66話 あんた絶対みてたでしょ!!
ガウマン公爵の叫びと共に、宝石が黒く光だし謁見の間が包まれ、その光が収まると、黒い球体が現れ、その球体から鎧騎士が出て次々と出て、謁見の間を混乱させて行く。鎧騎士に気を取られ、ガウマンが居た所に視線を戻すと、既にガウマンは逃げ出した様で、追っ手が来ないよう、扉の前には天井に頭が着きそうな、十メートル程の巨大鎧騎士が立っている。
「マユさんは、リアラさん達をお願いします」
「シュン……解りました、気をつけるのですよ」
「今度は剣を持って来てるんで、後れを取りませんよ」
リべレーションソードを抜き構え、隣で水槍を出し構えるバッカスを見て。
「バッカスさん、あの騎士の盾に魔法を当てると魔力を吸収します!!」
「そうか! それさえ気を付ければ良いのだな!!」
「はい!」
「小僧! 貴様を頼らせて貰うぞ!! 衛兵が居るとは言え、碌に戦えないヒヨっ子揃いだからな!!」
「えええ!? 俺めっちゃ頼りにしてたのに……意外と強いんですよ、あの騎士――」
「お喋りは此処までだ!! 行くぞ!!」
バッカスさんは、速いな。
謁見の間に居た者達を玉座の傍にある、王専用の出入り口へとドロシーが誘導し、衛兵達が近くの鎧騎士を押さえて行く。シュンもそれに協力し一応避難は終ったが。全員が非難出来た訳じゃないが、鎧騎士の傍に居た者は不運としか良い様が無かった。
全員の非難が完了した所で、ドロシーも出て行こうとするのが視界に入り。
「ちょ、ちょ、ちょ、ドロシーさんは戦わないんですか? 強いんでしょ?」
「私が魔法を使ったら部屋が吹き飛ぶんだが? それでも良いかね?」
「いえ……何でもありません」
ドロシーが謁見の間を出たら、衛兵まで――。
「はあああ?! 何で衛兵まで出て行くんだよ!?」
全部で二十体……それと大きいのが一体、バッカスさんと二人きりで倒せと。
「成る程。確かに中々やる! 攻撃は甘いが防御が良い!! 新兵として雇いたい程だ!!」
バッカスの攻撃は全て、盾で防がれ水槍を吸収していく。槍が触れた部分だけ魔力を吸い、槍が短くなっている。シュンの攻撃も盾に阻まれるが、盾に傷を付けている。バッカスとシュンは玉座の傍で戦い、鎧騎士が逃げた者達の後を追わない様に戦いを繰り広げていく。どうやら巨大騎士は、扉を守る番人の役目らしく全く動く気配が無い。
「小僧、足手纏いが居なくなったんだ!! さっさと終らせるぞ!!」
「足手纏いって……俺めっちゃ衛兵さんを頼りにしてたんですけどおおおおおおお!!」
とは言え、確かに周りに人が居ないから、自由に動ける。密集してるとシュンの持ち味である、速度での戦闘は制限が掛かる。今は、謁見の間の空間を全部使える状態になっている。
シュンは、鎧への攻撃を入れる為、大きく回り込み鎧騎士の背後から切断して行く。その動きをバッカスは見てシュンの真似をする。そして。
「小僧! もう一つの倒し方を見せてやる」
そう言って、シュンが十倒し終える前に、先に九体倒し一体残して、何かを見せる様だ。
「……!?」
槍を振っても突いてもいないのに、盾で防ごうと騎士が動き、その動きで生まれる隙を槍で突いて鎧騎士を破壊してみせる。
どうなってんだ? 何で鎧騎士は盾を構えたんだ?
「何をしたんですか?」
「闘気を飛ばした!」
「は!?」
闘気を飛ばす? 闘気って飛ぶ物なの? だったら最終的に斬撃とか飛ぶんじゃね?
「ふん、小僧には、まだ早かったか」
うわ、鼻で笑われた、ムカつく。如何やるんだ! 俺は、その場で構えて真似してみるが、何も起らなかった。それでも、何度も繰り返す。
「小僧! デカ物が動かないからと言って、遊んでんじゃねえぞ!!」
おっさ……バッカス軍団長のせいだろおおお!!
バッカスが、扉の前にいる鎧騎士に走って行き、シュンがそれに続く。様子見の為に軽く突いていく。
「む!? 早いな! ぬお?! ぐぬぬぬ!!」
ええええ!? すげええええ!! 五メートルは在りそうな、馬鹿でかい剣を受け止めたよ!! 剣の重さもそうだけど、鎧騎士の重さも追加されてて、下手したらザックリと言うよりペチャンコだよ。って、あんなの振り回したら城が壊れるよねえええええ!?
