが、魔力量を間違えると書く文字の太さが変わってしまう。下手すると魔力で出来たインクが垂れてしまう。シュンは、今でこそ当たり前の様に使っているが、実際は物凄く難しく、初めて使った時は、垂れたインクで手帳を真っ黒にしたりとしていた程だ。

 ドロシーは、羽ペンを使った時は、インクは垂れこそしなかったが、文字の太さがバラバラで、難し過ぎると言っていた。メイルさんが魔力操作の基礎として、遣らせていた事は、相当難しい事だったと、シュンは始めて、ここで知る事になった。


 ドロシーの魔力コントロールは、贔屓目なしで結構な腕なのだが、要求される事は更に上の位置にある為、訓練に励んでいる。羽ペンを使いながら、溜まりに溜まった学園の仕事をしているのだから、丁度いい訓練になっている。


 一方、森で魔力を視認する為の訓練をしているシュンは――。


「おにさん、こちら、てのなるほうへ」


 妖精と鬼ごっこをしている。妖精は魔力体となる事で、半分隠れん坊している状態になっている。これは、自分の魔力を食べさせる事で、遣ってくれている行為で、真剣に遊んでいる。何でも妖精が言うには、魔力を見える方法は、楽しまないと見れないって言うから、信じて遣っている。


「こっちこっち~、そっちちがう~」

「ええ、何処?」

「こっち~」


 この状態を、四日も続けている。感知でやると、別の妖精さんの所へ行ってしまい、鬼ごっこをしている妖精に、違うと指摘される。


 同じ妖精でも魔力の質や色が違うと妖精は言う。だけど、それは自分で見ないと理解できない。


「魔力を見るって、如何やって見るんだよ……このままじゃ無駄に時間だけが過ぎるだけだよ」

「きょうは、おにごっこ、しない?」

「妖精さんは、俺にも魔力が見える様に成ると思う?」

「んーわかんない」

「そっか……」


 解んないと言われると、自信無くなるんだけどな……まあ、素直な所が妖精の良い所か。


 そして、鬼ごっこを繰り返す。朝から夕方まで。何日も何日も、魔力体になっている妖精を追いかける。時には手が鳴った方へを目指す。何となくで、いる場所が解っても、細かい位置は解らない。触ろうとしても、『ざんねーん、ちがう』と言って、妖精は何処かへ移動してしまう。


 自分の魔力は見えるのに、人の魔力が見れないのは、本当に不思議だ。魔力を変換した魔法は見える。それは、火となり水と成るからだ。上手く風魔法が使える人は、視認される事無く相手に放てるらしい。それを回避する為にも、魔力を視認する技術は会得したい。


「ここか!」

「ざんねーん、こっちだよ!」


 魔力体から実体に変わって姿を現し、また魔力体に変わって消えてしまう。三週間近く経ったある日の夜。いつも一緒に居てくれる、妖精とは違う笑い声が聞こえ、辺りを見回すが、何処にも居ない。


「クスクス」

「誰?」

「ここですよ?」

「えっと何処ですか?」

「貴方の目の前です」

「って言われてもな……」


 全く見えないんですけど……。


「あの子と隠れん坊の様な鬼ごっこをしても、見つける事は出来ませんよ? 妖精は無邪気で、負けず嫌いな所が在りますからね。貴方には、もう充分な程、魔力が見えるはずですよ? あの子は、魔力体どころか本当に姿を消していますから、見える訳がないんですよ?」


 って言う事は、魔力が見える云々(うんぬん)以前に、何も無い状態で妖精を探してたのかよ!! そりゃあ、捕まえられない訳だよね。触れないんだから。


「そう言われてもね……見えないんですけど?」

「落ち着いて、あの子を探してる様に、探して見て? 声を頼りするんじゃなくて、凝らしてみるんだよ?」


 凝らしてか、目を細めるまで、じーと声がする辺りを見ると――。


「うお!! こんなに近くに居たのか!」

「クスクス。そうだよ。私は風の精霊リムよ、宜しくね」

「宜しく……所で、妖精と精霊って如何違うの?」


 妖精は羽無しで、普通に空を飛んだりしてるし。ぶっちゃけ、目の前に居る、風の精霊リムだって、羽が生えてて、服と髪、それに目の色が緑色なだけで、如何違うのか正直判らない。ただ、精霊だって言われたら納得は出来るけど。


「クスクス。行き成り会って、妖精と如何違うのか何て聞かれたのは初めてよ」


 ただ言えるのは、話し方が子供ぽく無い所だな……うん。


 リムが言うには、妖精は木や花などに生息しているんだと。森の妖精、花の妖精は存在するが、火の妖精などは存在しないらしい。妖精達は、魔力体や実体だけではなく、存在じたいを消す事が出来るそうです。それと、妖精の役割は、花や木を育てる事だとリムは言う。だったら、そこら辺の森にでも居るんじゃと言う疑問は、リムには答えられなかった。妖精は、精霊以上の力を持っているらしいが、その力が何なのかも、答えて貰えない。ただ一言『精霊には出来ない事が、あの子達には出来るの』と。


 精霊は、何処にでも居て何処にも居ない。と言う在り来たりな事を言われた。精霊は魔力体で存在していて、魔力が見れない者には、一生見る事が出来ないそうだが、例え魔力が見れても、かなり深く見る事が出来ないと、彼女達を見る事が出来ないそうです。他にも、魔法が人に伝わったのは、精霊が見えた人間に、生活魔法を教えた事が始まりで、何時の間にか戦う術として教えて欲しいと言われ、それを伝えた事により、魔法の存在が一気に広まったと。


