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異世界ってスゲェェェ!!(仮)  作者: ポチでボッチなポッチポチ
アランの想い人
58/87

58話 いい様に・・・・・・使われてます

「国が関係してるなら、それこそ勇者の仕事では? ダンジョン攻略は冒険者だってするんだし……」


 椅子に座り直して、あの件とか言う内容を知る前に、断れる方法を探してみる。


「勇者は所詮、第二王女のお気に入りだからな! 使えんのさ!!」

「それに、彼等は異世界に来て、半年程度しか暮らして無いのですから……調査何て無理でしょうし」


 その言葉、待ったああああ! 俺も半年しか暮してませんよ!! 何て、言える訳も無く……。


「調査って俺に出来るんですか? ただの冒険者ですよ?」

「調査と言っても、噂話を聞いたりするだけで大丈夫だ! まあ……やる事は普通の仕事だしな」


 うわ……やりたくない……。そだ! 話し聞くだけなら、誰でも良いんじゃね? そうだそうだ、他の人でも良いはず―。


「外から来た人で、信頼できそうな人にしか、頼めないのです」


 …………何で何時、先回りするんですか。これって、もう逃げられなくね?


「シュン、観念するんだね。君に逃げ場は無いようだね」


 ドロシーさんが俺の肩に、ポンと手を置いて詰んだ事を宣言した。俺はそのまま、項垂れて大人しく、内容を聞く事にした……何かね、抵抗する気なくなったよ。頑張れよ俺とは、行かなかった訳です。


 


 勇者のパレードから、二日後の俺は。

 

「いらっしゃいませー。ポーション二個と毒消しの解毒薬ですね、三本合わせて、銀貨四枚です。毒消しの方はサービスさせて戴きますんで! 他の人に宣伝しといてくれませんか?」


 ってな訳で、魔道具屋を経営してます。本当は祭りが終ってから何だけど、予定よりも二日早く始まりました。場所は、冒険者ギルドと一般住人の居住区から、十分以内に着くと言う、好条件です。


 はい、そうです。これは権力と言うなの力で用意された店です。しかも、たった一日で建てられた御店なので、めっちゃ目立ちます。普通の店より大きく、そして新しく建てた建物ですから、それは綺麗で新鮮な木の香りが漂ってます。



「シュンさん、そろそろ犬耳ポーションの在庫が無くなりそうです」

「あ、はーい。今、補充します!!」


 商人ギルドから派遣された、ヒューマンのルーミーさんだ。年齢は20代後半かな? マユさんの御墨付きで、店の経営全般を任せられる人だそうです。商人の家に生まれたのだが、長男である弟が無事に後を継いだので、商人ギルドで派遣社員として働いてるらしいです。しかも彼女を雇うには、高い御給金が必要になるんですが、僕の懐からは出ません。それも含めて、ギルド側の負担となってます。


 そして、店が開店してから一ヵ月経ち、一般の御客さんの数がメキメキと増えて行き、ガッポガッポ儲かってます。

 一番売れたのは、“買い物用の籠”です。これは、俺が愛用してるポーチと仕組みが一緒だけど、簡易的に造ってあるので、乱暴に使うと縫い付けてある、魔法陣が消えてしまいますが、戦闘に赴く事が無い人には、充分な出来なので安めに造れました。

 二番目は子供用の玩具です。これは、魔道具とは関係ありませんが、電々太鼓やガラガラ等赤ン坊をあやす道具を作りました。錬金術で造ったのである意味魔道具ですかね? 切っ掛けはお店来た御客さんの中には、赤ン坊を連れてた人が居たんだけど、待って居る間に赤ン坊が泣いてて、大変そうだったから造りました。

 三番目は栄養ドリンク改です。最初は買う人が少なかったけど、次の日から馬鹿売れしだして、昼前には品切れになりました。

 そんな人気商品ですが、転売されたり偽物が出回ったりした様ですが、住民の皆様が商人ギルドに連絡して、犯人達は捕まり。それから芋ずる式に問題行動を起していた違法商人の集団まで捕まっていったそうです。

 うん、俺の知らない所で、商品が役に立つとは思いも寄りませんでした。


 


「シュン、君の商品は独特で目立つから、囮になって貰いたいんです」

「私の学園の生徒も被害にあって困っていてね」

「うちの連中も被害にあってな。依頼を頼んだら大荒れになるのが、目に見えているからな」


 俺があの時、頼まれたのは、魔道具屋として繁盛させる事だった。何でも王都では転売と偽物で溢れていた、作為的に誰かがやった事だと噂されているが、その噂が本当か如何かさえ解らない、それを見つける為に、白羽の矢が俺に飛んで来た訳で。目に見えるんだったら避けるとか、弾き返すとかしたかったです、本当に。


 目立たずに、それなりに商売が出来れば良かった。忙しいとさ、やりたい事の邪魔でしかない訳ですよ。


 俺には、アランさんのペンダントを、レイアさんに渡して、あっちこっち回って遺跡とか神殿とか調査して、女神様の名前を探すって言う目的がある訳ですから。


 それなのに、それなのに……。


「これと、これと、これを下さい」

「はい、銀貨三枚です! ありがとうございました」


 何時まで続ければいいんですかあああああああああああ!!