「うおおおおおおおおおお!!」
お、押し返してるうううううう!!
「何してる小僧!! 今のうちにデカ物を城から追い出すぞ!!」
「追い出すって?」
「このまま、扉ごとアイツを力で、城の外までぶっ飛ばすんだよおおおおおおおおおおお!!」
はいいいいいいいいいい!! んな滅茶苦茶な?!
バッカスは、相手の剣を無理やり上へ押し上げ、懐に潜り槍を地面に刺し撓らせ、その反動で高く飛び上がり、蹴りを入れ鎧騎士を押していく。
シュンは、バッカスを狙う剣に近づき、力が乗る前に剣を弾き飛ばし鎧騎士を仰け反らせる!
いってえええ!! 連続で使えないな……身体強化してこれじゃ、じり貧だな。
「でかした小僧!! うおおおおおおおお!!」
バッカスの気迫と闘気による身体強化、攻撃により扉をぶち破り、そのまま連続で肉弾戦で押し飛ばしていく。高さを維持する為、しばしば水槍を伸ばして落下を阻止して見せる。
すげええええええ、硬い鎧を素手で殴ってるよ、コエエエエエよ! 戦った時、手加減してくれてて本当に良かった……。
「オラオラ!! おりゃああ!!」
城の壁を壊し鎧騎士が落下していく。落ちた先には誰も居らず、鎧騎士の周りに兵士達が集まる。
「行くぞ! 小僧!!」
「え……あ、はい。でもガウマンは?」
「それは、バートランが追っているから、心配いらん!!」
そう言えば、鎧騎士が現れてから姿見てないや。
バッカスは、そのまま穴が空いた壁から飛び降りて行く。
えええええ!! ここ三階なんですけどおおおおおお!! 俺の世界で言うと、五階くらいあるんですけどおおおおお!!
シュンは飛び降りずに、階段を使って一階の入り口から出て、バッカスと合流し。その目に飛び込んだのは、バッカスの気迫に押されて動けない兵士達の姿と、翻弄されて動きが掴めない鎧騎士の姿だった。
あれ? ……ここでも、俺いらなくね?
「小僧手伝いやがれ!! このデカ物硬くて攻撃が効いてねえ!!」
シュンは、バッカスの攻撃が鎧騎士に本当に効いてないのか確認する為に、攻撃を受けた場所を確認する。確かにバッカスの攻撃を受けた鎧騎士には、ダメージが無いみたいで、怯んではいるが、決定打になっていなかった。水槍の攻撃は盾に阻まれ、打撃は鎧で効いていない。
確認が終えたシュンは、バッカスの加勢するべく、剣戟戦の中に参加した。
「小僧! もっと気合いれろ!!」
シュンの攻撃は確かに鎧騎士に当っているが、傷一つ付かない。そんな激闘が繰り広げられて、どれ位の時間が経ったのか、鎧騎士の剣を避け地面が抉れ、シュンの攻撃は鎧に傷一つ付かず、バッカスの攻撃でも何も変化が無かった。
強いと言うより硬い、守りも堅い。バッカスの不意打ちの水槍をキッチリ、盾で受け止め魔力を吸収しているのが凄い。俺の攻撃は効かないし。嫌になってくる。これで、攻撃が鋭かったら勝てる気がしなくなる。それだけが救いだ。あの鎧騎士の攻撃は、鋭くは無いが重い。だから避けるのは簡単で、相手をしっかり見ていれば、どの攻撃も大振りで溜めがある。それさえ見落とさなければ避けられる。
「うわあああああああ」
鎧騎士の振り下ろした剣が地面に当たりその衝撃で、割れた岩や土の塊が勢いよく飛び散り、避けれずに当る者達が増え、ケガ人が出始め。
「馬鹿野郎!! 貴様等は邪魔だ!! 下がっていろ!!」
俺も下がりたいな、とは言える状況じゃないし。どうやって倒すんだろう? 俺の剣気だって別に悪くないと思うんだけど? これ以上強いの出すのはリスクが高いしし。現にバッカスさんだって攻めあぐねている訳で……。
「!? くう! ぬおおおおおりゃああ!!」
重過ぎるんだよ!! タイミングが少しズレルだけで、腕が痺れるし。良いタイミングで弾き返せても、次の一撃が放てないし。如何したものか。
「小僧! 今以上の連携は取れるか?」
「すみません! 騎士養成所で教えられた事意外は出来ません!」
「そうか! 小僧好きに動け、俺が合わせてやる!!」
今までの攻撃パターンは、バッカスが正面から、俺が背後から攻撃すると言う、基本中の基本。言うなれば、盾役がバッカス、攻撃がシュンな訳だが。それ以外の戦闘方はシュンは知らない。今まで、一人で行動していたから、連携と言う連携は出来なかった。
「今の俺に出来る事は、速度で翻弄する事です!!」
シュンは、バッカスの指示に従い、自由に動き始める。シュンの持ち味は、相手の剣を弾いて隙を作り、そこから攻撃するか、速度で翻弄して隙がある所から斬ると言う戦法だけ。
魔法は、放てる時に放つと言う感じで、牽制として使う事が多い。
シュンの動きに合わせバッカスも、鎧騎士を中心に周りだし、背中を見せた所で、シュンは剣を振るい攻撃し、バッカスは水槍で攻撃をする!