「そうだったんだ、物知りなんだね?」

「まあね。何でも聞いてお姉さん、何でも話しちゃうよ」


 お姉さんですか……。


「じゃあさ。二つ知りたい事が在るんだけど?」

「なにかな? なにかな?」

「女神様系のお話と、魔力操作系の話し何だけど? 大丈夫?」

「女神様の事?」

「うん、名前は解らないけど、自由と成長の女神様が祀られている場所を探してるんだけど……」

「ああ~それは、私には答えられないな~。この世界にはね、神様が沢山いるんだよ」

「神様が沢山って、そんなに沢山いるの?」


 リムが言うには、人間が祀った神様だけで数えられない程いるらしく。そして、消えていった神様も数えられない程いるんだと。で、付け足された言葉には、『人間が勝手に祭り上げた神様が、本当に神として存在したのか凄い』と。


 じゃあ、俺が会った女神様は? 本物? 偽物? どっち!? って話しになる訳ですね。


「ただ、私から言える事は、一つだけよ」

「一つ?」

「今、存在してる神は、信じちゃ駄目って事!」


 はいいいいいい!? 如何言う事ですか……。


 それ以外は、教えて貰えなかった。魔力操作に関しては、魂と肉体を定着させる方法なんだが。


「ごめんねー、それも、私達は教えられないな。それこそ、妖精に聞いた方が早いね」


 と言う訳で、答えられない事を、ピンポイントで聞いてしまい。精霊リムの『何でも聞いて』と言う自信を打ち砕いてしまい、何とも言えない空気が漂ってしまっている。


「えっと……じゃあ、雷の魔法について聞きたいんだけど?」


 これなら、如何だろう。メイルさん見たいな、サンダーボルトとかやってみたいし。メイルさんは詠唱の時に、風と水って言ってる訳だから、答えてくれるはず!!


「う……ごめんね……それも無理……私達が魔法を教えたと言ったけど、神がする様な魔法は教えられないの……自然に雷が起ってるけど、私達は触れる所か近づく事も出来ないから、調べる事も出来ないの……」


 これも……駄目か……。ごめんよリム。


 精霊が雷に触れたら消滅してしまうから、雷=危険、ってなってるんだって。どんだけ、雷やばいんだよ!! 適性魔法に雷がある俺って、精霊の敵じゃね? それはそうと――


「えっと、リムは何で俺に話しかけてくれたの?」

「それは、貴方が何時も風を使うから」

「え?」


 妖精が暮す場所は、綺麗な魔力で溢れているから、精霊もチョクチョク好んで遊びに来るんだとか。ここにある、“綺麗な魔力とは悪意が無い”という事らしく。悪意に溢れた場所にいると、精霊は消滅してしまう為、この妖精の森で濁ってしまった魔力を浄化しに来てるんだとか。


 それと、俺に話しかけてくれたのは、普段から風魔法を多用しているから、風の精霊に近しい魔力の波長になっているから、風の精霊の声が届くらしい。


 精霊と会話するには、その属性の波長が出ていないと、精霊と会話が出来ない。


 なるほど、適性が生まれるって言うのは、魔力の質や波長が、その精霊に近しい質や波長になったから、適性魔法になるのか。

 じゃあ火と土魔法を自由に使える様になるには、質と波長を変えれば良いのか。


 リムと他愛もない話しをしながら、魔力を見る為の修行が始まった。そう、この修行は、妖精さんとの鬼ごっこに勝利する為だ!! 負けぱなしは流石に嫌だし。 一回だけでも勝ちたい! 朝方まで修行は続き、昼過ぎまで寝て、決戦の時が来た!!


「おにさん、こちら、てのなるほうへ~」

「ここだ!」

「ざんねーん、こっちでした」


 テケテケと言う音が聞こえそうな、可愛い走りをして姿を消した。


 ここが、チャンスだ!! 精霊に鍛えて貰ったのは、妖精さんが消えた時に見つける、もう一つの見方、魂を見る目だ! 特殊の場所以外で、人が魂を見る事は出来ない。だが術が無いわけじゃない。その方法は自分の“魂で見る”方法だ。


 闘気の根源は魂だ! 心の奥底にある感情それは、魂から発せられている。それを通して、剣気や身体強化を行なって、能力アップしている訳だが。それでも、『全体の三割程度』しか使えてないとリムは言う。


 俺の世界で言う人間が持っていて使ってない“未知の領域”はこの事だと思う……多分だけど。


 そして、会得とは言えないが、その“入り口が魂を見る”と言う事だ! 先ずは自分の魂を見る事から始まり、見れるように成るのは意外と簡単だった。その方法は、精霊リムに魔力をギリギリまで、吸収してもらい、意識が薄れるギリギリの所で辞めて、自分の心臓を見ると、絵に描いた様な人魂が、そこに在った。

 その輝きを妖精は綺麗と言っていたが、まさにその通りだ。綺麗の他に何を言えば良いのだろうか、その言葉でしか言い表せない。

 一度見てしまえば、後は簡単だ。魂を見ると念じれば良い。一度自転車に乗れれば忘れないと言われるが、それと同じだ。


「捕まえた!!」

「ああ~。つかまっちゃった~」


 妖精との鬼ごっこは、今日を持って終了し。森の妖精と風の精霊リムと別れ。ドロシーの下へ行き、魔力操作の練習ために、ずっとほったらかしだった、魔道具屋に戻ると伝え。


 魔道具アイルで、修行を開始する。


 

 いつも通りですかね……今の所。

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