6話 もっと話したかった色んな意味で・・・
何とかできました
目を開けると、見知らぬ森にいた。
また、森かよ!!
夜じゃくて良かった……っと安心をしようとしたが――。
「ここ何処だよ! 街はどっち? つか、この世界何て名前だよ!! 国名は何ていうのぉぉぉぉぉ!!」
思いのたけを叫んだ、だって魔法とか、宿とかの値段しらねぇーし、もっと話したかったよ。
っと色々と考えていると後ろから……。
「ガルルルル」
「ちょ、マジで・・・」
振り返ると、緑色の狼が涎をたらして、一歩一歩と歩みよって来た
距離だいたい十五メートル位だろうか……。
俺は狼と目線を合わせつつ、後ろに後退りをした。
迂闊だった。森の中で叫んだのが悪かった……。
参った、本当に参った・・・・
狼は一歩また一歩っと向かってくるし、俺はそれに、合わせ下がっている、それの繰り返しを続けていたが……距離は詰まっていくだけ。
「うっ!?」
ドンっと背中に木が、ぶつかり、身体が緊張して固まった。
それをチャンスとばかりに、狼が飛び掛って来た
「ガァァァァウ」
「うああああああああ!!」
狼の飛びつきに反応して俺は叫び。
叫んだ途端に固まっていた身体の緊張が少しだけ解れぶつかった木を盾にするように、木の裏側に回る。
狼は、そのまま木に大きく開けた口からぶつかって、ドスーンっと大きな音がし、ベキベキっと言う音がしたらしい?
らしい? って言うのは、確認してないからわかりませぇぇぇぇん。
とりあえず必死に走ってます。
もうどれくらい走ったのだろう気がついたら、川の近くに来ていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……異世界……こわ」
とりあえず息を整え、川の水で顔を洗い、水を飲むのか悩んだが、辞めといた。
まず、スキルと魔法が使えるか確認しないと。
何んとしても、説明書か・・・あれが無いと魔法に付いて、何も解んないし、剣スキルは動きに補正が付くとかだろうし。
………………
「ん? ん!? っで、どうやって出すの? 収納魔法にある荷物どうやって引き出すんですか。魔力ってなぁに? 美味しいの? って言うくらい……知らないんですけどぉぉぉぉ!! もっと、話しとけば良かったよ、これじゃあ説明書の意味なくね? 生き残るヒントと云々の前に、出せないんじゃ意味ねぇぇぇじゃぁぁぁぁん!!」
一通り叫んだ途端にさっきの、狼がフラッシュバックし。
また、やってしまったと思い、急いで辺りを見回し、何処か隠れる場所を探しながら、川に沿って下流に向かって行く。
結構歩いた、途中魔物と思われる奴の鳴き声が聞こえたが、無事に洞穴に辿り着いた、この世界に来た時は、日が高かったが、今はだいぶ日が落ちてきた。喉の渇きには勝てず川の水を飲んでしまったよ。
「今日はここで過ごした方がいいのかな……」
夜の森は危険がいっぱいだって色んな人が言ってたよね? 本にも書いてあったし。
「はぁ~……お腹すいたよ」
携帯食料あるのに出せない! その、もどかしさを埋めるように、川の水で膨れさせていく。
「女神様……必要最低限の事教えてよね、チュートリアルは大事だよ……」
なぁなぁに流された自分に苛立ちつつ、今日は寝る事にし、冷たい地面で寝れるのかと不安になったが、フルマラソンに長距離移動でクタクタだった為、すぐに寝入ってしまった。
~召還後の女神様は~
「行ってしまいましたか、本当に久しぶりに人と話しました」
彼以外で話をしたのは、何時だろう。
そう言えば、彼……何か言いかけてましたね。
私も何か言い忘れてるような……。
その時、彼女のいる空間が歪み、白い空間を徐々に黒く染めていく。
「俊介、いえ……シュン頼みましたよ」
彼女は歪んで行く空間の進行を遅らせるだけで、防ぐ程の力を今は失っている。
やっと冒険が始まりました。主人公と同じで、私の執筆もどうなるのやら・・・