「いらっしゃいませー」


 途切れる事無く、品切れが続いていくので、補充、販売、補充、販売、補充、寝る、販売……と永遠にサイクルして、もう何も無いよ。休みも無く、出会いも無く、ただ機会の様に働いてます。御客さんは、冒険者か小母ちゃんばっかり……。店にそのまま暮しているので、材料の調達の時以外は引き籠もりしてます。しかも、四日に一度のペースの買出しで。


 ある日、お店にフェルニア学園の生徒が尋ねて来て、手紙を一通届けてくれました。ドロシーさんからの手紙で、内容は明日の夕刻に来いと書いてあったんですが、嫌な予感しかしないのは、気のせいだろうか。


と言う訳で、ルーミーさんに店を任せる事に成ったのだが、何時も二人で回してたので、一人じゃ大変だと思い休みにしようか? と聞いたのだが、何でも商人ギルドの方で新人が数人余ってるので、これを気に教育の場として使わせて欲しいと言われ了承しました。今まで、愚痴の一つも言わずに、一生懸命働いてくれたし、それに帳簿とかも任せ切りで、実質、俺は調合と生産だけに専念できた訳で、小さな御礼って事で了承しました。


 それで呼びだされて、ドロシーさんに会いに来たんですが……もうね、ドア開けて視界に入った面子で、帰りたくなったよ。


「お久しぶりです、アスレイさんファルクスさん」

「ああ、久しぶり。王都はどうだい?」

「ええ……まあ、そこそこ」


 何で、ランディールのギルドマスターの、アスレイさんが居るんだ……。


「忙しくて行けなかったが、魔道具屋の話しは、城の方まで、届いてるぞ」

「ええ、御蔭様で毎日、調合とかに追われて碌に休めませんよ」


 俺は、マユさん、バートラン、ドロシー学園長の方を強く睨んで訴えた!


「そう睨むな、御蔭で予想以上の結果で、お前さんも懐が暖まったろう」

「バートランさん……冒険者って縛られない職業ですよね? それなのに、俺凄く縛られてるんですけど? そこら辺を冒険者ギルドのギルドマスターとして、如何思いますか? 俺は少しだけ稼げれば好かったんです!!」

「シュンは、商人としてでは無く、冒険者として活動したいって事ですよね?」

「そうですよマユさん。俺は世界を回りたいんです! ですから、あんまり長く王都に留まる気は無いんですよ。王都に来たのだって――」


「ああ、その件に関しては暫く待って貰う事になりそうだね」


 ドロシーさんが遮り、ファルクスさんの方に視線を送る。


「実はな、シュン。近々、内乱が起こるかもしれないんだ」


 ファルクスさんから、聞かされたのは、勇者達が何故ダンジョンに行ったのか。それは、自ら行った訳では無く。周囲から行くように仕向けられたんだそうだ。

 要するにニートな感じで城に居たら。アンタ何時に成ったら働くの!!? っと言う視線と言葉が、城内に在ったんだそうだ。

 第二王女様としては、護衛として傍に置いて置きたいんだけど、実権の殆どは第一王子が持ってるから、止むを得なかったそうで……。

 やっかいな勇者が居なくなった今なら、適当な理由を付けて第二王女を排除しようと言う策略が、動いてるんだと。めんどくさいね……王族って。


 王様は病が再発してベットの上で、何とか公務をしてる感じらしく。次に意識を手放したら、戦いが始まるらしいよ。で、今は目に見えない策略が張り巡らされてるんだってさ。

 んで、その一つが、偽物商品の出回りだそうで……その資金で戦の資金を溜め込んでるんだってよ。最悪だね。商人ギルドに登録してない連中の殆どが、貴族連中の指示で、いろいろしてくれちゃってます。


 第一王子と第二王女のどっちに正義があるか? どっちにも無いね。バッカスが付いている、第一王子と。大臣が付いている第二王女。どっちが良いんだろうね。第三王女のレイアさんが、住民の本命らしいけど?


 井戸端会議は良いね。本音がめっちゃ漏れてて解り易かったよ。魔道具屋を経営してて、物の買出しなどで行くと、常連さんの様に顔を出してくれる、小母様とか若奥様がコソコソ話し込んでてさ。それに、さり気無く、参加すると。良い噂と悪い噂が、飛び交ってるからね。しかも、飛び飛びで話すから、周りの人には何のこっちゃ? って感じになるから。 告げ口出来んのよ。奥様方のトークスキル、半端なかったっス。解読出来る様になるまで、一ヵ月半つかっちたよ。


 で、レイア様は子供の頃から、ちょくちょく城を抜け出して、街を出歩いていたんだってさ。その時から多くの人を惹きつけて居たそうです。んで、誰もが彼女が後を継ぐだろうと思っていた矢先にアランさんの訃報を聞いて、彼女は体調を崩し部屋に閉じ篭ってしまったって訳ですね。


 アランさんと、レイアさんは誰もが結ばれる事だと思ってた見たいで。アランさんは、軍団長のバッカスに匹敵する程までに、力を付けてたらしく。あと少しまで来ていたのだけど……バッカスが、アランさんをアーレンに行く様に仕向け、アランさんは其処で邪神に嵌められ、幸せを奪われたって事らしいが、バッカスの事は、あくまで噂だ。


 正直、バッカスが仕向けた噂を聞いて、怒りがこみ上げて来て荒れそうな気持ちを静めるのに苦労したよ。


「で、俺が呼ばれた理由は何でしょう?」


 本当、嫌な予感しかしないんだけど……。

ヤバイです。非常にヤバイです。話をコンパクトに出来ないと言う、悪い癖が……。


 このままだと、完結する頃に、二百話を越えそうです。何とかせねば……。


 そんな感じで、悩んでる私の作品、異世界ってスゲェェェ!!(仮)を宜しくお願いします!!

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