「!? 変だ」
シュンとバッカスの速度は遜色ない、寧ろバッカスの方が早く鋭い。なのに何故か、シュンの攻撃は受けて、バッカスの攻撃はキッチリ盾で防いでる。
「エアカッター!」
シュンは、バッカスが攻撃いれる少し前に、鎧騎士に向かってエアカッターを放つと、鎧騎士は即座に盾で防ぎ、バッカスが鎧に一撃を入れる。
「ぬ!?」
「はあああああ!!」
「「な!?」」
そして、鎧騎士の鎧に傷が付き始める。そこでシュンが攻撃すると、闘気を吸い取られ。鎧騎士の鎧が修復を始める。
「闘気を吸収する性質があったのか……」
「うむ! その様だな!!」
闘気を吸収する性質がある為。シュンの攻撃を避ける必要が無かった。それに、今まで無傷だった為に吸収する必要が無かった。鉄壁の守りを掻い潜って入れた一撃でハッキリした。
盾は魔力を。鎧は闘気を吸収すると。シュンとバッカスは、顔を合わせ、後ろへ飛び退き。
「小僧! 悪いが剣を借りるぞ!」
「はい!!」
シュンは、リべレーションソードバッカスに渡す。
「ぬう! 片手剣の割りに随分と重いな、だが良い剣だ!!」
シュンは、サンクションズソード抜き構える。
「小僧! これで終らせる。俺の後にに着いて来い!」
「はい!」
「うおおおおおおおおおおお!!」
「はああああああああ!!」
バッカスの真後ろをシュンが走り、バッカスが鎧騎士に向かって、水槍を投げ、鎧騎士が盾で防ぐ。その盾に向かって、バッカスとシュンの剣戟が始まる。
「「はああああああああああああああああああ!!」」
盾に何百と言う剣戟を放ち、盾に亀裂が入り、ガシャンと言う音と共に砕け散る。
「これで、デカ物との戦闘は仕舞いだ!!」
バッカスが、シュンのリべレーションソードを手放し地面に突き刺し。水槍を二槍出現させ、連撃を放つ。
「うおおおおおおおおりゃあああああ!!」
「おりゃ!!」
シュンは、バッカスを攻撃しようとする鎧騎士の剣を弾いて邪魔をした。
そして、鎧に亀裂が入って砕け散り。その場に壊れた宝石が残った。
「ほう、どうやら、これが鎧騎士の力の源の様だな!」
「そうみたいですね」
シュンはリべレーションソードを拾い上げ、剣を収め。座り込むと聞き慣れた声が聞こえる。
「おう! そっちも終った様だな!」
「バートラン貴様!! 来るのが遅いわ!!」
「わりぃわりぃ!! 意外と逃げ足が速くてな!」
嘘だ! 絶対見てたよ、この人。
鎧騎士の騒動はこれで、終了な訳なんだけど。これから、壊れた謁見の間で、ガウマン公爵の裁判が始まるとの事で、先日の社交界の証人の一人として、来いとバートランに言われ行く事になり。
疲れた身体を起し謁見の間に向かう。
大変です、全く進みません……出来上がってる話しの修正だけで、手一杯になってます。
スマフォのフリックの速い人が羨ましいです、速い人は指が踊ってるように見えますよね……僕なんて一文字入力するのに四苦八苦してますよ……。
アランの思い人編が終わったら、別の作品の執筆を心見様と思います。
……PC購入してからですけど……




